黒の影
「キーンコーン カンコーン」
6時間目の終業の鐘の音が教室の空気を揺らす。皆一斉にペンを置いて椅子の背もたれに背中を預ける。俺も同じように背中を預けて一息つき、俺は一番後ろの席なので大きく伸びをした。すると前の幼馴染みの安居院凛がこちらを見ていた。安居院凛はまるで猫のような女の子でおとなしい髪はショートでから目は垂れ目で身長はちっさく人との付き合い方は気まぐれな感じだ。
俺が「どうした?」と聞くと。
「今日、朝遅刻しそうになって走ってたら師匠が月野木にすぐに帰るよう伝えるよう言われた。」
「ばあちゃんが?」というと凛は勢いよく首を上下に振る。
「来客が来て大事な話があるからすぐに帰るようにって言ってた。」
「じゃあ、すぐに帰るか。」と言うと凛も荷物をまとめる。
俺もすぐに荷物をまとめて教室を出る準備をし、教室を出て通学路を歩く。なんとなく話しかける。
「今日は道場行くのか?」
「今日は休みにするって師匠が言ってた。」
俺の家は少し歴史のある有名な道場だ。今、はばあちゃん一人で弟子を教えているが昔はじいちゃんも一緒にやっていたらしい。
俺はその時の記憶がない。
俺たちは他愛もない話をしながら家へ帰った。俺が家に着き門を開けたると、そこには婆ちゃんと初めて見る奇妙な人が立っていた。
室内なのに鎖に繋いだ犬を片手に眼帯をつけ全身黒い浴衣を着て黒い眼帯を右目付けた白髪のおじさんが立っていた。ばあちゃんは俺にしせんを向けると犬が俺に向かって吠えてくる。正直、いい気がしないがしない。ちょっとした沈黙の間(犬はうるさい)のあと、男が口を開いた。
「立ち話もなんだお茶でも出して座らないか?」と言う。
なんとも言えない聴き心地声がその場を制した。
我は無言のままその意見に同意し茶の間に行く男は犬を連れたまま俺の後ろをついてきた。ばあちゃんはお茶を準備しにいき2人と1匹の微妙な空気が流れる。何しろ初対面の人に何を聞くわけでもなく茶の間に座布団を引いてそにすわりばあちゃんがくるのを待とうとした時、男が急に話し始めた。
「俺の名前は大炊御門郁也だ。こう見えてもまだ、32歳なのでよろしく。」
「俺の名まー」
「月野木悠人くんだね。」
とかぶせるように言い続け様に、
「君は私の業界では大変有名人だから幹部クラス人間は知ってるよ。君は特別だからね!」
と意気揚々と話すその男の眼の奥には黒いものを感じた。
急に現れた男正体はいかに!