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悪魔に転生してました。  作者: ぐっちょん
なんてこったの支配地編
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閑話〜妻との日常セリス〜

興味のない方は申し訳ありませんがスルーして下さいm(__)m

「主殿」


「おっ、すまん。もうそんな時間か?」


 いつものように迎えにきたセリスと腕を組み屋敷の外にやってきたはいいが――


「ん、セリス? 模擬戦、始めないのか?」


「あ、主殿……」


 いつもなら嬉しそうに距離を取り、すぐに魔法剣を構えるのだが今日のセリスは少し様子が違う。


「ん?」


 絡めたままの腕を離さずちらちらと俺の顔を見てはすぐに俯いている。


 ――はて? どうしたんだ?


 不思議に思いセリスの顔を覗き込めば顔を真っ赤にして、口を閉じたり開いたりと何やら物言いたげにしている。


「あの……その……」


 ――なんだ、この可愛らしい生き物は。


 いつもの自信溢れるセリスとのギャップに庇護欲が唆られ、つい――


「どうした、抱き抱きしてほしいのか?」と言いつつも、俺をセリスの身体を引き寄せすでに抱きついている。


「ぁっ……」


(むにゅん)


 セリスはいつも美綺の鎧を着用しているが、露出部分が多いので直にその柔らかさを堪能できる。なんとも主思いの優れた鎧だ。

 背中に回した手でセリスをぎゅっと包み込んだ。


「遠慮はするなよ(むにゅん)」


 ――と言いつつながらも俺の方がセリスに柔らかな身体に癒されているんだけどね。


 ちなみにセリスが拒んだら相手には見えない障壁が展開され触れることはできないという安心機能もついている。


「……ち、違う……こともない……が、今は違うのだ」


「なんだ違うのか?」


「……違うのだ」


「そうか……」


 セリスは顔を赤らめながらそう言ってはいるが、決して自分からは離れない。

 セリスの反応からも俺のことが嫌いになったわけではなさそうで正直ホッとした自分がいる。

 だって妻とはいえセクハラ紛いのことは毎日やっている自覚はある。


 こんな感じに――


 俺は背中に回していた手でセリスのお尻の肉を軽く摘んでみる。


「(むにむに)」


「……ぁぁ……」


「(むにむに)」


 しばらくセリスの柔らかさを堪能していた俺はゆっくりとセリスを引き離した。


「ぁぁ……」


 少し残念そうな顔をするセリスがまた可愛い。


「ほら、遠慮するなと言ったばかりだろ?」


 セリスもだが俺の妻たちは俺から催促しないとなかなかお願いをしてこない。

 人に頼むという行為を諦めていた弊害だと思うが、俺はこれをどうにかしてやりたいと思っている。


 再びセリスの顔を覗き込めば、顔を真っ赤にしつつもこくりと頷きゆっくりと口を開いた。


「主殿に……お願いがあるのだ……」


 ――やっぱりそうか……


「そんなこと……俺にできることなら構わないぞ」


 対価? ふっ、愚問だな。


 毎日尽くしてもらって、お釣りをやらねばならないくらい癒されているのだ。

 少しばかりの無茶くらい聞いてやるのもやぶさかではないのさ。


「……みたい」


「ん?」


「アースレンジャーみたいに変身してみたいのだ」


「へんしん?」


 セリスがこくりと頷いた。


 アースレンジャーに憧れるセリスはどうしても、アースレンジャーみたいに変身して戦ってみたいのだと真剣な表情で俺を見る。


