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悪魔に転生してました。  作者: ぐっちょん
何となくハンター編~悪魔争乱序章~
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ブックマークありがとうございます。

嬉しいです。

 時は少し(さかのぼ)る。


 依頼を受けた俺達は馬車で田舎村に向かっていた。


 町を出て既に3日目、予定ではこの日の昼過ぎには目的の田舎村に着くだろう。


 しかし、ここは本当に田舎だった、旅人すら出会わない。


 現れるのは獣と魔物だけ……

 そう今回の道中は(オオカミ)以外にも魔物が出た。大型犬サイズの兎だ、額から鋭い一本の角の生えた魔物。

 動きも素早くあっという間に鋭い角を向け突撃してくる。刺されたら危険だ。


 でもこいつ、木の多い森での倒し方は簡単。突撃してきた兎を避けるだけ、後は勝手に木に突き刺さってぷらーんと動けなくなるお間抜けさん。


 平地ではちょこちょこ動き回って厄介なのだが、それを妻たちは危なげなく討伐できるようになった。


「ふむ」


 妻たちは俺のやった装備品のお陰だと言うが、それだけではなく実戦で培った経験が活きてきたのだと俺は思っている。


 魔物は討伐すると魔石とドロップアイテムへと変わる。こいつは鋭い角に変わった。


 オオカミは紫炎で焼かないとそのまま残ってしまうが、魔物は残らないので楽だった。


 魔物は何故魔石になるのか? 実はよく分かってない、この世界が異物(不要な生物)を排除しようと意図的に発生させている駒だとか、世界が人類への試練と報酬を与えてるとも言われているが、定かではない。


 まあ、俺は前者だと思っている。


 世界からすれば人類は自分勝手に蔓延る害虫なのだから。


 なにはともあれ2日目からは、魔物相手でも安心して見ていられるようになった妻たち。


 でもあれだ、エリザは小剣を横に振ったり激しく動くとヤバイんだ。おっぱいが胸元から溢れて先まで見えている。かといって止めてほしいとは言わない。分かると思うが俺が見たいんだ。他人はダメだが俺はいいのだ。ふははは。


 俺も聖域結界のような遮断する結界を使った方が良いかもな、いやいっそのことゲームのような別空間で戦闘を行えば危険も邪魔もなくいいのでは? とつい考えてみたりもする。

 でもな、やり方を失敗したらとんでもないないことになりそうなのだ。あれ? 悪魔大事典の空間の感じを再現すればいいのか……な? あれは別空間だった、よな……それは追々考えよう。


