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悪魔に転生してました。  作者: ぐっちょん
悪役っぽい令嬢編
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 横になる、と言ったエリザに便乗して俺も横になった。というか抱かれてるから自然とそうなる。


 しかもエリザは仰向けになったので、俺はおっぱいに顎をのせるようにうつ伏せになった。

 頭を左右、どちらに倒してもおっぱいに当たる。柔らかくて気持ちいい。


ふにゅん、ふにゅん。


「夜になると冷えるわね。床の上がこんなに寒いなんて知らなかったわ」


 今の季節、日中は快適なのだが、夜になると少し冷える。更に馬車の床からも隙間風がどんどん入ってきているので、余計に寒い。


 俺を抱くエリザの腕に力が入る。おっぱいも小刻みに揺れている気がする。寒くて寝れないらしい。


 ――エリザは生粋のお嬢様。掛ける布もなく、こんな隙間風の入る床の上で寝ることなんかないもんな。

 俺はエリザの上で寝てるから気持ちよくていいが、エリザは寒いうえに床が固くて眠り難そうだ。


 ――ふむ、これはいかんな。


『よし』


「きゃ、急に声をあげてどうしたのよ?」


『我は所望する』


 俺は所望魔法を使った。馬車の中がみるみる快適空間に変わった。

 快適温度で寒くなく、隙間風も気にならない。床は木なのに絨毯並にクッション性を与えたので背中も痛くなくなり、寧ろ心地良くなったはずだ。


 ――これでエリザも寝やすくなるだろう。


『健康管理も護衛の仕事だからな。どうだ? これで寝れそうか?』


「……そうね、良くなったわ。あの、その、ありがとうね」


『そうだろ、そうだろ、ふははは。もっと感謝してもいいんだぞ。エリザ』


 俺は震えが止まったおっぱいにぐりぐり顔を押し付けた後、頭をコテンと左に倒した。


ふにゅん。


『ふむ、最高の枕だ』


「もう、見直したかと思うと、これですものね。あなたは」


 馬車の中が快適になり暫くすると、エリザは俺の腰に手を回したまま寝息をたてていた。やはり疲れていたようだ。


――――

――


 ――んっ?


 皆が寝静まる時間、深夜、俺は近寄ってくる気配に目を覚ました。

 耳を澄ませば、男二人の声が聞こえてきた。


「おいおい、いいのかよ」


「いいに決まってるだろ。お前、あのおっぱい見てなんとも思わないのか?」


「あ、ああ、あれは良い。すごいそそられるな」


「そうだろ、どうせ消すように命令されてるんだ。それなら消す前にヤらねえともったいねぇだろ」


 ――ふむ。どうやら、エリザを消すことは決定事項らしい。ふん。俺がそんなことさせないがな。


「そうだったな。確かにそうだ。最期に気持ちよくしてやるんだ、俺たちは感謝されるな」


「おう、分かってるじゃねぇか。男を教えてやるんだ。それに明日以降になれば、他の奴も動きそうだからな、先を越される前にヤらねえと。

 おい、それよりちゃんとカギは持ってきてるだろうな?」


「ああ、バッチリだぜ。ほら」


「睡眠薬はどうだ?」


「それも大丈夫だ。他の皆はよく眠ってるぜ」


「よしよし、約束通り、俺が先だ。お前はちゃんと両手を押さえとけよ」


「ちぇ、分かったよ。出したら直ぐに替われよ。俺もヤりてぇんだからな」


 男達の気配は馬車の後方で止まると、何やらガチャガチャと金属同士がぶつかる音が聞こえてきた。チェーンを外す音だろう。

 

「……ん? な、に? 何か音がしてない?」


 その音に眠っていたエリザが目を覚まし、目を擦りながら上体を起こした。

 その際、エリザは片手で俺を押さえ、床に落ちないように胸に押し付けて支えてくれた。


『ふむ。二人ほど、エリザの身体を狙ってこの馬車に侵入しようとする不届き者が来ている』


「えっ! 嘘でしょ。ローエル家の騎士にそんな不届き者なんているはずが……」


『嘘じゃない……ほら、よく聞け』


 ちょうどその時、外のチェーンがガジャーンと音を立てて地面に落ちた。


「バカ! 音、静かにできねぇのかよ!!」


「すまん、つい焦っちまった。あの身体を今から味わえると思うと、手が震えてな」


「悪女だが、身体は悪くねぇ。いや、あれは極上だな」


ガチンッ!

