騎士団とナマズと(7)
次の日、とりあえず荷物を纏めて城の方に向かいながら今日こそ宿を見つけるつもりで歩く。
まあとは言ってもタリアさんと口添えとかで城に寝泊まり出来ないかな。
私としては今日で地球に帰れてもそれはそれでいいんだけど。
ヴィヴィとの旅は始まったばかりだけど。
「なに?私の顔に何か付いてる?」
「寂しくても泣いちゃダメだよ」
「なんの話よ」
まあ私より長生きだし一人旅もしてきた筈だし大丈夫だろう。
「とりあえずエロフ、間違えた、エルフを探さないとね」
「間違ってないから大丈夫だよ」
なんだったらエロスでも正解だ。
あのペースでピョンピョン跳んでいったのだ。
もう城にいる可能性も否定出来ない。
荷物なんも持ってかなかったし。
丘を発ち城に向かうとすぐに街並みが見えて来る。
剣や盾を持った勇者みたいな人、鎧で武装した兵、あとは一般人、そして飲食店が繁盛している。
武器屋なんかもあるな。
あと道具屋。
「ファンタジーって感じの街並みだわぁ、飯田に見せたら喜ぶんだろうな」
「誰?男?」
「まあ性別は男だけど別にそういう関係じゃないよ」
割愛。
八百屋みたいな店の店頭にフルーツみたいな物が大量に並んでいる。
あと色のヤバイ野菜みたいなの。
本当に凄い世界だ。
タリアさんに聞いたところによると自然界の生物が魔力角で吸収するエネルギーを食物が吸収するとこういう色になるらしい。
食べられるらしいけど真っ青のトマトはちょっと……。




