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オレ~01~

とりあえず、最近のサイテーなことでも話してみるか。


オレは、沢城優介。

もちろん、本名じゃない。源氏名だ。

一応東京のちっちゃい店でホントをやってる。

元々、吉祥寺のそこそこデカイ箱でナンバーはってた。

そこのナンバーツーで、オレの教育係だった翔くんが、蒲田に新しくできるとかいう店に引き抜かれて、着いていくことになってからオレの話は始まる。


そこで、源氏名バリバリな名前のあいってやつと会ったんだ。

酒は弱いし、酒癖は悪いし、しょうもないやつなんだけどな。


まあ、あいのことは今は置いておこう。


蒲田の店に行ってから、サイテーなことだらけだった。


まずは客。

一応ホストクラブが元々ある土地だったこともある。

新しい店だからと来る客は大抵がどこか常連の店がある客だらけ。

そしてこの店に常連になる客は、その店のホストから、いらないと思われている痛客だらけ。


翔くんはすぐにいなくなった。

気がついたらオレがナンバーワン。


それでも、最初はいいこともあった。


蒲田に来ても、通ってくれた唯一の太客、あみ。

あみは、翔くんの客の友達だった。

そして、オレの地元の先輩。

オレが蒲田に移動してしばらくは、吉祥寺での仕事のあと、蒲田までタクシーで通っていた。

そのうち、蒲田の店に移籍。

いい客だった。


キャバクラ回りがうまく行き、そこそこ色んな店に客ができた。


あいと会った。

客ではなく、普通に付き合いたいと思った時期もあった。

途中でそういう女ではないことに気づいて、営業対象にしてからは、常連になった。

あいを最初に構いすぎたせいで、あいが本カノだと思われたことで、困ったこともあったが、あいがその分使ってくれたので良しとしよう。


その後だ。


蒲田はゲイが多い町だった。

気がつくと、店の客はゲイだらけ。


そして気づくと店はゲイバーを経営してる社長に買われていた。

ホストクラブのはずが、いつの間にか、ゲイと働いていた。


その頃には店長もやめていて、ホストは、副店長とオレと初心者の後輩だらけ。。。


ムリだった。

そして、副店長に誘われて辞めることにした。

隣りの駅のパブの営業後に店を借りた。

副店長が店長になり、オレと後輩2人でついて行った。


そして、そこに行ってからも問題は起きた。


最初は良かった。

近所にホストができたと知り、有閑マダムと言ったらちょっと上品すぎる言い方になるかもしれない2人のババアが通ってくれるようになった。


数人の常連客だけだった店に、金をいっぱい落としてくれる客ができたのだ。


しかし、ホストの遊び方を知っているババア共は、少し席を離れるとすぐに高い酒をいれてオレを呼び戻す。


あいはよかった。

オレに惚れてるとは言え、あいは、元々仕事のストレスを忘れてのんびりするために来ているため、ヘルプの後輩たちとも仲が良く、オレがいなくても、たまにさみしそうにしているようではあったが、そこそこ埋め合わせもしていたため、そこまで気にしていなかった。


問題はあみ。

あみは地元の先輩ということもあり、ぶっちゃけ、オレに執着していることをスッカリ忘れていた。

良く考えれば、オレのために家から遠い店に移籍するくらいだ。めちゃくちゃ執着されている。

しかし、先輩だから、と少し気を使うのを忘れていたのかもしれない。


ある日、あみは店のカウンターの中に入り込み、包丁を持ち出した。

そして、オレにいい加減にしろとつきつけてきた。

最初は、なだめようとした。

しかし、話も出来ない状態で包丁を振り回すあみ。

オレはつい、ボコボコに殴ってしまった。


あみは救急車で病院に運ばれた。

オレはと言えば、少し切り傷ができた程度。

過剰防衛になるかもしれない。

そんなことも考えた。

あみの親に訴えられそうにはなった。

あみに貸していた高級車で事故られたことや、元々あみが包丁を持ち出したことを訴えてもいいと言うと、あみも自分が悪いからと訴えないことにしたようだ。


それから2ヶ月くらいして、あみから店に来たいと連絡があった。

謝りに来たいと言うのだ。

まあ、客だ。オレはあみを許してやることにした。

その日、あみはこれからもオレに会いに来たいと言った。

そのときはあみに了承はした。


しかし、あみの一件から、オレはホストはあがることにした。


あいもオレがいなくても大丈夫だしな。。。

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