閑話〜妻たちとの日常マリー2〜
遅くなりました。
興味のない方はお手数ですが
飛ばしてください。
すみませんm(_ _)m
「クロー何してるの?」
「ん、ああ。ゲームだ。ふと、懐かしいやつを思い出してな。どうだマリーもやってみるか?」
俺の部屋に顔を出したマリーに向かってちょいちょいと手招きをした。
「へぇ、どんなのかな」
マリーは笑顔になり俺の傍まで小走りで近寄ってくると、俺の手元を覗き込んだ。
「これ、スーパーモリコシスターズって言うゲームなんだけどな……
たしか俺の記憶では、大ブームを巻き起こした家庭用ゲームの一つだったんだ。それを俺が携帯ゲーム機用で所望したんだ」
「へぇ……」
俺の顔とゲーム機の画面を交互にしばらく見ていたマリーは……
「……クローがしているものだし、してみたいと思うけど操作が難しそう……」
「そっか……」
マリーの操作が難しそう、と言う言葉を聞いて、ふと前世の記憶がよぎった。
――……ああ、そういえば。
俺も、初めてこのゲームをした時は、ジャンプと同時に腕を上げたり、右に走らせようとして身体を右に傾けたりしていた。
そんな自分を思い出して思わず鼻で笑ってしまった。
「むぅ、クロー。笑わなくてもいいと思うよ……」
少し頬を膨らませたマリーがジト目を向けくる。
「すまんすまん。マリーのことを笑ったんじゃないんだ……そうか、操作だよな」
「そうだよ。わたしはどっちかと言うと身体を動かしている方が好きだから……」
そう言ってぴょんぴょんと小さく飛び跳ねるマリー。
ぷるんぷるん。
揺れるマリーの元気なおっぱい。そんなマリーを見ていて――
「……ぉ!? いいこと思いついた」
視線をおっぱいからマリーの服装へと向けた。
今日のマリーはノースリーブの可愛らしいワンピースを着ている。
なんでも、行きつけの女性専門店で買ったらしいマリーのワンピースはウエストにくびれのある可愛らしいワンピースで、これだと胸が大きくても大丈夫だと店員さんに勧められたらしい。
何が大丈夫なのか、と聞いても顔を真っ赤にするだけで教えてくれない。
俺の予想では、背が低いから太って見えるとか、そんなことを気にしているんじゃないかと、思ってるんだけど……
そんなこと考える必要なんてないのにな。
マリーはただ背が少し低い割におっぱいが大きい、それだけだ……そう、おっぱいが大きい。おっぱい……
――ふ、ふむ。ま、まあ……
癒しをもらってる俺としては妻たちを愛おしく思う気持ちが変わることない……
まあ、マリーはマゼルカナやニワに交じってよく甘いものも食べているけど……食が細くて痩せているよりは、よく食べてよく動く、健康的でいいと思う。
「いいことって?」
マリーが不思議そうに首を傾けた。
――マリーはワンピースを着ているけど……ふふ、これはこれでいいか……
「よしマリー。今から身体を動かしながら、ゲームも楽しもうか」
「ん?」
マリーはよく分からないといった感じて疑問符が頭の上にいっぱい浮かんでいる。
「ふふ、説明するより現物を見せた方が早いな……」
俺はそう言うが早いか、マリーの手を握ると転移魔法を使った。といっても俺の使用空間内に建てた別の建物の中だ。
俺の無駄に広い使用空間、利用しないともったいないからな。
「きゃっ、ちょっとクロー……」
「ほら、着いたぞ」
「ほえ? ここは……?」
マリーがきょろきょろと辺りを見回しているうちに、俺はこの部屋の明かりをつけた。
「ここはシアタールーム。ほら、俺が屋敷の隣に小さな建物を出したのは知ってるよな」
「え、あ、うん。たしか……しあたーるーむ、というしせつ? だったよね?」
「そうだ。その施設の中だ。ほら、目の前の大きなモニター、見覚えがあるだろう?」
「ほんとだ……前にみんなで入った時と同じだね」
「ああ。普通だったらゲームやDVDを見るんためだけの施設なんだけど、今日はもっと楽しめるようにしようと思う」
「楽しく??」
マリーが部屋の中をきょろきょろして何か尋ねたそうにしているけど、今はゲームができるようにしないと……
「まあ見ててくれ……『我は所望する』」
部屋の中が少し光った後には中央にガラスで覆われたような大きな空間ができた。
「わあ、何か出た……これは何かな?」
マリーが目の前の不思議な空間を眺め首をかしげた。
「ふふふ、マリーそこの中に入ってくれ」
「へ? ここに……」
「そうだ」