 マリーはマリーで幼い顔からは想像もつかないような、鋭い斬撃に益々磨きがかかっている。

 これなら元いたカイルパーティー程度なら余裕で制圧できると思う。


 そして、チラチラ見える白い太ももにも磨きがかかっている。

 ちゃんと毎日、しっかり食べてるせいで良い肉付きになってきているんだ。

 たまにパンツが見えるのは俺を誘っているのだろう。ふふふ、いいだろう受けて立つ。


 そんなことで、道中の夜は勿論致しました。肌と肌のふれあいは夫婦円満の秘訣だと、どっかの記憶にあるからな。

 だから張り切り過ぎて前回の二の舞を演じてしまったことは大目に見てほしい。


 その甲斐あって二人からはぽふぽふ涙目で叩かれたり、頬を膨らませ顔を背けたり新鮮な一面が見られるようになった。ふむ、ふむ。


 妻たちが俺を好いてくれていることは何となく分かる。多分契約の絆の関係? なのだろうが、どこか俺に遠慮があった。

 思い過ごしかもしれないが、俺は好き勝手にやっているんだ、だから妻たちもそうではあってほしいと思ったわけで、これは良い兆しになのでは? と勝手に思っている。


 これだから旅は悪くないのだ。


 そして話は変わるが、使い魔は無事卵から孵化した。

 でもな、俺が魔力を注ぎ過ぎて……


「ズックまん丸ふわふわで気持ちいいね」


 マリーが膝の上で抱き、気持ちよさげに寝ている小さなフクロウを撫でながら笑みを浮かべた。


 孵化したのは黒フクロウの名前はズック。俺が名付けた。

 夜の忍者と呼ばれるフクロウだ。生後1日。主に夜の偵察が得意なはずだ。


 でもな、魔力注ぎ過ぎてコロコロまん丸の黒フクロウが生まれてしまった。


 妻たちはズックの一本線のようなお目目が愛らしいのだと言う。

 見た目通りに動きが遅く使い魔として大丈夫だろうか? と心配になるが、ここはラットに任せようと思う。


「あら、そういえば思ったのですけど大丈夫なのかしらフクロウってたしかネズミを……」


 エリザが頬に人指し指をあて心配そうにズックを眺めた。


「ふっ、それは大丈夫だ。使い魔は本来俺の魔力だけで生きていける。別に何か食べる必要はないんだ。

 まあ、ラットにはお気に入りのチーズを与えてるがな……」


「そうだったのね」


「ああ、それにな。ラットはこう見えてズックより遥かに強いぞ」


 エリザは驚愕し、目を見開いた。


「ふっ、驚いたようだな」


 どうもエリザにとってラットは可愛いペット感覚だったようだ。何度も守ってくれてるのにな。


「そうだったのね。ラットごめんなさいね。変な意味はなくて、ただ心配しただけなのよ」


 ラットはエリザの声にプイッと顔を背けると俺の頭までかけ上がった。

 ラットに嫌われたのがショックだったようで、エリザがしゅんと肩を落として俺に寄りかかってきた。


「エリザ。ラットも本気にしてないから。まあ、心配なら後で大きなチーズでもやると喜ぶぞ」


「はい……そうします」


「ねえ、ねえ、ほらほら見てぇ! クローも、エリザも。あれっ! 村みたいなのが見えるよ」


 マリーがズックを左手で撫でながら、森の奥を指差した。


「ほんとね!!」


「着いたか」


 そのまま馬車を走らせれば確かに村だった。簡易の小屋みたいな家が30軒ほど見える。


「さて、門番らしい人も……見えないから勝手に入るか」


「そうね。でも、無用心ねこの村」


「ふふふ、エリザここはな。人は来ないし、大方、魔物避けだけ置いてあるんだろよ。ほら、村の所々で煙も上がってるし、この辺りでも少し臭うだろ?」


「まあ、本当だわ」


 村の周囲からは一定の間隔を空け煙が上がっていた。


 村の中に入っても村全体には獣や魔物が嫌う草の香りが漂っている。


 エリザはこのことに驚いていたが、マリーは知っていたのだろう、煙よりも来たことない村の中を興味深そうに見渡している。


「誰も外に居ませんね、どうしてかな?」


「昼食だろう、気配はあるから……ね……」


「そうね、声は聞こえます……」


 エリザはそこまで言うと顔を真っ赤にした。直ぐにマリーも真っ赤にした。あちらこちらから激しくハッスルの声が聞こえる。


「むむ!? こ、こんな真っ昼間から何事だ。けしからん……けしからんぞ」


 妻たちからジト目を向けられつつ、俺は大きな木のある家に馬車を進めた。


「むっ!?」


「急にどうしたの? クロー」


「わたしたちは、昼間からはダメだよ。身体が持たないからね」


 マリーが胸を隠し横目で俺を見てくる。


「……いや、違うんだ……」


 大きな木のある家は直ぐに見つかった、見つかったのだが、中から悪魔の気配がする。


「この家がタゴスケの家だと思うが、中に悪魔がいる」


「「えっ!?」」


「二人は念のため、村の外で待機しててくれ……ラット頼む」


 妻たちの頭を軽く撫で俺だけが御者席から降りた。


『主……任せて』


「うむ」


 ラットは機嫌よく俺の頭から飛び降りると、小さな前足を器用に使って馬車の手綱をとった。


「クローも気を付けて、何かあったら、逃げてくるのよ」


「無理しちゃダメだよ」


「ああ、無理はしないさ」


 エリザとマリーは足手まといになることが分かっているのか、それ以上は何も言わなかった。


 でも妻たちは俺が見えなくなるまで心配そうな顔をしていた。そんな顔をさせて悪いと思いつつも、自分が心配されているかと思うと少し心が温かくなった。


 ――……さて、いつまでもこうしてはいられないな、早く用事を済ませて俺は………ん、何っ!? 悪魔が二体になったぞ、これはどういうことだ!!


