第2話「世界の創造のち、出会い」
来人は神様が置いていった説明書を開くことにした。それはヤケに薄く軽かった。不安になりながら開いてみる。
「何が書いてあるんだろうか」
そこには目次があり、1始めに 2創造の力の使い方 3最後に としか書いていない。
「これだけ!?ひょっとして、あの神様実は面倒なこと嫌いなだけじゃないよな」
『はじめに、君には私の創造の力と異世界を旅する力与えたわ。その力は神の技、その力を使い世界を創りなさい。神々に人気なら管理をお願いするつもりだからよろしくー!』
結局丸投げかよ・・・。やっぱりあの神様は面倒なことが嫌いなだけだ絶対そうだ!
若干、呆れながら次の力の使い方のページを開くと僕は呆気にとられた。
『イメージすればOK!それだけで作れるから大丈夫!習うより慣れよ!』
「それだけでいいのか。神様、大雑把過ぎないかねほんと。とりあえず力を使ってみるかな」
僕は最初に林檎のイメージをするとリンゴが現れた。
「すごい!本当に林檎が出てきた!味はイマイチか。もしかすると、知識がないと駄目なのかもしれないな。アダムとイヴの伝説を思い出すな。イヴいないけど」
この世界は白い地面と青空だけだ。そこで僕は景色をイメージする。[[島、豊かな自然、海岸にあるビーチ、山、山の中腹にある大きな屋敷]]こんな感じかな
すると突然、ゴゴゴゴゴと、とてつもない音がして瞬く間にイメージした通りに世界が創られていった。
「これ本当にぼくがイメージしたものと同じだ・・・。僕はこの世界においては万能なのかもしれないな。なぜテストにあのゲームを使ったか分かる気がする」
ふと思い出す、最後にのページがあったと。僕はそのページを開いてみる。
『フフフ驚いた?それが創造の力よ。最後に後輩君へアドバイス、神々には地球の娯楽はウケないわ。たびたび降臨して飽きている神も多いからね。私が創った数々の世界を巡りヒントを得るといいわ。わたし直々に再構築した体だから簡単には死ぬことはないはずだから安心して旅しなさい。あと私の創った世界でも創造の力は使えるけど控えなさいね。死なないでよ?変わりを探すの面倒くさいから』
「最後に、あの神様らしいな。異世界か。どんな世界なんだろうか少し覘いてみようかな。異世界に渡れるんだよなでもどうやってやるんだろう?イメージが具現化するから”異世界への扉”みたいなのイメージしたら出来たりして」
そんなこと思い、目の前に扉を創り出す、ただの扉に見えるけど果たしてどうかな。恐る恐る僕は扉を開けた。
するとそこには自分の創った覚えのない景色が広がっていた。遠くにみえる大きそうな町、そこに向かって伸びる道それとゲームに出てきそうな生き物の群れ。
「これが異世界、来たんだ地球から。ん?あれは人?ていうかモンスターに襲われてないか!?助けたいけど、どうしたら・・・そうだ!」
地球で見た閃光弾をイメージして創り出しモンスターへ投擲する。それはモンスターたちの前に落ちる。
「目を閉じろ!!!」
僕はその人に向かって叫んだ。直後、眩しい光がその場から起こったのちモンスターたちは逃げて行った。
「大丈夫か!?怪我はなかったかい?それにしても逃げてくれて良かったー!」
僕が駆け寄るとそこには肩ほどある水色の髪に青い瞳、整った綺麗な顔の女の子が腰を抜かしていた。歳は15くらいにみえる
「ふぇ!?私助かった・・・?あなたが助けてくれたの?」
「えっと、そうだね。僕は来人、君は?」
「来人さん。ありがとうございます!私の名前はマリー・A・カサドア。マリーと呼んでください」
「じゃあマリーよろしく」
「はい!よろしくお願いします!」
これが僕たちの出会いになった。