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地獄

魂が震えている。緊張でもなく興奮でもない心の底から何が湧き上がる。照れくさいような懐かしいようなそれでていて沸るように熱い。

目の前にはマグマの渦に巻き込まれる人型の生き物が溺れながら(もが)き苦しんである。

隣にいた大炊御門(おおいみかど)は微笑みながらこちらを見ている。


「私たちの先祖が()を追い詰めた先にあったものさ。私たちの先祖は約1300年前にたどり着いたとされる境地で私たち人間が神に逆らう最後の血戦の地だ。」


「でも、なんで僕がここに?」


「それは君の血がここへと自分自身を導いたからさ。これから、君はここで家業を継いでもらうよ。()()()()当主様。」

思わず驚いて言葉が出ない。ここまでの展開が早すぎて頭の回転が追いつかない。わかったことといえばめんどくさいことに絡まれたということと自分の体に自分以外がいることその2点だけが明瞭に理解している。それ以外は度が過ぎて理解が及ばない。


大炊御門は俺のことを見ながら見透かしたように(おもむろ)に石を持ち話し始めた。


「ここにはただの石がある。この石を崇めて神としよう。」


大炊御門は顎に手を当てて考える。


「これを相手を殺す呪いを持つ神だとして崇める。」と言い石をずっと見ていると石に目と鼻そして不恰好な口ができ声にもならぬ声のような鳴き声で喋り始めた。


「これで神が完成する。今後この神は人間の欲を食べて成長する。この世界ではこういうふうに具現化されるけど(うつつ)では違う。()()()()()()だから君がこの犬を見て反応してくれて安心したよ。君、本当はこういうもの見えるんだろ。10年前から。」


根拠を記して追い詰められたことに背筋が凍るような思いがする。自然と冷や汗をかいていた。10年前から俺には見えていた。この世のものならざるものが。だが、目を背けていた。見て見ぬふりをして生活していた。そのつけがここにきて自分に降り掛かるとは考えても見なかった。

俺は乾いた口で少し噛みながら


「確かに見えていました。だけど、見えるからといって関係ない。」

自殺する人間の後ろやいじめをしている人間の中に見えていた。しかし、自分には関係ない。見えるからといって自分には何かできる力がない。だから、見過ごしてきた。


「もし、君がこの問題を解決できる力を持っていたとしてもかい?」


「不愉快です。帰らせてもらえませんか?」


「まぁ、いいさ。だが、君はすぐに力を求めたくなると思うよ。そして、君は血の運命に抗えずその運命を辿るだろう。」

と大炊御門は耳元で言い残して、一枚のお札を渡しケルベロスを呼んで門を開き俺は元いた(うつつ)に戻ってきた。


現の空には満点の星空が広がっていた。









この先どんな未来が待っているか。ワクワク

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