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悪魔に転生してました。  作者: ぐっちょん
なんてこったの支配地編
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閑話〜妻たちとの日常エリザ2〜

ブックマーク、評価、誤字脱字ありがとうございます。


興味のない方は申し訳ございませんが

スルーして下さいm(__)m



「おまたせしました」


 薄化粧したエリザが流れる動作でカーテシーをした。

 今日はいつものミニワンピースっぽい服装ではなく、質の良いドレスを身につけている。知らない人が見れば貴族令嬢と勘違いしてもおかしくないレベルだ。


 ――ほお。


 エリザのキレイな脚が見えないのは残念だが、これでもかってくらい開いた胸元からおっぱいが顔を出し溢れそうになっている。前屈みになったら大変なことになりそうで少し心配ではあるが――


 ――悪くない。


 貴族令嬢として振舞っていた頃は、もっと派手なドレスを着ていたと言いつつも、さりげなく俺のやった認識阻害のついた装備品をアクセサリーのように身につけてくれているのが嬉しい。


「ニコちゃんとミコちゃんに手伝ってもらって、着てみたんですけど、どうですか?」


 少し照れた様子のエリザが「ドレスなんて久しぶりだから……」と、上目遣いで尋ねてくる。


 そんないつもと様子の違う可愛らしいエリザに自重メーターの針が振り切れそうになる。


「ぉ、おお。よく似合ってる。いつもキレイだが、今日は一段とキレイだ」


 思わず声が裏返り情けない声を上げてしまったが、すぐに冷静さを取り戻した俺は、いつものように腰かけていたソファーから立ち上がりエリザをぎゅっと抱擁する。


 抱擁は夫婦として大事な朝のスキンシップ……決して朝から妻たちの柔肌を堪能したいと、思いつきで始めたわけではない。


「(むにゅん)」


 ――うはっ。


 ぎゅと抱きしめ、わざと押し潰したおっぱいの感触が最高である。


「幸せよ」


 エリザも嬉しそうに抱き返してくれるが、いつものように俺の胸に顔を埋めてくることはない。


 流石に薄いとはいえ、お出かけ用の化粧をしているので自重したのだろうが――


 ――むぅ。


 少し物足りなさを感じた俺は、エリザの背中に回していた両手をそのまま下にずらしお尻を軽く揉む。


「(むにむに)」


「ぁん……クローったら……」


 毎日こりもせずセクハラ紛いのことをしてしまうのだが、寛容なエリザはそのまま今日の予定を話し出した。


「あのねクロー。今日の舞台の演目は『シン、デレた』というの。

 ある事件をきっかけに笑えなくなった少女のシンを周りのみんなが溺愛するっていう話」


「そ、そうか……」


「ふふふ、それでね――」


 今日はエリザが楽しみにしていた舞台を観に行くことになっている。


 なんでも潰れかけていた、そこそこ歌劇団に出資する物好きがいたらしく、その歌劇団は、うまく再建することができたらしく、本日から公演が再開されたのと、エリザが嬉しそうに教えてくれた。


 ――まあ、その出資者って俺なんだけどね。


 俺は支配地に、人が集まるように、お金で何とかなりそうなことは手当たりしだいやっていた。


 ここにきて、その成果がちらほら出てきて自分でもびっくりしている。そこそこ歌劇団もその結果の一つだ。


 そこそこ歌劇団には“一ファンであるマクアです。活動資金にして下さい”って手紙を添えて劇場に放り込んだけ。


 エリザのお尻を堪能し終えた俺を待ってましたとばかりに、するりと俺の抱擁から抜け出したエリザは、俺の左側に回り右手を絡め左手を添えた。


「クロー行きましょう」


「そうだな。もうそろそろ、手配した馬車が到着する時間だろうから、人界の外で待っていよう」


「え? 馬車?」


「エリザがドレスを着ると聞いていたからな、歩きはどうかと思ったんだ」


「まあ、嬉しいわ」


 興奮したエリザがおっぱいをぐいぐい押し当ててきて思わず口元が緩みそうになるが、せっかくなら格好良く決めて見ようと思っていた俺は、ガラにもなく、エリザを横抱きにすると人界の家の中に転移した。


 ――――

 ――


 俺が手配した馬車は一番グレードの高い馬車だった。


 家から出てしばらく待っていると豪華な馬車が俺の家の前で停車したが、その間、横抱きにされたことが相当嬉しかったらしいエリザの顔は緩みっぱなしで、見ていてこちらまで嬉しくなった。


「クロー様、ご案内いたします」


 礼儀作法の教育された御者に案内され、俺とエリザはすぐにその馬車に乗った。


 さすが値段が高いだけあってシートのクッション性もよく走り始めてもガタガタ振動が少ない。


 しばらく寄り添い二人並んで座っていると――


「懐かしいわね」


 そう言ったエリザが俺の顔を見ていた。


「ん? 貴族時代によく乗っていたのだろ?」


「それもあるけど、違うの。クローと二人で乗ったあの馬車のことよ。ふふふ」


 そう言ったエリザは少し恥ずかしそうにしながらも、なぜか俺の身体をくいっと引っ張り――


「エリザ何を……」


「いいから、ね」


 そのまま俺の頭をエリザの膝の上に倒した。


 ――これって膝枕!?


