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それでも私は釣りに行く!  作者: naoてぃん
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勇者とウナギと(8)

皆十代だろうし、それを若いなぁって言いそうになる心を抑えて飲み込む。

危ない危ない。

私だってまだ若いよ。

うん。

流石に高校の時の制服とかはヤバいけど。

コスプレじゃん。

「あ、タリアさん後で話があるんで部屋来てください」

「夜伽か?任せろ」

「歩くAV」

脳ミソの中身食欲と性欲しかないのかなこの人。

立てば変態、座れば淫乱、歩く姿はセクシー女優。




各人部屋が用意されていて全員の部屋にベランダが付いている感じで私の部屋の右隣がタリアさん、左隣がヴィヴィ、タリアさんの部屋の隣がラヴィさんになっている。

ちなみに二階。

まあベランダあるからね。

それでもまだ十部屋ぐらいある。

広すぎだろこの館。

それを十年も守り続けて来たラヴィさんは本当に凄いと思う。

私だったらほったらかして毎日釣りいくもん。

その部屋のベランダで夜風に当たる。

ああ、またいい女アピールしてる意識高い系女になってしまう。

「いい風」

時間的にはもう夜の九時ぐらいだろうか。

そういえば今のところこの世界に来てから季節というものを感じてない。

魚にも旬という物があるがそれも気にならないレベルで脂乗ってるし。

もしかしてそれも魔力角とかいうののおかげなのかな。

弱らない様に最低限の生命維持じゃなく常に万全でいる為の器官なんだろうか。

腹捌いたりしても骨以外の部分で地球の魚との差はほぼ見当たらないし。

そういえば勇者君達どうしたかな。

仲直り出来てるといいけど。

乳でかくてごめんね。

ベランダの手すりに乳を乗せてリラックス。

「なんだ、人の事呼び出しておいて乳アピールか?」

そういうタリアさんが隣の部屋のベランダに出てくる。

お風呂上がりの格好だ。

「あーいや、話が、二つほど」

「なんだ改まって」

そよそよと夜風が抜けていく。

快適だ。

また後でお風呂入ろうかな。

ベランダから海が見える。

もう真っ暗だけど、港周辺の人達の生み出す明かりで辛うじてほんのり明るい。

夜のイカ漁とかもやってみようかな。

夜釣り行きたい。

二人して同じ姿勢で海を眺める。

「騎士団に戻るんですか?」

「もどらん」

即答。

しかもアホっぽい喋り方。

「なんで?」

「なんだ、デオ辺りにでもなにか吹き込まれたか?」

「そうじゃないですけど」

んーと唸ってパッと星空を見る。

地球より大分綺麗な空だ。

「あのナマズの件は解決したのにって」

「またそれか」

ちょっと寂しそうな顔をされた。

「エルフにだってプライドとか譲れない物があるんだよ、諦めろ」

「まあ私の人生じゃないし別にいいですけど」

「じゃあそういう事だ、もう一つは?」

そうだ。

昼の事を話そう。

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