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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
1章 明治編
5/231

4話 譲(おれ)と結婚

※11/22修正


※3/14修正

 住処に帰った所に待ち受けている人物に捕まった。


 知らない人ではなく…前のおれの良く知る人物だ。


「おい、譲、お前何やってるんだ!」


「何って…何?」


 そういうと目の前の知ってる男が激高する。


「お前!俺の妹を忘れたと言うのか!」


 結婚…前世の俺には縁のなかった言葉だなとか一瞬思ったが記憶を手繰って思い出した。


「すまん、正幹まさみきカズさんとの事は忘れてはいないさ」


「そうなのか?」


「ああ、ちょっとした仕事が立て込んでいてな忙しかったんだよ」


 まさか、階段から落ちて一度死んで中身が入れ替わりましたなんて言えないよ。


「ならいいが、もう結婚まで日がないぞ、それにすぐイギリス行きだと言ってただろ」


 書類作成で見てなかった自分の○ikiを見て天を仰いだ。


2月8日結婚


2月28日横浜港を出発


 なにそれ……短くない?


 そう思っていると大学同期の友人原正幹は気の毒そうに言った。


「まあ、イギリスに行ったら4年位は帰れんのだ、お前も未婚のままじゃ平賀の家も何かあったら大変だ、まあ頑張れよ」


 頑張れってもしかしなくてもあれなのか?


「しっかりと勤めろよ、明るい家族計画を!」


ひでぇ、俺は軍艦の建造計画を立ててるほうがいいよ!


>>>>>>>>>>>>>>>


 あっという間もなく結婚式当日になった。


 完全に本人同士の意見は反映されないままに周りが決めたんだよな。


 独身の軍人が出征するときは急ぐときはこういうものらしい、留学なのだが戦争中だから同じ扱いになったようだ。


 まあ行く途中船が沈んだら、ましてバルチック艦隊が近づいているわけだし…


 結婚が決まってからは一度顔合わせしただけだし挨拶を交わしただけでそのときはまともに会話すらもしていない。


 前世も結婚できない歴生まれてからずっとの俺にはどうするか困る場面だ。


 式のすべての行事が終わり布団を引いた部屋に俺たちだけ…まさかとは思うがどこかの貴族か大名の家みたいに隣で聞き耳立ててはいまいな。


 そんなことをつらつら考えていると隣の彼女が正座したままこちらに向き直り畳に手を付いて挨拶をする。


「旦那様、これから良しなにお願いします末永く可愛がってくださいませ」


 この言葉を聞いて確信した、彼女も教わった言葉をそのまま口にしている、俺と同じで余裕がないんだな。


 そう思うと気が楽になった。


 俺は手を伸ばして大きく伸びをすると気楽な感じで話しかける。


「堅苦しいからそういうのはいいよ、実家で会ったときのように気楽に行こう」


「そう、なの?ずっと緊張して疲れたわ、顔も強張っちゃってるし」


 正幹の家に遊びに行ったときに会ったときの顔に戻ると言葉から硬さが取れたようだ。


「だけど、俺でよかったのかって良いも悪いもなく決まったんだよな」


「そうね、でもいつも縁談があったら選ぶことなんか出来ないぞってお父様も兄様にも言われてたし、まだ兄様の友達で家に来たことがあって話しもしたことがある人で良かったと思ってますよ」


「そうなんだ…」


「ええ、だからそこは少しは良いかなって思ってる」


「そうか、俺は仕事になると周りが見えなくなるからな、悪いなって思ってるんだ、すぐにイギリス行きだし」


「確かに寂しくなるかなって思うけど寂しくならないようにしてくれる?」


「え?」


 どうやってといいそうになってあることに気が付いてしまった、顔に血が上ってきそうだ、と思ったら彼女のほうが真っ赤になっていた。


 少し締まらないが、そうして俺は結婚した。


 かのじょが寂しくならないように頑張ろう。


 俺はまだこの時代にはない24時間戦えるドリンクがないのを本当に残念に思った。

※或いはガンバルンバなドリンクでも可。


ご意見・感想とか歓迎です。

あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…

読んでいただくと励みになります。

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