五人の美少女達 -1-
ふと、違和感を感じて目を覚ます。
「……」
「「「「「……」」」」」
視界を埋め尽くす五人の顔。ベッドで寝ている俺の顔を覗き込んでいるのは五人の美少女達。
「はい、全員正座」
俺は戸惑うことなく起き上がり、ベッドに座り直す。美少女達は渋々ベッドの前に正座した。
「昨日、玄関に飾ってある絵画の額縁に隠したスペアの家鍵が無くなってました」
顔を俯かせる美少女達。
「この中に一人、わざわざ見つけ出して持ち去った犯人がいます」
微動だにしない美少女達。
「誰ですか?」
名乗り出る様子はない。俺は強硬手段に出ることにした。
「もう皆とは話しません」
すると名乗り出ろと言わんばかりに四人の視線が一人に集まる。
「……梓さん?」
「あちゃ。バレちゃった」
右から二番目の女性が舌を出しながら言う。
彼女の名前は一ノ瀬梓。
二十歳の大学三年生。身長は一七〇センチ。
二〇一号室の住人。
暗い深緑色の髪が首元まであり、内側にカールしている。髪型はボブだけど、全体的にふわっとしていて柔らかい印象を与える。
それとは裏腹に、細い吊り目は猫っぽさがある。瞳は茶寄りの黄色で、ぱっと見は茶色に見えるけど、陽の光が当たると黄色の瞳が目立つ。
細い曲線の眉毛に長い睫毛、高いすらっとした鼻。一際目立つ大きな胸と華奢な体に高い身長は外国人のモデルのようで、比べても引けを取らない容姿をしている。
「でも、アタシが来るより前から部屋の前に翆がいたよ?」
「それは言わないで欲しかった」
梓さんに名指しで暴露されたのは一番左の少女。
彼女の名前は天羽翆。
十六歳の高校二年生。身長は一四九センチ。
二〇三号室の住人。
腰まで伸びる白髪のロング。頭の天辺から両の耳まで三つ編みにされている。
若干垂れ目で、明るい水色の瞳が特徴的だ。眉毛は若干曲線みを感じるけど、ほとんど直線。表情をあまり表に出すことがなく、淡々と話す様子から冷たい印象を受けがちだが、実際はそうではない。
小ぶりな鼻と朱色の唇は幼さを感じさせ、年齢通りの容姿。体的な意味でも成長過程といった感じだ。
「じゃあ、摩耶はタンスを開けてリトの下着を凝視してた」
「あ゛っ、それは本当にダメなやつです!」
衝撃的な暴露をされたのは左から二番目の少女。
彼女の名前は結城摩耶。
十七歳の高校三年生。身長は一五六センチ。
一〇三号室の住人。
首元まで伸びる茶色の髪が後ろで一つのお団子にされている。横の髪が顎あたりまであって、どこか色気を感じる髪型。
丸い目つきと、髪色と同じ茶色の瞳。豊かな表情は見る人に癒しを与え、それが彼女の人柄を表している。
雰囲気は小動物そのもの。なんの動物に似てるかと言われたら、兎かリスで、可愛らしい女の子だ。