大炊御門
月野木の中にいたやつは月野木の身体を乗っ取った。
「しっかりと身体を動かすのは1200年ぶりだなぁ〜」
「人の身体は使えこなせないだろ?人間の体は脆すぎる。君が全力で戦えば月野木君は確実に普通の身体のままでは生活できなくなる。」
「そんなの関係ない。俺自身は死なないからなぁ〜。」
「君はそんなに特別強い訳ではなかったのではなのか?」
神は非常に強い信仰がない限り実体は得られない。
「俺のことを舐めすぎだよ。もう、めんどくさい身体に教え込んでやんよ」
「俺は君如きに負けるたまじゃないんだよなぁ〜」
激しく地面が抉れるほどの攻防が続き次の瞬間、大炊御門の首元に鋭く爪が突き立てられる。
「そんなこと言っていられるかなぁ〜、一回目。君は死んだ」
そう言った直後、月野木の腕がずれ落ちる。そう、大炊御門はなんの躊躇もなく月野木の腕を切り落とした。それには、月野木の中にいたやつも驚いた。
「躊躇もなく味方の腕を切り落とすなんて人間のやることじゃないな」
「あの指がもし僕の喉に突き刺さっていたら即死だったからね。僕はこの家を継ぐと決めた時から人間を辞めているつもりだよ。君は覚悟が足りなかった。それだけさ」
「面白い。これだけの腕を持つ者を見るのは久しぶりだ。こちらも全力で行かせてもらおう。」
と言い月野木の切られて腕が再生する。
恐ろしい再生能力だ。そのスピードやはり簡単に殺せる相手じゃないか。
「それはやめて欲しいなぁ。ここじゃ立地が悪すぎる」と言い。
大炊御門は手で韻を組む。
「血統術式 両獄口開門」
その瞬間、大炊御門の連れていた犬が雄叫びをあげ辺りか暗くなっていった。
「流石がだなぁ。これほど緻密に作られた術式は初めてだ。しかし、俺には通じないなぁ〜」
「それはどうも。しかし、俺はこの戦いに勝とうとしてない。お互いが戦わなくなればいい。」
月野木が目の前に来たところで大炊御門が静かに言い放った。
「その場で月野木本人と戻ることを命ずる。
術式展開 指麾」
その瞬間、月野木の身体は糸が切れたようにその場に倒れ込んだ。
「これが僕の受け継がれてきた能力なのさ」
クールな大炊御門次も楽しみに待っていてください。