人の目を真っ直ぐに見て話す彼
人の目を真っ直ぐに見て話す方だなと思った
思わず
「そんなに見ないで」と
恥じらいを持ってしまうほど
だから私は
じっと見られてもいい自分になりたくなった
あなたにどれだけ見られてもいい
まさにあなたの視線に挑むような覚悟で
「綺麗になりたい」
そう思ったんだ
最初はなんとも思わなかった
よく話してくれる方だなって
『心を開いてもらうにはまず自分から』
というやり方を
これまで意識されてきたからこそ
こんなにいろいろ話してくれるんだろうか
それともただのお喋り好きなんだろうか
今もまだどちらなのか分からない
でもひとつだけ言えることは
一緒に働いていく上で
そういう交流は
とても大切なことなんだということ
だから私はいつしか
あなたの言動を
好意的に観察するようになってしまった
すると不思議なことが起き始めた
お互いに遠くから目が合う瞬間があるような
絶妙なタイミングで
まるで待ち伏せされていたような
必要のないものを無意味にくれたり
仕事の連絡ではありながら
突然の電話がかかってきて
私が知らなかったあなたのエピソードを
癒すように話してくれたり
取るに足らない一場面の数々が
どういうわけだか
印象に残って仕方がない
あなたはきっとこれからも
ちょうどいい距離感で接してくれながら
私にたくさんの驚きと嬉しさを
くれるような気がする
言動を観察したいと思える方が
自ら私に話しかけてくれることは
幸せなことこの上ない
そう噛み締めるだけで
日々に喜びが満ちるんだ