68話 東京オリンピック
※ 最後の部分に間違いがあったので修正しました。
譲視点
1928年
東京オリンピックが無事に行われた、新幹線も前年に東海道新幹線が
全線開通し来日した各国の人々が先を争って乗っていた、
時速210キロで走りコップの水もこぼれないほど揺れも少なく
静かな車内に驚いていた。
肝心のオリンピックだが19種類の競技が行われ
日本は陸上競技と水泳、ホッケーと馬術でメダルを獲得した、
因みに柔道も行われたがこれは日本のお家芸ということで
公開競技として行われた。
前年は美保関事件で忙しかったし今年はゆっくりオリンピックを
観戦してと思ったのだが本郷少将は「テレビで見るんだな。」と
冷たい返事が返ってきた。
テレビの方も何とか間に合った、流石に家庭で買うには高いが
街頭に設置してテレビの普及を狙っている。
設置された駅や公園、デパートなどにはテレビを見ようと人が押しかけ
テレビの認知度は一気に上がった。
家?もちろん買いましたよ、観戦出来ないからね!
近所の人が見に来る来る!
丁度テレビでは馬術が行われていて日本の選手が銅メダルを
獲得した、大盛り上がりである。
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第三者視点です
馬術競技が終わり選手は引き上げる準備をしていた。
「西君どうしたね?」
問われた男は金メダルを取った選手たちを指差した。
「やはり、馬体の差が大きかった、我々はそこで差がついたんだ。」
「確かに障害の後半ではうちの馬は息切れしていたな。」
「この馬では奴らに勝てない・・・」
悔しそうに西竹一中尉は自分の乗っていた馬を見つめる。
「やはり良い馬を手に入れなくてはいけない。」
そうして4年後のリベンジを誓う西中尉であったが
運命の出会いはもう少し先になるのであった。
都内 艦政本部第4課
「敷島型と鹿島型などの代艦がやっと建造できる・・・」
藤本大佐は仕上げた計画図を持って満足そうに呟いた。
艦齢が20年を超えた艦は廃艦にしてその代わりにその合計排水量枠内で
代わりの艦を作る事が出来るのだ。
彼の持っている計画艦の要目はこうなっている。
満載排水量35590トン
全長228.5メートル
全幅33メートル
蒸気タービン4基4軸125000馬力
速力30ノット
航続距離9000海里(14ノット)
兵装 45口径41cm3連装砲3基
45口径12cm連装高角砲12基(シールド付き)
武式12.7ミリ機関銃(連装)18基
同型艦四隻予定
「これで・・・これで先輩の艦より優秀な艦が作れると証明できる、
長かったがこれで・・・」
彼の脳裏の中では竣工した新型艦が大海原を駆ける姿が
映し出されていた。
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譲視点
代艦の計画書の写しが届いた、相変わらず本郷少将は仕事が速い、
福田君や牧野君の協力があればこそか。
見ているが良くできている、排水量の制限枠一杯に使った艦の姿は
長門型と大和型を合わせたような艦形をしている。
尤も軍縮中という事もあり非常にゆっくりとしたスケジュールで建造される
一番艦から最終の四番艦まで揃うのに8年もかかるのだ。
まあ、いくら前世のときより日本の経済が良くてもこれだけの予算は
一気に使えないんだろうなあ。
まあ此方は忙しいし頑張って作ってもらいたい。
大神で西島亮二にブロック工法と新しい溶接の研究をさせてるから
合流させるのもいいな、生産管理についても勉強してるから
役に立つだろう。
四隻は横須賀、呉、長崎、大神で作られる事になっている、
大神の四番艦、新機関積めないかな?
そろそろお披露目しても良さそうだし8年後くらいならいいんじゃないか?
しかし最近満州がきな臭いと本郷少将が言ってるんだが、
出光たちが原油を掘り出し始めたのと関係が有るのだろうか?
要注目だな。
アメリカがどう動くか・・・まさかとは思うが情報はさらに集めておこう。
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あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも・・・
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