今日も静かにあなたを想う
例えば私は
誰とでも気軽に
たわいもない話をしたりすることが
あまり上手ではなかった
ただ、自分なりに
努力をしようとはしていた
そしてその努力を向ける対象の中には
もちろんあなたも含まれていたんだ
そんなあなたは時に
何か案件を抱えているように見え
そうすると
今は話しかけない方がいいのかな
と思ってしまい
あえて口を閉ざした沈黙が
私たちを不思議な感覚で包んだ
あなたは他の方に対して
冗談を口にしているのを
よく見かける
それは相手も冗談を言うからであって
完全に心を許している相手でないと
冗談がなかなか言えない私は
その状況が羨ましくもあるのであった
でもそれらは
私が不器用であるから
半ば諦めている面でもあり
それに代わってできることは
あなたが困っている時に
笑って助けてあげられることなのかなとも
思ったりするのだ
遠慮して話題を振らなかったり
面白いノリでいられなかったり
もしかしたら
「何を考えてるのかな」と
思われたりもしているのかもしれない
でも
あなたの要望に応えたいし
あなたが振ってくれた話に笑いたいし
アイコンタクトをして
「あなたに興味があります」ということを
伝えたい
この前あなたが
軽い指示を私に出した時
もうそれはする必要がないということを
お互いに認識した瞬間があって
その時にあなたが
私の目を真っ直ぐに見て
「他の方がしてくれたみたいだね」
という言葉の代わりに
ニコッとしてくれたんだ
私にとってはその一瞬が
まるで宝物のようで
私はなんて単純なんだろうと
思い知らされて
映像が永遠に脳裏に残ったまま
今日も静かにあなたを想うだけなんだ




