騎士団とナマズと(2)
「ねえヴィヴィ、騎士団について何か知ってる?」
「うーん、まあ一般人程度の知識しかないわねぇ、まず王都の王直属の護衛集団ってこと、あと人間の中でも強い連中が金で雇われてるとこ、そして十年程前に一度騎士団長ってのが入れ替わってる事」
つまりそれがタリアさんだった訳だ。
傭兵みたいなものかな。
「あと人数に関しては二十人ぐらいって事かな」
二十人か結構いるな。
しかしタリアさんはもう辞めたっていうならなんでまた戻れなんて言うのか、今の団長がアカンやつなのか。
「あ、というか王都着いたらタリアさんの馴染みの魔導師?とかいう人に会うって事になってたのにタリアいなきゃ会えないじゃん私はいつ帰れるんだよ」
それもこれもあのイケメン騎士が悪い。
この世界にもそろそろ馴染みつつあるけど。
思い出も大分増えた。
といか私がこの世界に来た理由もイマイチだけど。
そう言えばまだその辺何も解決してなかった。
こっちで蜜にも会ってないし。
こっちに来てるのかもわかんないけど。
「これからどうすんのよ」
どうすると言われても土地感も何もないしこっちが聞きたい。
「オッケーオッケー、順を追って決めよう、まず宿、そしてタリアさん、その後タリアさんの案内で例の魔導師、付き合わせちゃうけどいい?」
「今さらでしょ、一緒に着いていくって決めたのは私だし」
淋しがり屋のセイレンガール。
旅は道連れ拉致監禁。
「で、宿はどっち?」
私と一瞬睨めっこしたヴィヴィが数歩下がりトントンと助走を付けて両腕の翼で飛び上がり一瞬で屋根の高さを越えた。
ふわりと空中にとどまり王都全体を見渡した後戻って来た。
「方角的にはこのまま真っ直ぐ歩いてけば大丈夫そう」
城下町でも見えたんだろうか。
便利だな。
道に迷ったら案内役使わせて貰おう。




