10・お姫様がんばって!
今日も太陽はニッコリ、よい天気です。
ぽーは、ごきげんに歌を歌いながら空を飛んでいました。
「ワポの実は、たいようの子~♪ 入道雲の畑でスクスクそだつ~♪」
すると、女の子がトボトボと歩いていました。
「あれ? あすかちゃんだ。どうしたんだろう?」
コロのおうちのあすかでした。でも……なんだか元気がありません。
「はぁ……、しっぱいしたらどうしよう」
あすかは、ポツリとつぶやきました。
「しっぱい? なにかあるのかな?」
あすかは学校に入っていきました。ぽーもついて行くことにしました。
「おはよう、あすかちゃん。今日はがんばってね」
みんながあすかに声をかけます。
「うっ、……うん」
キーン、コーン、カーン、コーン♪
先生が教室に入ってきました。
「今日は、学芸会で白雪姫のお芝居をする日です。
今まで、たくさん練習してきたから、がんばりましょうね」
「はーい」
みんなが元気に返事をする中で、あすかだけうつむいたまま……。
「そうか、あすかちゃんはドキドキしてるんだな」
あすかはお姫様のかわいいドレスに着替えると、トボトボと体育館へ歩いていきました。
いよいよお芝居が始まります。
ぽーも、ステージの後ろであすかのそばにいました。
「あすかちゃん、がんばってー!」
王妃から逃げた白雪姫が、森の奥で七人の小人とばったり会いました。
「なんだ……? この女の子は」
小人たちが白雪姫に言いました。
「…………」
ざわざわ
「…………」
ざわざわざわ
あすかは、なにを言うのか分からなくなっていました。
「どうしよう……。あっ、そうだ!」
ぽーは何か思いつきました。
ぽーは触りたい! と思って、あすかの右手をそっと小人の方へ向けました。
そして、あすかの背中をやさしくトントンとしてあげました。
(あれ? どうして私、小人をさしてるんだろう……? そうだ! 小人だ!)
あすかは、なんとか思いだしました。
「小人さんたち、どうか私をたすけてください。なんでもてつだいますから」
それからのあすかは、しっかりと白雪姫の芝居をすることができました。
それはとても楽しそうでした。
ところが……ぽーも芝居をやりたくなってしまい、『八人目』の小人として芝居を始めてしまいました。
「こらあ、このわるものの王妃! これいじょう姫をいじめたら、ゆるさないぞ!」
とか、
「だめだよぉ、白雪姫。リンゴは食べちゃダメだよぉ。毒が入ってるから!」
とか言っています。
でも、誰にもぽーの声は聞こえていないので、だいじょうぶ。
すると、ぽーはリンゴを捨てようとしました。
こらこら……。だめだよ、ぽー。




