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人生ゲーム-筒井晶の場合-   作者: 青井 楊
8/8

夫へ

 私は、あなたがどんなことをしようと、離婚しようと本気で思ったことはありませんでした。


「離婚」という言葉を発したことはありましたが、全然本気ではありませんでした。


義母やあなたに信じられないような言動をとられたり、アダルト動画に明け暮れて私には触れようとしなかったときも、不思議と離婚しようとは思いませんでした。

 

 でも、今日、初めて離婚を考えました。


 矛盾して聞こえるかもしれませんが、とても感謝しています。


本当にたくさんのことを学ばせてもらった、成長できた結婚生活でした。


ありがとうございました。



 あいつがまた、やって来て、私のことを叱ってくれました。


あいつにも感謝しています。


あいつが帰って行った後、あなたの言った言葉を聞いた瞬間、「もう、一緒に居られないかも…」と思いました。


あいつも、あなたも義母も、私が本当の私に戻って行く為の「私」だったのです。


何を言っているのか、理解できないかもしれません。


でも、分ってほしいのは、今、私があなたに感謝しているということです。


―本当にありがとう。



 先のことは分からないけれど、今の心境のありのまま。

こんな考えになるとは、ついさっきまで想像もつかなかったことです。


 私は、この家に居る限り、あなたや義母にあまえてしまうでしょう。


本当の自分を生きられないのは、あなたや義母のせいだと思ってしまうでしょう。


私の実力を出さないまま。不満に埋もれて終わっていくでしょう。



 だから、離婚はわたしの「わがまま」と見られるのかもしれません。

実際、その通りなのかもしれません。

でも、私にとっては「わがまま」ではなく、「あるがまま」なのです!


本当に、ごめんなさい。

あなたのことを嫌いになった訳ではないのです。

本当に感謝しています。


―ありがとう。

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