「……どうだろうか? やはり無理があるだろうか?」


「問題ないぞ」


「へ?」


「だから、問題ないと言っている」


 俺の言っている意味を理解したのか、セリスの顔がパーっと明るくなった。


「……本当か!!」 


「ああ、本当だ」


「そうか、そうか。それじゃあ頭はこの猫のお面のような感じにしてくれないだろうか」


 セリスが先ほどのもじもじモードから嬉しさ全開モードに切り替わり、ガントレットから赤色のデフォルメ顔の猫面を取り出した。


「こ、これをか……??」


「うむ。赤にゃんこだ。後は特に希望はないからな、主殿に任せたい」


「……分かった。ちなみに武器と色の希望は?」


「色はもちろん赤だ。武器は……ブレイブレッドと同じバスタードソードがいい」


「なるほど……レッドだな……」


 ――どうせ遊びだしな。ふふふ。


『我は所望する』


 俺はイメージを固めると指輪型の変身キットを出し――


「ほら、できたぞ」


 セリスに手渡した。


「こ、これで私も……」


「ああ、それを指にはめて“チェンジバスター”と言えばいい。着用している装備を統合する不思議機能とキラキラ光る演出機能付だ。

 さあ、試してみてくれ」


「分かった!!」


 セリスは目をキラキラさせながら頷くと右手の薬指にその変身キットをはめた。


「では、主殿」


「ああ」


 セリスが子どもみたいに無邪気な笑顔を浮かべ「チェンジバスター!!」と叫んだ。


 赤い光の粒子がセリスの身体全体に集まり激しく光り輝いた。


 光が収まるとそこに赤色のパワードスーツを着たセリスが立っていた。


 にゃんこバスターことバスターだ。


 ――うはっ。


 頭部は猫をイメージしためツンと立った耳に黄色く光る瞳が凛々さを感じさせる。


 ただ、全体的に赤を基調としたシンプルデザインで身体には白いラインが少し入っているだけのものでゆらゆら揺れているしっぽがオマケ程度についている。


 そのため、白いグローブと白いブーツがより際立って見える。


 ――ほほう。これは……けしからんな……


 なぜか、俺の欲望が混じったようでぴったりフィットのエロ仕様になってしまった。


 ――うんうん。


 特殊な赤い生地がピタリとセリスの身体に張り付いたようにフィットしているため、おっぱいやらなんやら色々くっきりはっきりと身体のラインを浮き彫りにしていた。



「主殿? 私はちゃんと変身できているのだろうか? まるで何もつけていないように軽いのだが……」


「あ、ああ。それが統合不思議機能によるものだ。着ていた装備を全て統合したんだ。

 そうか自分じゃ分からないよな」


 ――エロ仕様……残念だが、ここで見納めか……


 俺はセリスの前に姿見を出してやった。


 俺の欲望が混じってしまったエロ仕様にセリスが気にいるなんて思ってもおらず、次こそはまともなパワードスーツを出してやらねばとイメージを固めようとしていた。


「さすがは主殿だ!!」


「は?」


「これならば空気の抵抗を受けない! 今ならブレイブスラッシュが使えそうです」


 そう言っているそばから、魔法剣と統合したバスタードソードを構えた。


 演出機能を付与したためか、キラキラの赤い粒子のエフェクトがバスタードソードから溢れ始めている。


「ブ、レ、イ、ブゥゥスラッシュー!!」


 赤い閃光と共にセリスは遥か先にまで移動していた。そのスピードにはさすがの俺も目を見張るものがあった。


 ――ほう。


「で、できた!! 主殿できました!!」


 ――ぶほっ!


