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悪魔に転生してました。  作者: ぐっちょん
何となくハンター編~悪魔争乱序章~
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ブックマークありがとうございます。


今回も少し短めですm(__)m

「うむ、二人ともよく似合ってるぞ」


 俺が妻たちを眺めそう伝えると、エリザとマリーが嬉しそうにはにかんだ。


「ふふふ、よかった」


 エリザは照れつつもワンピースの丈をちょこんと摘まんでくるっと回って見せてくれた。その仕草がとても可愛い。


 聞けばエリザもマリーも色ちがいを四着ずつ、下着も五着ずつ俺の好みそうなものを二人で話し合って買ってみたというのだが、まだ秘密だと言って見せてくれない。


 ――ぐぬ、興味を持たせて、見せないなんて、反則じゃね? 見せてくれないから余計に見てみたいじゃないか……ぐぬぬ、なんだこのモヤモヤは……


 そして次の目的地も決まりそうだ。この国の王都には女性服専門店の本店があるそうで、その店に妻たちは寄ってみたいと口にした。


 ――よし、決定だ。

 俺としてはもっと際どい物を買ってほしいのだよ。んあっ? でもそうなると気配遮断……ぐらいしないと……ふむ、これは思案のしどころだな……


「ク……ー」


「クロー!!」


「ん、あ!? なんだどうしたんだ二人とも?」


 気づけば二人が心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。どうも俺は考えすぎると周りが見えなくなることがあるようだ。いかんいかん。


「クローが急に黙るから……どうしたのかなって……心配になって……」


「エリザとマリーが色っぽい服を買ってくれて良かったと思ってな」


 ほんと今回は大満足だ。二人を見る度に顔がにやにやしそうだ。

 しかし、妻たちの着る服が足りてなかったなんて、最低だわ、気を付けねば夫として恥ずかしい……悪魔だけど。


「ふえ!?」


「それに早く、その色っぽい服を脱がせたいんだよ」


 俺がわざと妻たちに笑みを浮かべてみると、二人が一歩後退してしまった。これには地味にショック受けた。


「えっ!? ま、まだお昼ですから……その……」


「う、うん。お昼からは……さすがに早ぃ……」


「あはは……冗談だ。それよりギルドに着いたぞ」


 ――はぁ、冗談じゃなかったんだが……


 妻たちが明らかにホッとした顔をしてる。


 ――やはり昨日は……と言うか今朝? ヤり過ぎたか。


 俺は今朝の惨劇を思い出した。


 ――……ふむ。


 ギルドに入ると中はガラガラだった。


 ここにも暇そうな剥げたおっさんが受付カウンターに座っていたので、報告して報酬をもらった。安かったがまあいい。


「これで初依頼達成だな」


「ええ。なんだか嬉しいわ」


「そうだね」


 エリザはギルドカードにチェックが1つ入ったのが嬉しそうだ。俺のも入った。これはチェック10個で次のランクなのかね?


「ねぇねぇマリー。次はどうしましょうか?」


「エリザちょっと、掲示板見てみようよ」


「ええそうね。クローちょっと掲示板を見てくるわ」


「ああ、いいぞ」


 二人は、特にエリザがマリーの手を引き嬉しそうに依頼掲示板の方に歩いていった。


 ――ふむ。


「さぁて、これからどうするか? 俺の見た限りではろくな依頼が無さそうだぞ。もう何も受けずに王都を目指すか……」


 ――そこで、二人の服をまた買って……ふむ、それがいい。楽しみだ……ふははは。


 俺は依頼書を楽しく眺めている二人に目を向ける。

 エリザのおっぱいが溢れんばかりに揺らめいている。あと少しでツンが見えそうなのだが、見えない。


 ――ふむ。残念だが、これはこれでぐっとくるものが……


 次にマリーだが、健康的な太ももが歩く度にチラチラ見える。不思議だ、腰の辺りまでスリットが有るのにパンツの側面が見えない。どうなって……


 ――ふおっ!? あ、あれは紐ではないのか?


 マリーの腰骨の辺り、そうスリットの境目辺りにうっすらと白い紐が見えた。マリーのパンツは細い紐パンみたいだ。


 ――け、けしからん……けしからんぞマリー。俺の心をこうもかき乱すとは……そうか、その紐を俺に引けというのだな……よかろう、ふははは、俺にかかればそんな細い紐など……


「ねぇねぇ、クロー?」


「ぬぉ!? ど、どうしたマリー? 俺は何も見てないぞ」


「ん?」


 マリーは不思議そうに首を傾けにこりと笑った。


 ――はて?


「ほらほら、カウンターのさっきのおじさんが呼んでるよ」


「ギルドのおっさんが? 俺をか? ……ほう」


 確かにカウンターで剥げたおっさんが誰かを呼んでる。

 周りを見たが、今は俺たちしか居ない。


 おっさんと視線も合った。


 俺を呼んでることは間違いないらしいが、厄介事の予感しかない。


 ――やめとく?


