47話 イスラエル建国
※ 4/1修正
※ 2018/05/18修正 ロシア共和国>ロシアへ変更
1918年1月
沿海州を占領した日英両国はある発表を行った。
それはある国の建国である。
「我が国はロシア皇帝ニコライ2世と交渉し極東のウラジオストックを含む沿海州一帯の領土を購入した」
イギリスのジョージ・ロイド首相が声明文を読み上げる。
「購入した領土はユダヤ民族の悲願である{約束の地}として譲渡するものである、又日本政府も建国を援助するであろう」
このニュースは激震となって世界を駆け巡った。
各地に散っていたユダヤ人たちはこの報を聞いて狂喜して直ちにその地に向かう準備を始めた。
もちろんアメリカにいるロスチャイルドやシフなどの実業家たちも支援を表明しアメリカの世論も歓迎した。
ロシアの後を受けた革命政府は亡命した後の皇帝の約定など無効だと騒ぎ立てたが約定自体は亡命前に行われており手続き上は有効だと反論した。
さらに反革命軍をシベリアに集め亡命したニコライ2世を国家元首にした「ロシア」が成立する。
ハバロフスクを暫定首都としてアムール、カムチャッカ、ヤクーツクなどの地域を実効支配しそこにアレクサンドル・コルチャークやアントーン・デキーニン、ピョートル・ヴラーンゲリ などが馳せ参じて一大勢力となった。
これまでの帝政とは違う意味も込めてあえて{ロシア}と名乗ることとなった。
このロシアはイスラエルを承認したため「正統なロシア」が認めた国家であると世界的に認識された。
このため革命政府(後のソビエト)はこの2国を目の敵とすることとなる。
又ロシア各地の反革命勢力もロシアに恭順していき、長きに渡って旧ロシア帝国は分断国家となった。
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「うまく行きそうだな」
俺は本郷中佐と帰朝する巡洋戦艦金剛の士官室で話をしている。
「まあな、ニコライ一家が旗頭だから反革命軍も足並みが揃うんだろう、コルチャークたちだけじゃ足並みが揃わずに各個撃破がいいところだろうな」
「お陰でイスラエルの建国がうまく行った、しかもロシアが盾になってくれるから発展途上の国家も安定するだろう」
「満州に進出しているアメリカとしても歓迎すべきことだしあの国のユダヤロビーが支援をするだろうから安心だな」
「万一ロシアが勢力を拡大できても今度はウラジオストクを抑えてるイスラエルが日本の盾になってくれる」
前世での中東戦争を考えればたとえ劣勢でも跳ね返す力を持ってくるはずだ。
「これからインフラ整備や軍の編成もあるからな、一番近いうちが儲かりそうだな」
「全くな……ところで何で顔がにやけてるんだ?」
それは早く日本に帰ってだな奥さんに会うためだよ!
俺の内心が読めなかったのか本郷中佐はなんか可哀想な者を見るような視線を寄越した。
解せぬ。
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日本 某所
「この情報は間違いないのかね?」
「出所は明かせませんが間違いありません」
「とんでもないことだ、これが広まれば世界は……」
「直ちに対策を、今なら間に合います」
「うむ、君は首相官邸に連絡を、首相に直接申し上げなくては、君はフィラデルフィアに電報を打ってくれ宛先は――」
彼らはこの情報を最初は疑っていたがあまりの内容についに決断して動き出すのであった。
そしてその時は刻一刻と迫っていたのであった。
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