「分かったよ」
マリーは不思議そうにしながらも、興味があったのだろう、嬉しそうに頷いてその空間の中に入った。
「……よっと……あ、あれ……普通にすり抜けて入れたけど……クロー? なんともない、よ」
中に入ったマリーは首を傾け俺の方へ振り返った。
「ふふ、じゃあ前の大画面モニターを見てくれ」
俺の言葉を合図に大画面モニターにレトロ感溢れる懐かしBGMが流れ出すとともに、ゲームの画面が表示されていた。
♪〜
「うわー何、モニターがついた……すーぱーもりこ、しすたーず?」
「そうだ。スーパーモリコシスターズ。このゲームはマッパ裸王に攫われたもやし王子を筋肉モリコシスターズ助けに行くという設定のゲームでな、横スクロールアクションゲームと言うものなんだ。
マリーがその操作キャラクター筋肉モリコになったつもりで、その場で足踏みすると横に進む。駆け足すると走る。ジャンプはジャンプ。登るときは両手を上げれば大丈夫……」
「へ? ちょっとクロー分からない。どう言うこと?」
「んー分かりにくいか……よし、実際にやった方が早い。はいスタートっ」
♪〜
モニターに筋肉モリコが登場して、懐かしいBGMが流れ始める。
「ほら、もう始まってるぞ。その場で足踏みして」
「え、あ、はい」
わけが分からないといった様子ではあるが、マリーは俺の言った通りその場で足踏みし始めた。
「わあ、なんか動いた……動いてる、あはは」
ただ横に少し動いただけなのに、それが面白かったのか、マリーは止まったり足踏みしたりを繰り返している。
「お、早速敵がやってきたぞ。うまく敵の上にジャンプして踏むんだ」
「え、何、ジャンプ?」
「そう。うまくタイミングを見るんだぞ」
「う、うん!」
マリーは敵がのろのろ寄ってくるのをじーっとその場に立ち止まっていつでもジャンプできるよう少し屈んだ体勢で待っている。
――ふふふ……
そのモニターに食い入るように見ている表情が子どもっぽくて可愛らしい。
「いまだっ、はっ」
たゆーん。
マリーがうまくタイミングを合わせてジャンプすると、おっぱいは激しく上下に揺れ、着地した拍子に下着がちらりとみえる。
――ふむ。
そのかいあってか、モニター上の筋肉モリコはうまくジャンプしてコロコロ回りながらやってきていた敵キャラのグリどんをぺこっと踏んづけて倒した。
「やったっ」
身体全体で喜びを露わにするマリーはにまにま笑みを浮かべながら、再び足踏みし始めた。
「うまいぞ」
「……えへへ」
俺は楽しそうに身体を動かしているマリー見て満足していると、マリーがある場所の前で立ち止まった。
「……クロー。ここはどうすればいいの?」
「あー、それは落とし穴だな。そこは駆け足して、加速ジャンプしないと飛び越せないから、少し戻ってから加速した方がいいな」
「分かった。駆け足ジャンプだね」
マリーは顔だけ俺の方を向けこくりと頷いた。
「ちょっと戻って……駆け足……」
マリーがその場で駆け足すると、マリーのおっぱいも上下に激しく揺れた。
ばゆんばゆんばゆんばゆんっ。
――……ほ、ほう……
「ここっ、えいっ!」
マリーの操作? がうまくいってモニター上の筋肉モリコもうまく落とし穴をジャンプして飛び越えた。
「やったっ!」
――……その場、駆け足。想像以上だったな……これはほかの男の前では見せられん。見せる気ないけど……
喜ぶマリーとは裏腹に俺は妻たちにやった装備品の更なる強化を考えた。
「ねえねえ、クロー。このハテナマークがクルクル回ってる箱は何?」
「ん? ああその土箱は下からジャンプして叩くと……ほら出た。ニンニクだ。それを取るとマッチョモリコになれる」
「マッチョモリコ……うわー、ほんとだ。筋肉むきむきになった。いいなあ」
「は? マリーはこのムキムキがいいのか?」
思わずマッチョになったマリーの姿を想像してしまったが、すぐに首を振って否定する。
――そんなのマリーじゃない……
「わたし、筋肉が全然つかないから……ほら、腕だって細いし……」
マリーは細く可愛らしい腕に力を入れて見せた。
うん、細くて可愛らしいままだ。
「マリーはそのままで十分魅力的だぞ……」
「そ、そうかな……クローがそう言うなら、このままがいいかな……」
だんだんと声のトーンが小さくなっていくマリーは、少し照れくさくなったのか再びモニターへと顔を向け直した。
「これで、強くなったの?」