「さっきからずっと呼んでますよ。あのおじさん」


「ほらクロー。行ってあげないとあのおじさん泣きそうよ」


「ふむ。仕方ないな……」


 俺が近づくとおっさんは嬉しそうに微笑んだ。


 ――いやいや、おっさんの微笑みなど誰も求めていないし、興味もないぞ。


「いやぁ、旦那なら来てくれると信じてましたよ」


「信じるな……おっさんが呼んだんだろ?」


「はい、そうなのですが……私が頼む依頼はみんな警戒をしていると言うか……嫌がるというか、はい……」


 おっさんの歯切れが悪い。


 ――やはり、嫌な予感しかしない。


 ギルド内がガラガラなのもこのおっさんのせいなのでは? とつい疑いたくなる。


「……逃げられるのです」


 おっさんに声をかけられたハンターたちは、みんな逃げるようにギルドを出ていくそうだ。


 そう呟いたおっさんは肩を落とし手元にある複数の依頼書を見て深いため息を吐いた。


「無理な依頼ばかりだと……そうなるだろうな」


「はぁぁ、はい。分かっているのです。それでも私は、塩漬けになりそうな依頼を処理しないと減給になってしまうのですよ。酷いですよね。塩漬け案件が増える度に私の基本給が……あぁ。

 今月もかなりピンチなんです」


「なんだそんなことか……」


「じゃあ!!」


 おっさんが期待した目で俺を見上げた。


「ん? ん〜、他をあたるといいぞ」


「え? いやいやいやいや、旦那待ってください。今回は手紙を届けるだけなんですよ。隣の田舎村に……」


「手紙ねぇ」


「そうです。手紙を隣の田舎村までです」


「ほう、で?」


「こ、これが、かなりの田舎村のため誰も行きたがらないんです。それで、この案件も塩漬けになりそうで困ってます」


「田舎村には………………ふむ、行く予定はないな。目指すはこの国の王都だ」


 ――エリザとマリーに際どい服を買ってやるのだ。そして……ふっふっふっ。


「おお、王都ですか!! ちょうど良いですよ!! この村は王都に行く途中に、ほんの2日いや、3日くらい寄り道すれば辿り着く距離なのです。ほら、簡単でしょ?」


 おっさんが身を乗り出し必死に俺の手を掴もうとしている。

 悪いが俺にそんな趣味はないので軽く躱しておく。


「……あのな。3日って結構な距離じゃねぇか。なにサラッと言ってるんだ、しかもその手は何だ? 俺の手を握ろうとするな……」


「うっ……だ、旦那、お願いしますよ。この依頼は女性専門店の店長からの依頼なんですよ。

 これ……今月末までに処理しないと支店を撤収するって催促がきたんです。

 あの店がなくなったら私はこの町全ての女性を敵に回すことになるんです。お願いしますよぉぉ」


 ギルドのおっさんは何度も頭をカウンターに擦り付け懇願してくる。男の頼みなど正直うっとおしいのだが――


「ん?」


「クロー。その店さっきの店ですわ」


「ああ、そうみたいだな」


「私たち急ぎじゃないから受けてあげてもいいんじゃないかしら?」


「うん。わたしもクローが良ければ受けてもいいよ。あの店凄く丁寧で良かったんだよ」


 後ろで黙って聞いていた妻たちが、俺の上着をちょいちょいと引っ張り見上げてくる。


「ふむ」


 ――二人が、着ている服を見れば分かるが、俺でもあの店の品は良いものだと思える。特に女性専門店ってのがいい。


「ほら、旦那。お嬢様方もそうおっしゃってますし、報酬は淑女服セットニ着です。ほら、ほら、旦那のための依頼みたいなもんでしょう?」


 ――なるほど、報酬が淑女服セットとは……どうりで。男のハンターに淑女服セットなどいらんからな。


「ふむ。よし、分かった。ついでに受けてやるが、条件がある」


「じょ、条件ですか? な、何でしょうか?」


 おっさんはいつの間にか取り出した布きれで額の汗を拭っている。俺が無茶な要求でもすると勘違いしているのだろう。


「なあに簡単なことだ。俺たちはこのまま王都に行くんだ。ここには戻ってこない」


「はい」


「つまり、報酬は本店で受け取れるようにしてほしいんだ、これくらいならば可能だろ?」


 おっさんは明らかにホッとした表情を浮かべると――


「ああ、そんなことでしたらお安い御用です。そんなこともあろうかと既に許可は貰ってますから。サインを貰った依頼書を直接本店に持っていってください」


 ――なんと、意外とできるおっさんだったのか……


「そうか。それならいいんだ。んで俺はその手紙を届ければいいのだな?」


「はい、その田舎村にタゴスケという人物がおりまして、そのタゴスケにこの手紙を渡すだけなのです。大きな木の隣にある家だそうですので、すぐに分かるらしいですよ」


「ふむ。渡すだけだな。分かった。まあ、家が分からなければ村の誰かに聞く」


「はい、そうしていただけると助かります。ではよろしくお願いします」


 そう言って頭を下げたおっさんからえらく分厚い手紙と依頼書を受け取った。



次回、新たな女悪魔が出ます。

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