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それでも私は釣りに行く!  作者: naoてぃん
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飛行船とサンショウウオと(6)

「まあ冗談はともかく一瞬でも気を失ってる内に消えてたのは間違いない、もしくは集団幻覚」

「んーいや、集団幻覚はないと思う、ほら」

袋を漁る。

レモンティーがない。

「ああなるほどな、あたしのみるくちーを別けてやろう」

間接キスしたいだけでしょ。

ぐいぐい押し付けてくるみるくちーを押し返してテレビを付ける。

「そろそろ釣り釣りマロンが始まる、今日は無人島特集だ」

「それJKが見るテレビか?まだプニキュアのがあるだろ」

「この年でプニキュアはないでしょ」

釣り釣りマロンというのは釣りが趣味のマロン原という売れない芸人が一人で色々な場所で釣りをするという番組だ。

私のお気に入りだ。

ネタとか芸は知らないけど最初本当の初心者の状態から始まってもう五年、すぐ終わる番組かと思ったら結構長寿番組になったな。

ずっとやってくれ。

せめて芸能界引退までは。

いや引退してもやって欲しい。

どうでもいいって?

ひどいな。

「……あれ?ニュースやってる、なんで、曜日間違えた?」

「だってほら、一時間ぐらい気絶してただろ」

ハッとして時計を見ると確かにいつもより一時間遅い。

「う、そ、でしょ」

「お前の本気の絶望顔十年以上の付き合いで初めて見たぞ」

「泣きそう」

「どうせ録画してるんだろ、いいだ……ろ」

確かに時間で録画してるが私はリアルタイムで見ながら録画して後で見直す派なのだ。

「どうせ蜜にはわかんないよ!私の数少ない楽しみが!……何見てんの?」

一瞬マジでキレそうになったけど珍しく蜜がテレビに釘付けになってると思ったら人差し指で視線を画面に誘導された。

「なに……ってえ?嘘でしょ」

テレビのアナウンサーと並んで、さっきのボロボロの服のままの、さっき話したまんまのMさんが映っていた。

「なんで!?有名人?蜜知ってた?」

「い、いや、それよりテロップを見ろ」

いつものニュースの様に、流れるテロップに[本物の魔法使い現れる、スタジオで実際に披露!]と出ていた。

「……マジの魔法使いじゃん」

んなアホな。

しかも生放送。

この短時間で?

テレビ局行って?

偉い人信じさせて?

「流石に無理がある」

「それ自体が魔法なんじゃないか?そうなると」

「ん?」

「別れ際に言われたお礼ってなんだろうな」

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