「ああ、マッチョモリコになると一度だけ敵に当たっても大丈夫になるんだ。まあ、元のサイズには戻るけどな」
「へぇ、あ、また何か出たよ。これは?」
「それはニンニクの芽だな。それを取るとマッチョモリコになってニンニクボールを投げられる。
それで敵を倒せるんだ。小石を投げるような仕草をしてみてくれ」
「こうかな……うわっ、何か出た」
「それがニンニンボールだ。それがあるとわざわざ踏まなくても、敵を倒せるから楽になる」
「うわー、ほんとだ。それそれっ、あっ、また何か金色のが出たよ?」
「金色ニンニクは一定時間無敵になれるんだが……あー取り逃したか……」
「だって……何か脚が生えて逃げていくんもん。ずるいよ」
しばらく眺めていると、マリーは同じ場所でやられて先に進めなくなった。
「クロー……進めない」
しょんぼり肩を落としたマリーが俺を見る。
「そうか、じゃあ俺を参加するかな。これは二人モードもあってな。よっと、妹のガリコだ」
モニター上に俺の操作キャラクターが飛び出した。
「わっ、ガリガリに痩せたキャラだね。それをクローが動かすの?」
「そうだ。よっと、このニンニクもらうぞ」
「え、うん。いいよ。わあ、何、ガリコ。ニンニン取ったら何か可愛くなった」
「ガリコはニンニク取ると痩せた体型から普通の体型になれる。ガリコはジャンプ力はあるけど、ニンニクの芽を取った時に……よし、あった」
「あ、なんかバウンドしてますね」
「そうだ。筋肉モリコは端から端まで飛んでいくニンニクボールと違ってガリコのニンニクボールはバウンドして、ツーバウンド目で消える。力がないんだ」
「そっか……えへへ、なんか面白い」
「それは良かった。よっと……」
「うわっ、ちょっとクローいきなり何を」
「肩車だ。ほら、モニター上でもガリコがモリコを、担いでるだろ?」
「ほ、ほんとだ……すごい」
「こうやって協力して進めば……よっと、ほらさっきまでマリーが、やられていたところを超えたぞ」
「ほんとだ……えへへ」
――ふふ……
マリーが俺の肩の上で嬉しそうな声を上げた。
むにむに……
俺は俺で、柔らかいマリーの身体に触れて気持ちがいいんだ。
「クロー、このままもっと進もう……それっそれっ」
マリーが俺に肩車をされたままニンニンボールを投げる。
「あはは、楽しい……」
「いいけど、こらっ、もっと慎重に動かないと危ないぞ」
「大丈夫、大丈夫……ゎ!?」
と言いつつ少しバランスを崩したマリーがガシッと俺の頭を抱き抱えた。
にゅん。
俺の後頭部にマリーのおっぱいが押し付けられる。
――ふ、ふむ。……悪くない。じゃなくていい。これはいいな。
「あはは、失敗、失敗」
そう言いつつも降りる気配のないマリーを肩車しながら結局そのまま二人で楽しんだ。
――――
――
「……もう俺の部屋にいるのか?」
シアタールームから戻り執務室で仕事をしていると妻たちの気配が俺の部屋から感じられた。
妻たちの声? なぜかセラが一部屋一部屋しっかりと防音処理してしまって聞こえなくなってしまった。
大方、執務室にいるときくらいは仕事に集中するようにだろうけど……なんか物足りない。
「ねぇマリー。今日はどうだったの?」
「クローと二人でゲームしたんだけど、肩車されちゃった」
「な、なんと」
「……背のある私とセリスさんには無理だわ」
「そうなるな……」
「そっか……えへへ……でもクローいい匂いだったよ。思わず頭を抱きしめちゃった」
「おおっ、なんと」
「それで……クローはどうだった?」
「うむ。私も気になるな」
「嬉しそうにしてくれてたよ。ずっと肩車してくれてたし、口元が緩んでたから大丈夫だと思う。クローにちゃんと癒しを与えれてると思うよ」
「うむ。主殿は最近、忙しそうだからな……もっと、そ、その、つ、妻として癒してやりたいものだが……」
「そのとおりですね。でもセリスさん。私たちは肩車は無理ですから……私、つぎはあれを試してみます」
「うむ。わ、私も何か試してみたいのだか……」
「えへへ。じゃあ。わたしも何かないかな……」
「ふふっ。じゃあ、いつも気にかけてくれるクローには、みんなでもっと癒してあげましょう」
「ああ」
「おお」
今日も俺の知らないところで妻たちの会話は盛り上がっていた。
そして、その趣旨が変わってきていることも当然俺は知らない。
最後までお付き合いいただきありがとうございます^ ^




