ゴブリンとドジョウと(1)
「ひぃぃ!ゴブリンだ!あんた達!どうしたんだよそれ!」
「え?これですか?私の荷物パクろうとしてたんでボコりました」
「ボ、ボコ……?」
私の荷物を勝手に持ち運んでどうしようとしていたかは知らないけど悪ガキみたいな顔をしていた小鬼の群れを執拗にボコってヴィヴィに止められるまで殴り続けた後、近くの村に向かって歩いていたら薪を背負ってる第一村人発見、逃げ遅れた小鬼を一匹引きずりながら歩いていたらボロ雑巾になった小鬼を見てビビるビビる。
「あ、あんたがやったのか?」
「そうとも言う、けどそんなビビります?怖かった?」
確かに見た目相当不気味だ。
廃墟とか暗闇で見たら私もビビるかもしれない。
「い、いや、実は俺の村はこの先にあるんだけど最近ゴブリンに悪戯されててな、最近特にエスカレートしてて皆ゴブリンに過剰に反応するようになってるんだ」
ゴブリンの悪戯。
えっちな奴かな。
女の子が酷い目に合う奴?
「特に農作物が酷く荒らされててなぁ、あんた達、ゴブリンを倒してるのか?良かったら村に寄ってくれ、ゴブリンへの牽制になれば何か礼も出来るかもしれん」
「ああ、そういう感じですか」
他の三人と目を合わせると頷かれたのでとりあえず男性について村に向かう事にした。
「あんた達、どこかへ向かっているのか?」
「ああ、我々はこの山を越えた先にあるという剣先団の本拠地という場所へ向かっているんだ」
「ふぅん、ギルドって奴か?女四人で大変だな」
「いや、ギルドとは別だ」
ギルド?昔モンスターを狩るゲームでそういう名前を見た事はあった気がする。
そういうハンターを派遣する組織とかの事かな。
そういうのもあるのか。
私がこの世界で見た来た物はまだほんの一部だろう。
「ふぅん、まあいい、俺の村はこのまま真っ直ぐ川沿いに歩いていけばすぐだ」
男性が指差す先、川しか見えない。
こういう所は良い。
何が良いって渓流はまだ最初のエルフの森の近くでちょっとやったぐらいだからな、フライフィッシングとかが出来る。
フライのセット入ってたかな?
「おい、顔がニヤけてるぞ、釣りの事考えてるだろ」
「鮎の塩焼き~」
「会話をしろ」
唐揚げも可。




