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それでも私は釣りに行く!  作者: naoてぃん
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地底とシャコと(8)

「私から見たら周り中化け物だらけだけどね」

津波の様に水を溢れさせながら巨大な爪を水面から出してヴィヴィに狙いを定めた。

「ヴィヴィ危ない!」

岩盤も割れそうな圧の爪を空中で分解する。

それでも風圧はヴィヴィにまで届いたみたいで空中のヴィヴィは強風に煽られて壁スレスレまで下がってしまう。

「あっぶねぇーありがとエナ」

「それはいいけどこれは一筋縄にいかないかもよ」

分解したはずの爪が再生してる。

どんな能力だ。

また生える能力か、それとも。

「再構築する能力か、それなら私と同等の能力なんだけどっとぉ」

次のパンチが私に来たから正面からパンチでかち合い。

ハイドラの力と再構築の魔法で強化されてる筈の私の手が弾かれた。

手の甲に小さい亀裂が入る。

「いぃってえ!!魚介類の分際で!」

「お前本当に魚介好きなのか?」

「もちろん好きですよ」

瞬時に割れた場所を修復する。

これなら一瞬痛いけどダメージはない。

タリアさんが素早く巨大シャコの目玉の上に駆け上がってナイフで表面を素早く切り裂く。

黒板を引っ掻いた様な悲鳴で目より下も水から出て来て暴れ始めた。

「目玉が弱点じゃない生物はいない、目玉がない奴はいるがな」

その場合どうするんだろう。

切り裂かれた目玉からは青い血を流して頭上のタリアさんを振り払う様に素早いパンチをタリアさん目掛けて放つ。

スピードが売りのタリアさんに当たる訳も無く空を空振るどころか勢い余ってその眼球を直撃して再び悶えている。

バカなのかな。

「タリアさんナイスぅ」

「ナイスはいいがお前の能力効かないのか?」

「今なら効く気がしますね、相手も万全じゃないし」

「なら行ってこい」

頭上のヴィヴィの足に掴まりシャコの上まで運んで貰う。

タイミングを合わせて水中で転げ回るシャコの上に降りて手を沿えた。

「ごめんね」

誰も悪くない。

言うならここまで来て侵略してる私達の方が悪いかも知れない。

「恨むなら私の前に現れた自分の不幸を呪いな」

中の分子を高速で震わせて瞬時に茹で上がらせる。

全身余す所なく。

空中にワイヤーを生成して天井に複数の滑車を作りワイヤーの先をタリアさんとヴィヴィに向けて投げる。

それが引っ張られると大きい津波を生みながら水面から引っ張り上げられた。

「ひゅー、エビの中身だけ茹でてやった、しーゆー」

「何をしたんだ」

岩の出っ張りにワイヤーをくくりつけたタリアさんがそう呟く。

「地球人はこういう調理器具使いますよ、電子レンジっていうんですけど」

「中身だけ茹でられる装置か」

「まあ、そんな感じです」

中だけ茹でられる訳じゃないけど。


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