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悪魔に転生してました。  作者: ぐっちょん
追放されてるっぽい少女編
9/114

 国境を抜けた俺たちは近くの小さな町にやってきた。

 国境近くの町ということもあり、先ほど国境で見かけた行商人を目にすることができた。


 久しぶりの町でエリザがきょろきょろソワソワしている。


 ――町を見て回りたいのだろうが……


「エリザ。一先ず宿を押さえとこう、大丈夫と思うが、良い宿に泊まれないと困る」


「そうね。先ずは宿よね。うん、基本よね」


 暫く辺りを見渡しながら歩くと、この町で一番高そうな建物の宿を見つけたので、馬を外に繋ぎエリザと中に入った。


「いらっしゃいませ」


 入るとすぐ、上品な感じの女将さんが出迎えてくれたが、中はがらがらであった。従業員もここからでは見当たらない。


 ――客が少なそうだ。外れか?


「何名様でしょうか?」


「2人だ」


 小さな町だったので、あまり期待してなかったが、この宿なんと、1部屋だけ風呂つきの部屋があると言う。


「その部屋がいい。1泊頼めるか?」


「はい!! ありがとうございます。

 こちらは2人部屋になり、朝、夕食事付で銀貨6枚になります。

 ただし、お風呂のご利用は……別途料金銀貨……5枚必要になります……が、その……」


 この部屋を利用したいと返した女将からの食いつきは凄まじいものだったが、お風呂の使用についての説明に入った途端、声が小さくなり最後なんて何を言っているのか聞き取りづらかった。


 女将曰く、何でもお風呂場の水廻りに、水の魔石と火の魔石が埋め込まれているそうなのだ。それが非常に高価らしい。


 以前は国境近くの町だけあって、国境を越えてきた貴族が必ず利用していたそうだ。

 ただ長引く内部紛争でその利用者はめっきり減り、今では、設置していても維持するだけで赤字、取り外そうかと思っていたそうだ。


 因みに、魔石というのは魔力を含む石のことで、魔物の体内にある。それをハンターが狩りギルドへと流れて市場へと出回る、まあ、これは狩った時点で属性が宿っていればの話で――


