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オレ~02~

そう。。。



オレは、忘れていた。


オレと一緒に飲める時間が減ったというだけで、包丁を振り回したあみの執着を。


オレがホストをあがる。

それは、あみとの付き合いの終わりを指していた。


オレとあみは確かに地元の先輩後輩だ。

だけど、元々ホストと客なのだ。

ただ、客との会話の中で、先輩後輩ということに気づいた。

それだけの関係。

ただ、翔くんの客だった先輩の友だちというだけだ。


そして、今まで多少はあった地元での付き合いも、あの包丁事件から途絶えていた。




思い出した。。。


オレは、刺された。

あみに刺されたんだ。


最後に私の優介と笑ったあみの顔。。。

あの顔も思い出してしまった。


その後、オレはどうなったんだ?

あみは?

いや、あみがその後どうなったのかそんなのはどうでもいい。


今は、あの時の熱さを思いだす。

そして、あの笑顔。。。


ぶるっ。

震えたオレをなにかふわふわしたものが包んだ。

そこで、オレは気づいた。

そっかぁ。

コレは夢じゃない。



オレ、死んだんだ。

沢城優介、ことオレ、嶋田大介。

沢城優介を捨て、ボーイとして働き始めてまだ1年だった。


なんも考えてないオレは、ホストを上がったあと、少ししてから蒲田のキャバクラでボーイとして働き始めた。

すぐ近くにあみが働いているおさわりパブがあることなんて一切考えていなかった。

すっかり忘れていた。

働き始めてから3ヶ月くらいだっただろうか。

あみと偶然すれ違ったのだ。

ただ、道が1本違うだけ、それだけでそれまでよく会わなかったと思うが、偶然にもすれ違ってしまった。

客引き中のオレと、同伴中のあみ。。。

流石に客と一緒にいたあみはそのときは話しかけて来なかったが、それから、たまにあみがオレの仕事終わりを待ち伏せするようになった。

一度だけ先輩がいて、断り切れず飲みに行くことになってしまったが、いつも振り切って帰った。

少しして、あみがオレが働く店に面接に来たようだが、流石に近所のおさわりパブで働いている女をキャバクラでは雇えないので断られたらしい。

あみの待ち伏せはひどくなった。毎日仕事が終わり店を出ると前に立っているのだ。

オレはどうにかあみと会わないよう避け続けた。


ある日、あみの限界が来たのだろう。

店の前で客引きをしてるときだった。


背中が熱い。。。

振り向くとあみがいた。

あみは笑った。

これでもう私だけの優介


オレは、あみに刺された。

そして、死んだんだ。。。

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