 エリザはドレスを着ているため、直に肌を感じることができないが、エリザの柔らかな太ももが伝わり癒されるような、もやもや胸の奥のフタが外れそうな微妙な波が押し寄せてくる。


 ――ふおっほ。膝枕もなかなかいいではないか。


 俺はすりすりエリザの膝枕を堪能していたのだが、エリザは俺が何も言わないのを気にしてか、不安そうな顔をして俺の顔を覗き込んできた。


「……クローの出してくれた、でぃーぶぃでぃーのあにめ? それを観たら、こうされていた男の子が喜んでいたの…… ダメだった、よね?」


 自信なさげにエリザが眉尻を下げた。


 ――そうだったのか。いかん。何か言わねば、今後、エリザの膝枕が無くなってしまう。


「エリザ何を言うんだ。素晴らしいに決まってる。これが劇場までしか味わえないのが悲しいくらいだ」


「……そ、そうかしら」


 俺の勢いに押されてか、エリザの顔がみるみる真っ赤に染まっていく。


「じゃあ、このまま……」


 エリザは気持ち良さげに俺の髪を撫で始め、しばらくすると鼻歌が聞こえきた。


 俺も十分に膝枕を堪能し満足して舞台を鑑賞したのだが、言うまでもない。そこそこ歌劇団と言うだけあって内容はそこそこだった。今後に期待しよう。


 帰りも待たせていた馬車に乗り帰路に着いたのだが、当然、その帰りも膝枕で、エリザの太ももを堪能させてもらった。


 ――――

 ――


「ん? もう俺の部屋にいるのか?」


 舞台から戻り執務室にいると妻たちの声が聞こえてきた。


「わぁ、エリザ綺麗。今日はそのドレス姿だったんだ」


「うん、そうなの、このドレス着るのは大変だったけど、脱ぐのは簡単なのよ、ほら」


「わぁ、簡単に脱げたね」


「それでエリザ殿。あれはどうだったのだ? 舞台で試すと言っていたあれは?」


「うん、舞台じゃなかったけど、馬車の中で試したわ」


「それで、それで?」


「あのでぃーぶぃでぃーのあにめ? 間違いないかもしれないわ」


「なんと――」


「クローったら膝枕凄く喜んでたわ」


「おお、主殿は膝枕も喜ぶのだな」


「なるほど、なるほど」


「では、次は――」


 今日も隣にある俺の部屋では妻たちの会話が盛り上がっている。

最後まで読んでいただきありがとうございます^ ^


おまけです。


◇◇◇


 屋敷から転移してくると、顔を真っ赤にしたエリザが――


「ちょ、ちょっと化粧を直してきます」


 そう言って家の中に駆け込んで言った。


 思ったり早く転移してしまったようでこちらに向かってくる御者の気配はまだ遠く時間がかかりそうにある。


 ――早すぎたな……


 俺がそう思っていると、二匹の子狼のチビスケ、チビコロがひょこひょここちらに向かってくる。


「チビスケ、チビコロ元気か」


「がぅ」

「がう」


 チビスケとチビコロが俺の声に返事するかのように高い声で吠えたかと思うところんと横になりお腹を見せてくる。


「なんだ、遊んでほしいのか?」


「がぅ」

「がう」


 しっぽがブンブン振られ、小さな小石が脇へと弾かれていく。


「遊んであげたいが、今日はエリザとデートなんだ」


「がぅ」

「がう」


 目に見えてしょんぼりとしたチビスケ、チビコロを少しかわいそうに思えた。


「少しだけだぞ、ほれ、ほーれほれほれ……」


 もーふ、もふもふもふ……


 チビスケ、チビコロが気持ちがいいのか、もぞもぞ逃げるように身体を逸らしている。


「気持ちいいか? じゃあもっとやってやるな。ほら、ほれほーれほれほれほれ……」


 もーふ、もふもふもふ……


「あ!?」


 俺は手加減を間違えたのか、もふもふしたチビスケとチビコロが失禁し気を失っている。


「やり過ぎか……ん?」


 急いでいたとはいえ、手加減を間違えたことに反省していると背後に獣の気配を感じた。


「お前は、この町までついてきたのか?」


 迷宮で見た大きな銀狼がうーうー唸っていた。殺気を感じないので怒ってるわけではないようだ。


「なんだ、お前、チビスケ、チビコロと遊びたかったのか? 悪かったな」


 そう言って銀狼の頭に手を伸ばすと、銀狼が猫パンチのように両前足でぽくぽく叩いてくる。


「お前それ普通の人族にやったらシャレにならんぞ。仕方ない、俺が少し遊んでやるよっと、ほれ」


 その銀狼の両前脚を掴むと足払いをかけた。


「グゥ!」


 銀狼の両後足を払ったため、俺の思ったとおり銀狼はすてん、と横に倒れた。


「おお、思ったとおりお前のお腹、ふっさふさだな。どれどれ……おお、気持ちいいわ。ほれ、ほーれほれほれ……」


 もーふ、もふもふもふ……


 あまりの気持ちよさに我を忘れてもふり尽くした時には、銀狼もヨダレを垂らしチビスケたちと同じように失禁して、気を失っていた。


「あちゃー、また、やり過ぎか」


「クロー、おまたせしました。わぁ、この子は誰ですか?」


 お手洗い……ではなく化粧直しから帰ってきたエリザが気を失っている大きな銀狼を見て目を丸くした。


「チビスケ、チビコロの仲間だと思うが……もふり過ぎた」


「まあ」


 その後、悪いと思った俺は、銀狼とチビスケたちを家の中に移動させ、お詫びに分厚いお肉を数枚置いていった。



 ――――

 ――


「イチ様、申し上げたいことが……」


「ほう、なんだ、ヨーコよ。言ってみろ」


「はっ、もう一度、番の候補を見直したいのです」


「は?」


「ですから、もう一度、番の候補を見直したいと申し上げました」


「おい、ヨーコよ。お前は一体なにを……」


「報告は以上です」


「こら、待て、待たぬかヨーコ」



閑話のマリー2とセリス2も次回までには投稿したいと思ってます。

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