思い出とサバと(13)
「すぐそういう事する、私に相談もなしに」
「そのぐらい私の自由でしょ」
蜜は縛りたがりの縛られたがりで私依存症なので仕方がない。
男子二人に場所と時間の説明をして一旦釣具を取りに私の家に帰る。
……
…………
パチパチと焚き火が燃え、最後のサバっぽい魚をタリアさんが食べ終わったぐらいで丁度昔話も佳境だ。
「それで、その男児とはどうなったんだ?」
男児って。
飯田が男児ってがらだろうか。
「いやー条件も全部揃えて勝負したんですけどね、私ばっかり釣れすぎちゃって勝負になりませんでした」
サビキでそんな差が出るとは思わなかったけどなー、サービスのつもりだったけど。
「付き添いの二人はやらなかったのか?」
「まあその二人は証人ってだけで呼んだみたいな」
「ふーん」
そうだ。
あの時はほぼサバばっかりだったからほんとにサバを見るとよく思い出す。
丁度シーズンだったし。
「まあサバって言ってもこれよりは全然型も小さいのばっかりでしたけどね」
昔話したらちょっとあの頃に帰りたくなってきた。
「ま、私としてはその蜜って女が気になるがな」
「え、蜜がどうかしました?」
「お前、本当に女たらしだな」
「え!?なんで!?」




