ゴブリンとドジョウと(8)
ニヤニヤと笑う大型のゴブリンが見える、そいつらが緑色だ。
「ゴブリンって大きくなると色が変わるんですか?」
「ああ、基本的には子供は赤、大人は緑という生態だ」
緑のゴブリンはイボが多い気がする。
緑と赤しかいないけど脱皮でもするのかな。
突然緑になるのか?
「気を付けろ、大きいやつはそれなりに力がある……ぞ!」
そう言って真っ直ぐタリアさんが猛スピードで緑ゴブリンに突撃していく。
身軽に大鬼の脳天にナイフを突き刺しキックで頭蓋骨ごとぶち抜いた。
「う、うわぁ、エグい」
「ゴブリンを討伐するコツはですね、加減しないことですよ」
そう言いながらラヴィさんも近くのゴブリンに飛び掛かり手刀でシュッと擦るとゴブリンの首が飛ぶ。
どうやんのそれ。
というか殺していいのか。
慈悲が無さすぎる。
なんて思っているとゴブリンが私にも飛び掛かってきた。
手近な一匹の頭をちょっと強めに殴ると一瞬で意識が飛んだみたいでヨダレを垂らしながら膝からガクンと落ちた。
足に掴みかかって来た奴の顔面に膝を捩じ込みボディに抱き付いてきた奴の後頭部をチョップする。
私の見た目的に弱いと践んでいたのか私を見ていた数匹がたじろぐ。
「よっしゃー、あと一息……ん?」
私達が入ってきた岩の穴を新たな岩で塞がれた。
「今更塞いでどう……この臭いは」
どこからともなく硫黄みたいな臭いがする。
「タリアさん!」
「麻痺毒だ!嗅ぐな!や、やばい、そういう私がちょっと吸った」
「う、うぐっこちらも、吸ってしまったみたいで、エナ様、後は、まか……せ」
二人がゆっくりと膝をついて崩れ落ちた。
「ちょ、ちょっと!」
ゴブリン達は何もないみたいで平然と二人に近付いていく。
というか私も嗅いでるんだけど?
まあ平気だけど。
余裕を取り戻したゴブリン達が再びニヤニヤしながら二人に近付いていく。
二人は数秒で意識を完全に失ったみたいだ。
えっちな奴だ。
「二人共、気を失ってるね、あーあ仕方ない、こんな所で使うつもりなんて無かったのに」
まあ二人が見てないならいいか。




