ゴブリンとドジョウと(13)
「えー、じゃあタリアさんは子供達と遊んで来て下さい」
「いやいや料理だよ料理、何かあるだろ、子供達はヴィヴィが遊んでるし」
「うるさいですねー子供と遊ぶ事も大人の仕事でしょ」
二百歳ともなればよっぽど子供達との遊び方をマスターしてるだろう。
エルフにだって子供はいたし。
いや、しかし二百歳のタリアさんがあの見た目ならもしかして子供も私より年上とかあるのかな。
でもダークエルフのラヴィさんが七十歳ぐらいだっけか?
若い時の年齢の進みは人間と同じなのかな。
年取ってからが長いとかそういう感じ?
猫なんかは最初の一年で二十歳になるらしいけど。
いや、しかしダークエルフとエルフの年齢による老け方が違う可能性はある。
同じフグでも種類が変われば毒の有無も変わる。
「仕方ないなおっと」
タリアさんが部屋を出ようとすると強く扉が開いてゴブリンに拐われてた子がもう一人の子と共に部屋に入ってきた。
男の子の方がお兄ちゃんらしい。
ゴブリンに囲まれた時に親と妹を守る為に囮になった感じかな。
やるじゃん。
なかなか出来ることじゃないよ。
「あ、あの、妹が意識を取り戻したので、お礼を言いに来ました、ここにいると聞いたので」
父親は一緒じゃないのか。
まあいいけど。
「お前達を助けたのはあいつだ、私達は大したことする前に気絶したからな」
ほんとだよ。
それを聞いてトコトコと二人で私の前まで歩いて来た。
妹の方は怪我をした所に包帯を巻いている。
ジャパニーズアヤナミスタイル。
子供達の目線まで屈む。
「お嬢ちゃん、大丈夫?」
ペコペコと無言で頷いて兄の後ろに隠れた。
恥ずかしがり屋なのかな。
「あ、ありがとうございました!」
「いいよいいよ、詳細は言えないけどゴブリン達も懲らしめておいたから」
もう悪さはしないようにね。
「でも、僕結構死にかけてたんですけど、どうやってここまで治療したんですか?」
「あー、まあ大人には色々あるんだよ、詳しくは言えないんだ、ごめんね」
特にまだタリアさんとラヴィさんにはまだ聞かせられない。
リリーいなくて良かったな。




