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それでも私は釣りに行く!  作者: naoてぃん
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ハイドラとバスと(13)

「お、おい、目が真っ赤だぞ、大丈夫か」

「えっえっ」

鏡は持ってなかったけど腰に下げた包丁を取りだし鏡面を覗き込むと確かに真っ赤だ。

でも白目の所じゃなくていつも黒い所なので充血とは違う。

頭が厨二病なら体まで厨二病かよ。

まるでさっきのハイドラみたいな目だ。

「タリアさんにこんな体にされてしまった」

「仕方ない責任取って嫁に貰ってやるか」

「顔だけ亭主はちょっと……」

「バカ言うな、中身が同じなら外見はいい方がいいに決まってるだろ、だったら顔で選べ」

そらそうだ。

でも出会って数日で中身も大体割れてるからなぁ。

エロ亭主。

「あ、あの……」

忘れていた。

さっき助けた女の子が割り込んできた。

「あ、大丈夫ですか?お怪我は?」

「だ、大丈夫です、ありがとうございました」

タリアさんが俯くその子の顔をぐいっと覗き込む。

「ひぁああ!!」

美形が近すぎたんだろう。

尻餅ついて後退りノックバック。

「どこかで見た顔だと思ったらあの町の子じゃないか」

女のチェックがはええなエロ亭主。

真っ赤な顔して胸を押さえる女の子に手を差し伸べて立ち上がらせる。

「秒で浮気とはいい度胸ですね、離婚ですね」

「なんだ妬いてるのか?」

「うるせーですよ不貞マン」

女の子の腰に腕を回してチャラ男アピールかよ。

「そういえば貴女のお名前は?」

「は、はい!ニーサっていいましゅ!」

ましゅ。

言い方は悪いかもしれないが見たまんまの田舎娘って感じだ。

親の農場を手伝いながら牛の世話でもしてそう。

「あ、あ、あ、ありがとうございました!お二人に助けて頂かなかったら今ごろさっきの蛇のお腹の中でした!」

それは間違いない。


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