スライムとサーモンと(8)
「これは何て魚なんだ?」
「えっエルフはサーモン食わないの?」
サーモンとは言えやっぱり角が生えてる。
申し訳程度のファンタジー感。
「種類なんて一々気にしないだろ」
しろよ。
毒あったらどうすんだよ。
毒効かない体質とかなのかな。
いや、数日一緒にいてわかって来たけどこの人大雑把な所あるからな、そういう所かもしれない。
大雑把な女二人旅。
これ仮にどちらかが神経質だったら何日も続かないかもしれない。
「それでこのシャーマンって魚はうまいのか?」
「シャーマン食わない、サーモン、ほら、エルフの村の近くの滝壺の近く、あの辺で釣れたマスの仲間ですよ」
まあ本当は逆だけど。
マスがサーモンの仲間と言った方が正しい、地球的には。
しかし似ているがもしかしたら違う魚かもしれない。
鱗の色や形、ヒレなんかが全くの別物だ。
カマスとかナマズとかは割りと角生えただけでほぼ知ってるものだったけど。
鮭だしもしかして海から川に帰ってくる途中だったのかな。
そしたらもっとアホみたいな数いてもいいと思うけど。
「火を通しても生でも美味しいですよ、とりあえず捌きますか」
付いた土や草をサッと川の水で流しクーラーボックスの上に置く。
乗り切らない。
頭と尾がでろんとしてる状態で腹だけ開けよう。