「うへへ。よし、カギが開いたぞ」


「やべぇ、涎が出てきた」


 二人の騎士が馬車の狭いドアを静かに開け馬車の中を覗き込んできた。


「ちょっと貴方たち、こんな時間に何の用ですか?」


「けっ、起きてやがる」


「見てみろ、お前が大きな音を立てるから起きちまってるじゃねぇか!」


「もう関係ねぇだろ。おい! 悪女さんよ。何の用はないよな。ふへへ、もう分かるだろ、今からお前の身体を頂くのよ。

 最期に俺達が気が狂うほど、気持ちよくしてやるんだ感謝しろよ」


「お断りよ! 帰ってくださる?」


「いいぜ。ヤることヤったら帰るさ。げへへ」


「こ、この、ケダモノ。貴方たちそれでもローエル家の騎士なの!?」


「ああそうだ。俺たちはこれでもローエル家の騎士だが何が悪い。

 ぐへへ、それになあ。お前は居なくなるんだよ。ここでヤったところで誰にも分からねぇ。

 いや、そうだ自分の身体を見せつけ媚びてきた悪女は、俺たち、騎士全員を相手に腰を振っていたと、

 最期は悪女から娼婦になり下がったと言っとけば、俺たちはどうとでもなる。なんせ、お前から誘ってきたことになるんだからな。

 悪女さん、いや、薄汚い娼婦か? んん?」


「しょ、娼婦だなんて……わたしは……」


「おい、グダグタ喋ってないで、早く入れ。とっととヤるぞ。俺はもう我慢できん」


 騎士の二人が、早々とその場で服を脱ぎ捨て、ニタニタ汚い笑みを浮かべながら、その身体を馬車の中に入れようとした。


「いや」

 

 エリザは身体をドアから一番遠い、馬車の壁際まで逃げるように下がった。


「ちょっと! 入ってこないでよ!!」


「グヘヘ。そんなに嬉しいか、ちょっと待ってな直ぐに行くからな」


 騎士の一人の頭が入ってきた。そいつは四つん這いになり身体全体を中に入れようとしている。


『よし、報復決行だ』


 俺はエリザの腕から飛び離れると、入ってこようとしている騎士に向かって、必殺猫パンチをお見舞した。


ペチンッ、ペチンッ、ザシュッ!!


ペチンッ、ペチンッ、ザシュッ!!


ペチンッ、ペチンッ、ザシュッ!!


 ――ふはは、3発に1回は爪を立ててやった。


「うわっぷ、イテテッ、このバカ猫!! 爪で刺しやがった!! ぶっ殺す!」


 俺は懲りもせず入ってこようとする騎士に魔力を込めた猫パンチをお見舞いした。


バコンッ!!


