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ハイドラとバスと(5)
「さて、おいおい始めますか」
川が狭いのでとりあえずのべ竿。
のべ竿は以前にも出したが一般的に川で釣りと言えばこれだ。
短い一本の棒の先の細い方から出していく。
頭にヘビぐちと呼ばれる赤い紐が付いてるのでそこに事前に作ってあった仕掛けのラインを結び(正確には輪を作って引っかけるだけ)延ばし延ばしで今回は短めで三メートル。
ラインの先に針、その手前に玉浮き。
ザ、シンプル。
「やっぱり川釣りの基本はこれでしょ」
餌は……。
そういえばスライムの入った瓶はタリアさんが持ってた。
まあ一番釣れる餌ってのは釣り場にあるものだからね。
特にこういう自然に溢れた場所は尚更。
小さい石を退かしてその下からミミズ(みたいなもの)を発掘。
さらに靴を脱いで浅瀬に入る。
流れが緩やかな場所の石の下。
ここで川虫をゲット。
結局生餌最強だから。
そして餌は多い方がいい。
陸に戻って川虫の頭に雑にブスリ。
そして水中へぽい。
川釣りなんてこれでいいの。
子供に戻った気分だわ。




