表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも私は釣りに行く!  作者: naoてぃん
187/272

地底とシャコと(7)

「よし、団長命令だ、最短コースを形成しろ」

「どういうこと?道を作れと?斜め下ぐらいの位置だからエスカレーターになりますけど」

「いや、パンチとかキックでいいだろ、自分の怪力忘れたのか?」

「ああ」

もう動かないシャコの亡骸を見る。

トントンと軽くステップを踏んでから踵落としをすると地面がプリンの様に、豆腐の様に抉れていく。

激しい地響きと共にクレーターが生成されるとすぐ下に地下二階が見えた。

「これなら階段作るだけでもよかったかもしれませんね、案外下の階近かった、タリアさんどうしたんですか?」

某警備会社のCMの霊長類最強女子みたいに壁に張り付いてる。

元気だな。

「あんな地震の震源地に居たんだぞ、逃げるだろ普通、というか地上では下手したら騒ぎになってるんじゃないのか」

多少地下が揺れても地上では特に何もないだろう。

知らんけど。

ここ地下三百メートルだぞ。

知らんけど。

崩壊した部屋、陥没孔の向こう側で更に奥に見える扉が開いた。

ヴィヴィが猛スピードで入ってきたと思ったら同じぐらいの速度でカシャカシャカシャカシャと足を動かしながらシャコが部屋に入ってスピードを維持したままブレーキも出来ず穴に落ちていった。

衝撃映像。

「あ、ヴィヴィ、帰って来たんだ、無事?」

ちょっと涙目に見える。

確かに二メートルあるシャコに追いかけられたら誰だって涙目になる。

「い、一応ね、他のとははぐれたけどなんとかあんた達と合流出来て良かったわ」

「そうだね、ん」

手を出す。

「何よ」

「私達を運んで」

「どこに」

「この下」

下に落ちたシャコが見える。

ひっくり返ってジタバタしてる。

十メートルちょっとぐらいだろうか。

まあワンフロア分ぐらい。

「え、シャコ見えてるじゃん」

「いやなの?」

「当たり前でしょ」

「仕方ないなぁ、わかったよ、はい」

「いや、何……は?シャコは?」

「消滅させたよ」

ジタバタしていたシャコが居た周囲約五メートルの地点を消滅させた。

あまり人道に反するレベルのアレだからやりたくは無かったけどヴィヴィが嫌なんじゃ仕方ない。

十メートルちょっとなら全然射程圏。

「これやると魂ごと分解しちゃうからあんまりだったけどヴィヴィがそういうなら仕方ない」

「いやそこまでやれとは言ってないけど……こわ」

わがままかよ。

私の分解は座標式なのでこれは仕方のない事だ。

だからその周囲の地面も消滅してる。

「だからこの能力嫌だったんだ」

「なるほどな、お前がその魔法ごと記憶を封印した理由がなんとなくわかったぞ」

「封印というか分解ですけどね、結局記憶が戻ったら全部戻っちゃった、どころか強くなってるかも」

なんとなく、自分の中でこの魔法の存在が大きくなってる気がする。

「ま、そんな事よりシャコは退かしたんだからヴィヴィよろしく」

「……わかったわよ、どうせ逃げられないし、何よりあんたの近くにいる方が安全だしね」

「賢い賢い」

ヴィヴィの足に掴まりそのまま三人で地下二階へ。

「おっも」

「でででデブちゃうわ!」

「そこまで言ってないわよ」

そういえば運びながら飛ぶの一人が限界って言ってたような?二人だっけ?

知らんけど。




ヴィヴィに掴まりながら細い通路を飛ぶ事十分程で広い湖に出た。

地底湖ってやつか。

綺麗な水色が天井まで反射してる。

「すご、ここが目的地なの?」

地面に降ろされてタリアさんと一緒に地面に立つ。

「そうだね、生物の気配を感じる、タリアさんが言ってた水脈ってこれの事ですかね?」

「ああ、多分そうだろう、それよりその気配がこっちに来てるぞ」

突如水面が盛り上がると巨大なシャコが顔を出した。

「げぇー!化け物!」

そう叫んだヴィヴィをギロリと睨み付けた。

真っ黒なその目で睨むという表現が合ってるかはわからないが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