『ふん、誰が入っていいと言った』


 予想外の猫パンチの威力に仰け反った騎士は、馬車のドアから少し離れたので、その隙に俺は魔法を使う。悪魔法だ。


『お前たちには悪魔法:悪望を与える!!』


 俺の両手の肉球が光ると右手と左手、それぞれから妖しい紫色の光が騎士達の頭に向かって飛んでいき、溶けるように吸い込まれていった。


『馬車を守る障壁となれ!』


 それと同時に俺は馬車に軽く障壁を張った。


「……えっ、今、何をやったの?」


『んっ? ああ、ちょいと彼奴らの欲望を満たしてやろうと思ってな。

 女を抱きたいという欲望を増幅してやった、そう爆発的にな』


「ちょっと、そんなことしたら私、大変じゃないの」


 エリザは震える声で俺にそう尋ねてきた。


『ん? 大丈夫だ。周りが見えなくなるほどの欲望だぞ。

 これをされると思考などなくなり、ただただ目の前の何者かを犯す。

 男だろうが、女だろうが、関係なくな。目の前の誰かを。くっくっくっく。

 そして、今、彼奴らの目の前に居るのは誰だ?』


 「それって……」


 馬車の外でガサガサ、もそもそ何かの音が聞こえてき始めた。

 どうやらさっきの男たちが動き出したらしい。


 “ふおー”という雄叫びのような、何やら奇声が聞こえる。


『……うげぇ、ほら、見ろ。始まったぞ。奴ら、男同士で抱きつき始めたぞ。きもっ、もうキスまでしている』


「……えっ、えっ、うわあ。ちょっと、あら、

ほんとだわ。信じられない。……激しいのね」


 エリザは顔を真っ赤に染め手で顔を覆っていたが、指の隙間からしっかりと覗いていた。


 ――うぇ、失敗だ。野郎同士の抱きつくシーンなんて見たくない。更にディープキスも見た。吐き気がする。


『うっぷ。はい! エリザはここまでだ』


 これ以上はエリザの教育上よろしくない。俺も見るに耐え難いので、俺は後ろ手に猫の爪をドアに引っ掻けて閉める。


 そして、エリザを目標に定めた俺は――


『エリザぁぁ。俺に癒しを……ダメージが、予想以上に反動が大きいんだ』


 エリザのおっぱいにダイブした。


 「きゃ! ……もう。急に飛び付くと危ないわよ。それより、ダメージってどういうこと、私はどうしたらいいの?」


 ポヨンと弾力のあるエリザのおっぱいが受け止めてくれる。優しく腕まで添えてくれた。

 エリザは心配そうに俺の頭を撫で撫でしていた。


『ああ、それ、それでいい。胸がスーッとして楽になる』


「そうなの。これでいいのね分かったわ」


 エリザはホッとしながらも心配そうに俺の頭を優しく撫で撫でしていた。


 ――今回はちょっと失敗だ。俺にもダメージが入った。エリザのおっぱいが無かったらヤバかった。一週間は殻に閉じ籠るレベルだ……まだ、目を閉じると奴らの姿が目に浮かぶ。


「ねぇ、あ、あれっていつまで、あんな状態なの?」


 エリザが俺の頭を撫でながら恐る恐る尋ねてきた。


『んっ? ああ、あれは他の騎士が起き出す、明日の朝には正気に戻るぞ。

 まあ、その時には男色騎士という名の称号がつくかもな』


「そう、なのね。でも、助かったわ。あの時、どうすれば良いのか、私、体が動かなくなってしまったの」


『エリザは心配しなくていいぞ。護衛の俺に任せてろ。エリザには指一本、触れさせはしないから』


「……うん、分かったわ」


『それとな、そこのドアには障壁を張ってある。カギは掛かってないが、誰も入れないようにした。

 安心して朝まで寝ていいぞ。と言うか、寝るぞ、体を壊すからな』


 「うん」


 エリザは素直に頷くと横になった。だが、なかなか寝付けないようだったので、リラックスの魔法を掛けてやると静かに寝息を立てていた。


 そして、俺もエリザのおっぱいを枕に磨り減った心に癒やしを求めた。



――――デビルスキャン――――

 所属 悪魔大事典第29号 

  格 ランク第10位

 悪魔 ナンバー960

 名前 クロー

 性別 男性型

 年齢 23歳 

 種族 デビルヒューマン族


 固有魔法 所望魔法 

 所持魔法 悪魔法

      攻撃魔法 防御魔法 補助魔法

      回復魔法 移動魔法 生活魔法

 固有スキル 不老 変身 威圧 体術 信用

       攻撃無効 魔法無効

 所持スキル デビルシリーズ

 契約者 エリザ


 所持値  100カナ

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