ゴブリンとドジョウと(5)
「私はサラ、産まれも育ちこの村よ」
ターバンみたいなタオルを巻いた彼女はそう名乗った。
サラか、デデンデンデデン。
強そう。
「私はエナ、エルフがタリアさん、ダークエルフががラヴィさんにあっちの鳥がヴィヴィです、よろしく」
軽く握手を交わすと村の入り口で見たのと同じ太陽の様な笑顔だ。
見ていて気持ちがいい。
「そう言えば貴女達さっきゴブリンがどうとか言ってたけど」
「ああ、あれ、悪戯してたゴブリンを懲らしめたんですけど逃げられちゃって」
「ああそういう事ね、この近くの洞窟にゴブリンの巣があってね、最近特に悪戯が激しくて困ってるなよ」
それは最初の男性に聞いた通りだ。
「この間ゴブリンが子供誘拐しようとしてたし、迷惑してるのよ、その子供は大人が助けたから事なきを得たんだけどね」
もう少し懲らしめた方が良かったかな。
「最近この村も不作でね、というかこの辺の土地が痩せつつあるのよね、だからこの村の男達も慣れない狩りに出たりしてるの」
山奥の村で狩りに慣れてないのは大変だな、確かにさっきの男性結構痩せ型だったかも?
畑で育てた野菜とかで周りの村と取引してたりしたのかな。
「土地が痩せたって、最近ですか?」
「ここ数年ね、理由は良くわからないけど、ゴブリンもそれで飯にありつけなくて困ってるのかもね」
「なるほどね、じゃあ」
私達が山の先で見てきますよ、そう言おうとした時。
「誰かー!助けてくれー!!」
聞きなれない声で急な叫び声で部屋の中の誰かが扉を開けて出ていく。
それに着いていく様に皆で出ると血まみれの子供を抱えた若い男性がいた。
「この村の人?」
「ううん、知らない人」
その知らない男性は息を荒くして私達の方へ走ってきた。
「子供が!ゴブリンの群れにやられて!」
見せて来た子供はぐったりして血も凄い。
早く治療しないと危ないのが素人目にも解る。
「ゴブリンは?撒いたんですか?」
「そ、それが直ぐそこに!」
そう叫んだ男性の背後からゴブリンが飛び出して来て男性を飛び越えて私達の方へ襲い掛かって来た。
驚く女性達の間から一陣の風と黒い炎が抜けて行き小鬼の群れを弾き飛ばし女性達を守った。
ぎゃあぎゃあと喚きながら転がるゴブリンに追い討ちを掛ける様にヴィヴィが上空から突風を起こし村の外まで吹き飛ばす。
「ヴィヴィやるう!そんなにその技強かった?」
「はっはっはっ!私だって常に成長してるのよ!」
四人しかいないパーティーで風キャラ被りはどうなの?
風属性に強い相手が現れたらどうするんだ。
属性?