 通常は……というか、ほとんどの場合、何の属性も宿ってない無魔石が多く、クルセイド教会や、国(魔術師を抱えている)が一度買い上げ、属性を与える。

 それを再び市場へと流しているのだとか、必然的に教会や国にお金が集まる仕組みになっていた。


 それだけ手間が掛かっているのだ、当然、ここに設置している小さな魔石でも非常に高価になる。


 まあ、これ以上は詳しく聞こうが、濁してその値段は教えてくれなかった。


 ――ふむ。


「それでいい」


「え! ……よろしいのですか? お風呂のつく部屋はあいにく……1部屋しかなく……2人ご一緒の部屋になりますが……」


 女将が言いづらそうに、ちらりとエリザを見てそう言った。


 因みに、この世界の貨幣価値はこんな感じだ。


 銅貨 1枚=     100円

 大銅貨1枚=   1,000円

 銀貨 1枚=  10,000円

 大銀貨1枚= 100,000円

 金貨 1枚= 1,000,000円

 白金貨1枚=10,000,000円


 ――1泊食事付で1人3万くらいだ。風呂が5万か、そう考えると国境で払った通行料も高く感じる。


「ふむ。俺はこの部屋がいいんだが……エリザ、ここなら安全だろうし別べ……「私はクローと同じ部屋よ。今更何を気にするの?」


 エリザが失礼なとばかりに腕を組みツンとそっぽ向いた。おっぱいが凄いことになっている。


 ――別々でもいいぞ、と言おうとしたのだが、遮られてしまった。

 まあ、狭いオリの中で寝食を共にしたわけだし……まあ、エリザが嫌じゃあなければ、俺から断る理由はないか。


「そうだな分かった。女将その部屋でいい。1泊頼む。それと外に馬を1頭繋いでいるそれもお願いできるか?」


「はい。ただ馬宿の利用に馬の世話、合わせまして銀貨1枚になりますが……」


「構わない。それでいい」


 どこかホッとした様子の女将に俺は馬の世話代を含め計銀貨12枚を支払い、引き換えに部屋のカギを受け取った。


「では、お部屋へご案内――」


「いや、大丈夫だ」


 部屋は一番奥の突き当たりの部屋だと言うので案内は断った。真っ直ぐ行くだけだ。迷うはずがない。


「夕食まで時間がありますが、夕食はこちらの右奥に食堂が併設してます。

 その際、部屋のカギを提示すれば料金は取られませんので夕食、朝食はそちらで摂ってくださいね」


 右奥では宿と別に食堂を営んでいたらしい。今は宿よりも食堂を利用する客が多いのだとか。無駄によく喋る女将だった。


「美味しいとよく言われますので、期待してくださいね」


「ああ、わかった。楽しみにしとく」


 女将に軽く手をあげ別れると部屋へと向う。


 そもそも、まだ昼食も摂っていないのだ。さらにその先の夕飯のことまで考えたくない。


 ――そうだ、昼食は一風呂浴びてエリザと外で軽く何か食べればいいな……それからハンター登録して身分証だな。ふむ。


「おっ、エリザ。ここみたいだぞ」


 トビラを開ければ二つベッドが寄せてあるだけのシンプルな部屋だった。


「何もないんだな」


「そうですわね」


 ――まあ、俺としてはスッキリして良いと思うが。


 トビラを閉めて中に入るとベッドに腰掛けた。ポフポフと、ついベッドを叩いてしまう。


 ――硬いな。まあ、床よりましか……んっあれは? 


 奥にドアが見える。あそこに風呂があるっぽい。


 ――風呂に入りたいな……入るか?


「よしっ、エリザ。俺は風呂に入ってサッパリしてくる。上がったら外で飯にしよう。旨そうなのを見つけて食べような」


「そうね。いいわね」


 脱衣室なんてない、俺は服をポンポン脱いでいく。エリザしか居ないんだ気にしない。

 後は――


 ――ふふふ、これがないとな。ああ、久しぶりの風呂だ……くぅーっ! 胸が躍る。


 はやる気持ちを抑え、俺は魔法でシャンプー、リンス、石鹸、ボディタオルをポンポン出していった。


「これでオッケーだ。エリザも後で入るなら、これ使うと……」


 すっぽんぽんになりエリザの方へ振り向くと、エリザもすっぽんぽんになっていた。

 仁王立ちだ。腰に手をあて大事な所を隠すことなく堂々と立っている。


「……そうかエリザも脱いだのか……いい……眺めだぞ?」


 つい、エリザの頭の天辺から足の爪先まで見る。じっくり見る。

 ボリュームのあるおっぱいに可愛いピンクの蕾、引き締まった腰、スラッとした長い足。それに……全てが丸見えだ。

 俺は悪魔なのに……つい魅入ってしまった。


 カチャカチャ後ろで音がしていたが、まさかエリザまで服を脱いでるとは思わなかった。

 しかも俺より早い、あんなに装備品をつけていたのに。


「……もしかして、エリザも一緒に入りたいのか?」


 近くでもっと見たいと思っていたら、ついそんなことを口走っていた。


「もちろんです……私はあなたの妻ですから」


 エリザが不思議そうに首を傾けた。


「そうかそうか……って、ん? 妻?」


「そうよ妻よ」


「なあ……それって王太子を欺くための演技だったんじゃないのか?」


「いいえ、違うわ。私は本気よ……でもそうね。訂正してない私が悪かったわね」


「訂正?」


「願い事よ。護衛が済んだら、その次は一生遊んで暮らせるだけのお金って話だったはずよ」


「ああ、そうだな。大丈夫だ。ちゃんと覚えてるぞ」


「そう、良かったわ。でもその願いを訂正したいの」


「なるほどな……それで訂正か。それは構わないぞ。護衛の願いは今実行中で無理だが、次の契約はエリザが約束通り、俺との契約を更新さえしてくれればなんでも……んー、俺のできることならいいぞ。何か良い物でもあったのか?」


「ええ、あったわ。良かったちゃんとクローができることよ。いいえ、クローしかできないわ。こんな気持ち初めてよ」


 エリザが恥ずかしそうに両手で頬を押さえた。手の隙間から顔が紅潮しているのが分かった。


 ――すっぽんぽんより恥ずかしいことなのか?