 俺は気配を殺し小屋のような家の引き戸を少し開けた。


 ――ぬっ!


 中に、おっぱいのデカイいや……あれはもうおっぱいじゃない、乳だ。そんなサイズの女悪魔と、バリッとしたイケメン悪魔が見えた。


 ――ちっ、悪魔にもイケメンがいるのかよ。


「………………諦めて…………。……戻りますよ」


 ――声が聞き取りづらい。


 イケメン悪魔の周囲には、なにやらジャミング魔法が展開されているらしい。


 ――ふむ、どうするか……む!?


 イケメン悪魔が女悪魔の手を強引に掴んだ。


「いや…………。…………さい」


 ――これは……痴話喧嘩か? 強引な行いは良くないけどな。


「ダメ…………」


 イケメン悪魔が何やら魔法を使うようだ。莫大な魔力の渦が見える。


 ――これは……ゲートか?


 女悪魔は握られて相当嫌なのか、首まで振り少し暴れている。


 ――むっ!?


 イケメン悪魔の握る手に力が入るのがみえた。


「痛い………………」


 女悪魔の瞳に涙が浮かび上がった、女悪魔が泣いているのが見える。


 ――おいおい……


 脳裏に女は護るもの、泣かすものじゃないと偏った記憶が流れてきた。


 ――いくらイケメンでもな……女は泣かすものじゃないんだぜ。


 俺は思わず動き出した。


「……っ、……、…………済み…………、…………しばらく辛抱………………い」


「いや、………………うっううっ……」


「…………素直に……様の申し出を……ぐっ!?」


「やめろ、泣いてるだろが!!」


 咄嗟にイケメン悪魔のその手を捻り上げ、その手を女悪魔から引き離した。


 イケメン悪魔が凄い形相でこちらを睨んだ。


 ――む!? こいつ、なかなか力が強い。


「ぐぅっ、お、お前は誰だ!!」


「俺はクローだ」


「クローだと…………その気配…………お前悪魔か!?」


「だとしたらどうする?」


「邪魔をするな私はお嬢……「はい、は~い、決めた。決めたよぉ」」


 俺との話を遮られたイケメン悪魔は声の主である女悪魔の方を見た。


 この女悪魔水着みたいな格好だが、如何せんおっぱい、いや、乳がでかすぎて全く色気を感じない。


 その女悪魔は腰に手を当てえへへと楽しげに俺を見て笑った。


 ――まずい、何か嫌な予感がする。


 急に悪寒が走り背に凄い量の汗が吹き出した。


「あたし、クローの配下になります」


「お、おい。何を言って……」


「お嬢様!! それはなりません」


「権力行使だよ」


【*権力行使強制*ナナはクローの配下になった】

【*エラー*配下と格が同位】

【*強制*クローはランク第9位に昇格した】

【*強制徴収*昇格に感情値20万カナを納値した】

【第9位に昇格により、新たにスキル状態無効を取得した】


【尚、次年度納値が20万カナとなり、配下分合わせて30万カナの納値が必要となります】


 クローの頭の中に無機質な声が駆け足で流れた。


 ――な、なんだ。今のは。


「お嬢様……今……け、権力行使…………されたので……すか……」


 ――お嬢様?