 セリスが喜びを表す声を発し、おっぱいを揺らしながら駆け足で戻ってくる。


 ばゆん。ばゆん。


 時折右手を振ってみせるが、ブラなんてないこの世界、パワードスーツにも当然そんな機能はない。

 セリスの豊満なおっぱいは、ぶるんぶるんと激しく揺れていた。


「お、おう。そうかそうか。それはよかったな」


「はい!! これで心置きなく、悪意ある悪魔の討伐ができます」


「へ?」


「ただのハンターが魔法を使えるとバレるのは色々と面倒なのです。

 今までも猫面と主殿の付与魔法のおかげで見つかることがなかったのですが、これならば、もっと見つかりづらくなるだろうと思うのです」


 弾んだ声でそんなことを言うセリスは拳を握り、やる気に満ち溢れていた。


「ちょっと待て、それを装着して悪魔討伐するのか?」


「はい、そうです。あ、そうそう。あとエリザ殿とマリー殿の分もお願いしたいのだが……」


 ――じょ、冗談じゃないぞ。こんな格好で性欲の強い悪魔の前にでもでたら……


「そ、そうだセリス。その変身に追加オプションがあってな……これなんだが……」


 俺は胸と腰、肘や膝、肩の部分に装着する金色のプロテクターを所望した。


「主殿……それをつけると空気抵抗が……」


「ほ、ほら。アースレンジャーだって敵が強くなるとレジェンドモードに切り替わるだろ? それと一緒だ。ちなみに疲労感は増すが、全体的な能力アップを付与してあるんだ」


「レジェンドモード……」


 セリスがにんまりと口元を緩めると俺が差し出すプロテクターを受けとると、すぐに統合された。


 色々くっきり見えていた部分が見えなくなって残念ではあるがこれは致し方ない。


「ほう。主殿……これはすごいです。身体中に力が溢れてきます。ふふふ……解除」


 セリスの解除の声におっぱいやあれがくっきりはっきりと露わになった。


「へ? ……セリス? なぜ解除する?」


「これは思ったより疲労感が増すようですし、やはり、レジェンドモードはトドメや、ピンチの時に使うべきです」


 アースレンジャーもそうしてましたからと嬉しそうな声がセリスから聞こえてくる。


 ――しまった。アースレンジャーの設定に合わせ過ぎたか……どうする。一層のこと使用許可を出さないことも……


「レジェンドモォードッ!!」


 セリスが嬉しそうにレンジャーモードから通常モードへ、通常モードからレジェンドモードへと繰り返している。


 ――あんな嬉しそうにされたら、ダメとは言いづらいじゃないか……くぅ……だが、このまま使われたら……セリスの身体が……認識阻害を付与して分からないと思うが、やはり気に入らん。

 しかしな……うむ。残る手はこれしかない……


「セリス、これは俺からのプレゼントだ。これを装着していれば飛翔モード、つまり飛ぶことができる」


 俺は赤いマントを手渡した。


「これでスーパーバスターとなるんだ」


「スーパーバスター……」


 セリスはプルプル震えながら俺が差し出すマントを手に取った。

 するとすぐに統合されセリスの手にあったマントが消え、セリスの身を包むように装着されていた。


「それならば空気抵抗を0にしているからブレイブスラッシュへの影響もないだろう」


「主殿……ぐす……ありがとう……ぐす……ございます……ぐすぐす」


 セリスは感極まったのか、猫顔のにゃんこバスターからすすり泣く声が聞こえてきた。


「ふっ、気にするな」


 ――これでも動く度にチラチラ見えてしまうが、まともに見える先ほどよりは随分とマシになった? ……いや、これはこれで……ぐぬぬ……チラリズムってやつか……


 俺が物思いに耽っている間にひとしきり飛翔モードを堪能したセリスが興奮しながら帰ってきた。


「主殿!! これはすごい!! すごいですよ」


「お、おう」


 結局、セリスの勢いに押される形でエリザとマリーの分まで出してやった俺はお疲れモードで執務室に帰ってきた。


「ん? 隣の部屋から何やら聞こえるぞ……」



「エリザ殿!! マリー殿!!」


「きゃっ!! だ、誰ですか!?」


「私だ……」


「セリスさん?」


「違うバスターだ。さあ、エリザ殿とマリー殿も……」


「あっ、セリスさん何を……指輪?」


「いたたた、指が痛いです。セリスさん。落ち着いて、ね。落ち着きましょう?」


「これでよし。二人とも心配するな。私は常に冷静だぞ……さあ、二人ともソードとダガーに変身するのだ」


「「セリスさん?」」


「さあ、叫べ。心の奥から叫ぶのだ。変身ワードは、チェンジソードとチェンジダガーだ」


「セリスさーん」


「セリスさんじゃない。バスターだ。さあ、チェンジソードとチェンジダガーと叫ぶのだ」


「あ、ああ。セリスさんわかった。わかりましたからそんなゆすらないで……め、目が回ります」


「さあ、さあ」


「ち、チェンジソード」

「ちぇん、チェンジダガー」


「おお!! ソードにダガー。会いたかったぞ。はははは」


 今日も楽しそうな妻たちの笑い声が隣にある俺の部屋から聞こえてくる。


「はは……ははは」


最後まで読んでいただきありがとうございます^ ^

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