幕間話 6 平賀家の正月
あけましておめでとうございます
※ 短くてすいません
時期的には観艦式参加前になります
譲視点
「「「「「「「あけましておめでとうございます」」」」」」
「おめでとう、皆息災で嬉しいよ」
元日の朝俺は家族に囲まれて正月の挨拶を受けている、食卓には奥さんと娘たちが作った正月料理が並んでいる、この時代はコンビニもスーパーもないので正月は年末に買い込んだ食材で正月料理を作って食べるのだ。うちは七人家族なので量も半端ないな……
俺がこの世界に転生してきた時W〇kiもどきで家族の事を調べたことがあったが、表面的には奥さんが大学同期の原正幹の妹であることと三番目の娘が寿屋(サントリーの前身)の創業者の息子と結婚しているという記事のみであった。もう少し詳しく知りたいと思ったら一番下の方に{関連資料}というメニューらしきものがありそれをタップすると俺の伝記へのリンクが張ってあり、そこから伝記そのものが読めるようになっていた。なんか至れり尽くせりで便利すぎる。
それによると平賀譲と奥さんの間には五人の子供に恵まれる、息子二人と娘三人だ、だがそこには衝撃の事実が待っていた、二番目の娘が生後一年ほどで流行り病で亡くなってしまうのだ、その時子煩悩だった譲は滂沱の涙を流したと書かれていた、俺だってそれは嫌だ、なのでチート能力でワクチンや薬の開発を急がせて間に合わせるのに星一や野口英世などを始めとする製薬業者や医学者たちをこき使うことにした、史実(前世)での譲もだが俺も大概のようだ。
御蔭で混合ワクチンなどの開発が進み、小児科の充実も進み次女は無事成長した。胸をなでおろしたよ、その為に五人の子供がここにいる。
「皆、お年玉だよ~」
「「「「「ありがとう! お父様!」」」」」
お年玉を皆に渡し、届いた年賀状を確認する、牧野君たち艦政本部の皆や総研の関係者、ん?差出人の表記の無いのが混じってるな、裏の通信面を見てみると、正月を祝う言葉の最後に
{裕仁}と署名があってずっこけた、天皇陛下が年賀状を出すなんて……この間お会いした時に年賀状の話をしたので興味を持たれたのだろう、ご自分でポストに持っていけないから恐らく、お菓子を持って行った鈴木侍従長夫人のたかさんに頼んだのだろう、郵便の配達員もまさか陛下の書いた年賀状だとは思わなかったに違いない、知られていたら大変な騒ぎになるところであった。
追伸にアイス大福はいつ発売になるか書いてあったのは誰にも言えないな、今から製法を調べて書き出しておかなくては、正月早々仕事が増えたな。
本郷中将からも年賀状が届いていた、確かまた仕事で欧州に出向いているはずなのにいつ書いたんだろう?追伸にはイギリスにいるマリア王女との間に生まれたエカテリーナが中々のじゃじゃ馬で軍のパイロットになりたいと駄々をこねているので困っていると書いてあった、あの男も意外と子供には甘いらしい、俺は意外に思ったが他の家の事なので触れないでおこうと思った。
「あなた、初詣に行きましょう」
奥さんが俺を呼んでいる、ご近所さん達の声もするから皆で行くのだろう、最近は外出するのにも公用・私用に関わらず護衛が付くようになった、きっと奥さんの懐にもあの拳銃が隠されているに違いない、まさかとは思うが子供たちも……持ち物検査したい気持ちになったが見つけたら見つけたで困るからあきらめた、俺の家族たちはどの方向に進もうとしているのか……俺は初詣で神様に聞いてみたくなった。
今年こそは平穏で暇な年になりますように……俺はかなわぬであろうがお願いしようと思った。
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あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…
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