「……そうか、俺にできることなんだな。それで何だ?」


「……それはクローの正室になることよ。ふふふ。これはクローしかできないわよね」


「ああ、それは可能だが……って俺の正室? ちょ、ちょっと待て……俺は悪魔だ、今後もいろんな奴の願い叶えたりすることも……」


「それは分かってるわ。

 でもそれは、貴族の世界でも一緒だわ。権力者ほど複数の妻を持つもの。私はクローが複数の妻を持とうが構わないわよ。

 でもね……ううん、だからこそ私が今のうちに正室になりたいの。クローの1番目よ……1番目よね?」


 エリザが急に疑うような視線を向けてくる。


「あっ……ああ。もちろんエリザが1番目だって、って違う。そこじゃなくて、俺は悪魔なんだぞ!?」


「でも、初めに私の身体を欲しがったくらいだもの……子どももできるのでしょう?」


 ――ぬぐっ。確かに言った。


「そりゃあ、普通にするだけじゃ無理だが、望んで作ろうと思えばできるって、おいっ」


「なら、何も問題ないわ。だって私、クローが好きで一緒に居たいもの。

 クローは狭い檻の中でも側に居てくれた、私すごく嬉しかったんだから……どんな豪華な物を貰った時よりもずっと……」


「へっ?」


「ふふふ、本当よ。だって私の回りは敵だらけの中、クローだけが私を護ってくれたのよ。心配して気にもかけてくれた。……何もないこんな私のために……」


「そ、それは護衛だからで……」


「本当に?」


「……」


 ――違うな、前世の記憶の中では……この娘は、まだ学生だ。

 こんな可愛い娘が皆から悪意を向けられるのが我慢できなかった。


「ふふ。だから……私が今度はクローに尽くすの」


「ま、待てエリザ。それは俺が勝手に……好きでやったことで……」


「いいの。止めても無駄よ私も好きで……するんだから……ね」


 エリザは嬉しそうに微笑むとがっしりと俺の腕を絡めて掴み、お風呂場へと引っ張った。


「ほら、クロー……」


 その後は、当然にお風呂に入ったのだが……俺はエリザから体の隅から隅まで洗われてしまった。


「ふあぁぁぁ……」


 結局、エリザはまだまだ子供で男女間のことには疎いだろうと甘くみていた俺は、エリザに襲われる形で契約更新、達成してしまった。


 護衛依頼? 俺の妻になったからには護るのは当然だ、と思ったら頭に無機質な声が響いた。



【悪魔大事典第29号ナンバー960の契約履行を確認、儀式を無事達成した】

【今後はランク第10位のため、年間10万カナの納値義務が発生します】


 ――なに!!



 ――――デビルスキャン――――――――――

 所属 悪魔大事典第29号 

 格 ランク第10位

 悪魔 ナンバー960

 名前 クロー

 性別 男性型

 年齢 23歳 

 種族 デビルヒューマン族


 固有魔法 所望魔法 

 所持魔法 悪魔法

 攻撃魔法 防御魔法 補助魔法

 回復魔法 移動魔法 生活魔法

 固有スキル 不老 変身 威圧 体術 信用

 攻撃無効 魔法無効

 所持スキル デビルシリーズ

 契約者 エリザ

 所持値 1300カナ

 ――――――――――――――――――――

 称号 クローの妻(1番目)new

 名前 エリザ

 性別 女性

 年齢 17歳

 体形 ボボンッ、キュッ、ボン

 装備品と能力

 クローの小剣     防御不可、

 クローのガントレット 金剛力、収納

 クローのベルト    認識阻害、身体強化、回復

 クローのブーツ    俊足、回避

 保護ネックレス    防護、障壁、位置情報

 質素なワンピース   サイズが合ってない。

 クローへの依存度(好意) 150%

 ――――――――――――――――――――

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