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召喚されたら神様の助手ー異世界冒険物語ー  作者: ハチマキ
第一章 初めての異世界
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第6話「計画実行、のちクーデター」

 さてと、まずは人気の無い場所に移動しなきゃな。力を使うところを見られたら面倒なことになるかもしれないし。

 僕は近くの路地裏に入り誰もいない事を入念に確認してからイメージを走らせる。某魔法使いから透明になれるマント、麻酔銃、自白剤スプレー(即効性)、嘘発見機。これだけあればいいだろう。そのまま性能テストを行い問題ない事を確認する。

 この王城潜入計画の決行は明日の夜中、今日の日付が変わったあとだ。

 この日は調整などを繰り返していたのであっという間に夜になってしまった。昼を食べずに続けていたせいで空腹だった。腹が減っては戦は出来ぬ。僕は一度孤児院に戻る。食堂に入って晩ごはんにありつく、作っていたのはマリーだった。もしかしたらいる時はマリーがごはんの支度をしているのかもしれない。

 今日の献立は、肉と野菜の炒め物、魚の塩焼き、白米、すりつぶした芋のスープだった。うん、どれも旨い! 僕がマリーは料理上手だね なんて言うとそっぽを向かれてしまった。また余計な事を言ったかな僕。腹ごしらえを済まして決行の時を待って僕は孤児院を抜け出す。


「門番は一人か。とりあえずは何とかなりそうだな」

 昼間に作っておいたマントを羽織って姿を消す。足音を極力立てないように近いて僕は門番に自白剤スプレーをかける。

「!?」

「王様はいま何処にいる?」

「陛下は寝室でお休みだ。あの高い塔の上だ」

 あそこか。分かりやすくていいな、余り時間をかけるつもりはないし先を急ごう。おっと門番さんには朝まで眠っていただかないとな。麻酔銃を使っておく

 その後は順調に城内を進み時折警備兵に道案内をしてもらいながら王の寝室にたどり着く。ドアを音を立てないようにそっと開けたその時、何かが倒れたような物音がした。

「何者だ!姿を表せ!ワシと刺し違えたくなければ撤退を奨めるぞ?」

 仕方ない。バレてしまったか。まあどうせ起こすつもりだったから同じことなんだが。マントを脱ぎ姿をみせる

「刺し違えるつもりはありませんがね。あなたがこの国の王様で間違い無いですか?」

「いかにも。ワシがアルカディア国王イーアソス十八世だ。刺客よ刺し違えるつもりはないとは大した自信だな」

「はいはい、めんどくさいんで、こちらの用事を済まして貰いますよ。単刀直入に言います。貴方、十年前アタランテの一族の討伐命令を出しましたか?こちらには嘘を見破る術がありますから正直に答えて下さい」

 このために用意した嘘発見機をポケットから取り出す。向けた相手が嘘をついていれば赤いランプが光る簡易的なものだ。

「十年前?あの痛ましい事件か。確か盗賊によって全滅したと聞いた。討伐命令など出していない」

 赤いランプは…………光らない。嘘ではないようだ。むむ? これはもう少し突っ込んでみるか。

「では次に貴方はあの村に救援を出しましたか?そして貴方以外に軍を動かせますか?」

「いや、ワシは救援を出していない。村までにはここから二日はかかる。出したかったが出動したところで間に合わなかっただろう。軍はワシが指揮権を持っておるから動かせない」

 ふむ。ランプは…………光らない。嘘ではないとして、一つ辻褄が合わない何故、国王軍の旗の燃え残りが現場にあったんだ?僕は嘘発見機をしまった。ここまで嘘を言っていない以上もう必要無いだろう

「貴方たち王家はアタランテの一族を嫌っていたのではないのですか?」

「いや特には。嫌悪していたのは御先祖様だ。ここ百年良好な関係じゃよ」

 ここで僕の建てた仮説が完成に崩れた。王家が代々嫌っていて、ついに暴挙に出たと思っていたのだが。となると、虐殺をして国王に罪を擦り付けて民衆の反感を買うことが得になる人物がいる事になる。それを地道に十年前から続けているとしたらーーーー思考を重ねていた時、外から爆発音が起こった

「「なんだ!!!?」」

 僕と王様は同時に塔のバルコニーへ飛び出した。

 町が燃えている。あちこちで爆発が起こり黒煙が上がり始めた。おそらくこれは……

「クーデター…………」

「クーデターだと!? 何故こんなことが!?」

「この事件を起こした人物がいます!それより今は住民の保護を優先させましょう!」

「そう、だな。警備兵!今すぐ軍の支度を!住民の避難の誘導をせよ!警備兵!」

 あー。タイミング悪いなぁ。この周囲の警備兵眠って貰ったんだった。これは僕に責任があるし手伝わなければこの国に恨まれそうだ。仕方ない。

「王様!身分証明する物はありませんか?僕が直接軍に伝えてきます!」

「ああ、すまない。この懐中時計を預ける。王家の紋章があるから見せれば分かるはずだ。しかし何故、そこまでする? お前はワシを殺しに来たのだろう?」

「僕は一言もそんなこと言ってませんよ?あと僕も心配事があるので失礼します。」

 行き掛けに指令部の場所を聞くと僕は駆け出した。塔をかけ降りる途中窓から町の外に敵の本陣らしき一団が見える。

「あれか?視力強化がここで役立ったな。ひとまず向かう場所は決まったな。とにかく急ごう」


 僕は指令部へ王様からの指令を伝え流行る気持ちを抑えて町へ駆け出した。

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