 俺はその場から逃げ出したくなった。捻り上げていた手もそっと離す。

 力なく呆けるイケメン悪魔を前に、1歩、また1歩と後ずさる。


「えへへ、そうだよ。なので悪魔界には帰りません。セバスは一人で帰ってね」


 先程まで泣いていた女悪魔はどこへ行った? 打って変わってにこにこ笑みを浮かべながらイケメン悪魔をドンッと突き飛ばした。


 突き飛ばした先にはイケメン悪魔が発動し、既に展開されていたゲートがある。


「へっ!? ……お、お嬢さまぁぁぁぁ」


 イケメン悪魔がどっか行ってしまった。


 ――おいおい、なんだこの展開。


「はい、そこのクローさま?」


 俺は腰を振ってるタゴスケに顔を向けた。


「違うわよ! あなたよ。あたしは、あ、な、た、の、配、下よ。つまり、部下よ部下。分かる?」  


「ちょっと待て、何でお前が俺の部下になるんだよ」


「お前って何よ。あたしはナナだもん。あ〜もう手の掛かる上司ね……いいですか?」

 

「何だよ」


「それはもちろんあたしが権力のスキルを行使したからよ」


「はあ? 権力って……なんだよ意味分からんぞ」


「ふふふ、そのうち分かると思うけど、これはあたしたち種族にある血統スキルよ。

 ちゃんと制限もあってね、相手に利益がないと行使できないようになってるの。あたしが望んで使うことはないと思ってたけど……ああ、よかった〜」


「お、横暴だ。理不尽だろうが……」


「またまたぁ〜。クローさまは超可愛いあたしという配下ができたのよ。良いことでしょ? クローさまにとって利益になったんだよ、だから行使できたんだから」


 ナナが腰に手を当てモデルのようなポーズをとるが、乳がデカすぎて全然、全く何とも思わない。


「俺は別に配下なんていらなかった。

 それに、そのおっぱいだ。それもう、おっぱいとは言わない。牛と同じ乳だ。乳をぶら下げてるような女を可愛いとも思えんわ、ふん」


 女は護るものと思っていたが、これはこれである。

俺にはこの女悪魔が疫病神にしか思えてならないのだ。

 ここで、別れなければまずいことになると本能が訴えてくる。


「むきぃー!! あなた失礼よ。これはそこの男が……あは……そうだわ。えへへ」


 背中にゾクリと悪寒が走った。女悪魔のナナが悪戯っぽい笑顔を俺に向けるとみるみるムチムチ色っぽい体形へと、変貌した。


 俺の好みでどストライクの体形である。


 俺の求める理想の癒し体形――


「ぐっ」


 俺は何も言えなくなった。


「おお! むふふ、その顔は……満更でもないよね?

 ほら、どう、あたしはあなたの配下だよね。クローさま?」


「だ、だから、何で俺なんだよ。他にも……」


「ん~勘だよ。あたし超直感ってスキルがあってね。勘だけはいいんだから」


 ナナが腰に手を当てモデルのようなポーズをとる。今度は先程と違い胸の奥からムラムラモヤモヤが湧き上がってくる。


「ぐっ……」


 ――これは、罠だ、手を出したら負けだ……ぬぐぐっ!! そうだ、こいつは後輩だ、後輩と思えば……まだ……


 小悪魔みたいな悪魔ナナが配下になった。



【契約者妻たちから感情値4000カナ獲得した】

【*強制徴収*昇格のため20万カナ減少した】


 ――――ーデビルスキャン――――――――――

 所属 悪魔大事典第29号 

 格 ランク第9位↑ 納値30万カナ

 悪魔 ナンバー960

 名前 クロー

 性別 男性型

 年齢 23歳 

 種族 デビルヒューマン族

 固有魔法 所望魔法 

 所持魔法 悪魔法

 攻撃魔法 防御魔法 補助魔法

 回復魔法 移動魔法 生活魔法

 固有スキル 不老 変身 威圧 体術 信用

 攻撃無効 魔法無効 状態無効new


 所持スキル デビルシリーズ

 契約者 エリザ マリー 

 所持値 1,193,300カナ↑

 使い魔 ラット(ネズミ) ズック(フクロウ)

 配下  第10位悪魔ナナ(禄10万カナ)

 ――――――――――――――――――――

セバスとの戦闘を期待された方すみません。


超爆爆乳好きな方すみません。

他意はありません。m(__)m

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