表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平賀譲は譲らない  作者: ソルト
2章 大正編
51/231

49話  左遷されたら暇になるの・・・か?

※ 4/1修正

 俺は左遷された。


 普通なら閑職のはずなのだが…


「どうしてこんなに忙しい?」


 そう嘆く俺に本郷大佐(昇進した!)が一言。


「左遷じゃないからだろう」


 解せぬ。


「ぐぬぬ、謀ったな」


「人聞きの悪い、俺の差し金じゃあないぞ、それに海軍大佐の権限を越えてるんだけどな」


「そりゃそうだが…」

 

 もう一つの辞令にはこう書いてあったんだ。


{平賀譲を総力戦研究所 理事に任ず}


「理事って何だよ理事って?」


「流石に一大佐を所長には出来ないからな、所長は適任者なしで置かずに理事の一人に副所長格でとお願いしてるわけだ」


 成る程、って俺が実質的トップなのか?


「これから総研は忙しくなるからな、お前さんが判断しないと回らなくなりそうだからな」


「流石に良くお分かりですな、ってそんなのでいいのかよ!」


「上の人たちはあれで大変なんだ、なんせ国の外と内を見ながら日本の舵取りをしてるんだからな、

それに日本うちは専制国家じゃないんで思った通りに政治を行うのは逆に難しいんだ、今回のお前さんの人事も世界大戦の後始末に追われてる隙を突かれたんだ、後で知って山縣と伊藤の爺さんが怒って大変だったんだぞ」


 今回俺を左遷させた張本人は二人いる、一人は何と東郷元帥だ。出来るのに予算をケチって性能の低い艦を作らせようとしたと讒言を真に受けての事らしい、此方の方は摂政宮と山縣、伊藤の三者からの十字砲火で撃沈したらしい。もう一人はやはりというか予想していた通りやんごとなき方であった。


 伏見宮博恭王  現在中将で第二艦隊司令長官である。彼は史実ぜんせでも軍令部長になり軍令部の地位向上を目指していた人物だ。


 彼らにかつて揉めた軍令部の奴が接近して働きかけたそうだ、そして軍令部の奴は俺に変わって藤本中佐に自分たちの理想の艦船を作らせたいようだ。


 俺は本郷大佐が手に入れた改正八八艦隊基本計画書を開いて見ている、俺の以前作った計画書と比較してみる。


第一次建造グループ


戦艦    1-4番艦(1番と2番艦は建造開始のため計画書通り)


基本排水量 36800トン(38900トン)カッコ内は改正計画


速力    27ノット(28ノット)


主砲    41センチ砲連装4基8門(41センチ連装5基10門)


装甲    舷側280ミリ傾斜15度甲板105ミリ



巡洋戦艦  1-4番艦


基本排水量 42500トン(44500トン)カッコ内は改正計画


速力    30ノット(33ノット)


主砲    41センチ砲連装4基8門(41センチ連装5基10門)


装甲    舷側250ミリ傾斜12度甲板90ミリ(舷側240ミリ甲板85ミリ)



第二次建造グループ


戦艦     5-8番艦


基本排水量 42900トン(41500トン)カッコ内は改正計画


速力    29ノット(28ノット)


主砲    41センチ砲連装4基8門(41センチ連装5基10門)


装甲    舷側290ミリ傾斜12度甲板110ミリ(舷側300ミリ甲板110ミリ)



巡洋戦艦  5-8番艦


基本排水量 45500トン(44500トン)カッコ内は改正計画


速力    33ノット(33ノット)


主砲    41センチ砲連装4基8門(46センチ連装4基8門)


装甲    舷側330ミリ傾斜12度甲板100ミリ(舷側270ミリ甲板85ミリ)




 かなり全体的に重武装している、最後の巡洋戦艦のグループなんか46センチ砲搭載になってるよ、実際には試作もしていない砲なんだけど見切り発車の感が強い、流石に一次建造から二次までは10年は空けないと予算が無くなって破綻しそうだ。


 戦艦は呉で一番艦(長門)が横須賀で二番艦(陸奥)が起工されている、三,四番艦は大神と長崎で起工予定である。


 巡洋戦艦は戦艦の進水が終わった後の呉、大神、長崎、神戸で起工される予定である。


 補助艦に関しては軽巡洋艦は排水量5500トンクラスがすでに六隻建造が開始されている。


 さらに重巡洋艦(装甲巡洋艦から名称変更)1万トンクラス四隻も起工準備が進んでおりこの辺りはすでに部品の発注が終わっているので改正計画には触れられては居ない。


「なあ?改正計画だが重武装の割りに排水量が余り増えてないな?」


 流石に本郷大佐は気が付いたようだ。


「恐らくは溶接を多用して重量の軽減を図るんだろう、俺も本気で作る気ならそうするだろうがね」


「今の溶接技術で大丈夫かね?」


「大神の総研の秘密工廠なら大丈夫だな」


「という事はよそではやばいんじゃないか?」


 その通り、最新の電気溶接技術は総研で再現できるようになっているが最新の機材や技術はいまだ一般に普及するまでには至ってないまずは溶接機の量産と普及から始めなければならないのだ。


「これから普及はさせていく予定だけどな、間に合えば良いんだが」


 こうして忙しさにまぎれていた頃海の向こうでは大変な事が進行していたのであった。

ご意見・感想とか歓迎です。

あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…

励みになりますので、評価、ブックマークなど良ければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