表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平賀譲は譲らない  作者: ソルト
2章 大正編
48/231

46話 大戦の終結とその後始末

※ 4/1修正



 イギリス  オークニー諸島 スカパ・フロー


 ユトランド沖海戦で勝利した日英艦隊と降伏したドイツ艦隊はスカパ・フロー泊地に到着した。知らせをすでに受けていたため熱狂的な歓迎で迎えられた。特に援軍として活躍した連合艦隊の山城型戦艦4隻と金剛型4隻は見物に来る観光客に大人気であった。因みに山城型2番艦は「扶桑」ではなく「摂津」になっていた是は戦艦は旧国名で命名するという決まりが出来たためであるそのため建造がキャンセルされた薩摩型戦艦2番艦の名前が流用されたのである。


 尤も此方は歓迎などはどうでも良いのだ。拿捕したドイツ軍の艦艇の調査があって忙しい、特に損傷した艦艇の破損状況とダメージコントロールについての資料作成に動き回っているからだ実際に運用した乗組員に質問もしなければならないし大変であった。


 幸いなことに山下司令官が人手を貸してくれたので大分楽になったのだが……


「草鹿君はこの写真を順番に整理してくれたまえ、木村君はそこの書類を綴じて、表紙に表題を書くのを忘れないように頼むよ」


「皆上陸して楽しんでるのに何故俺たちだけが…」


「草鹿よそう言うな中佐殿にとっては是が戦なのだそれに綴じた資料の表題書きも楽しい物だな」


 流石木村昌福は人のあまり喜ばないことも飄々とこなしてくれる。しかも表題書きが無駄にうまい。確か提督になって書を色々書いて人にあげていたと言う逸話が思い出されるわ。


 だけどW○kiで知ってたドイツ艦艇の堅牢さやダメージコントロールの巧みさは実際に見てみると凄いと感じる。百聞は一見に如かずとはよく言ったものだ。


 しかし陸戦でもドイツは追い詰められつつあるからこの大戦は近いうちに終わるだろう。すでにオーストリアは本郷中佐の工作で政変と同時に講和する予定だし、ロシアの方もニコライ2世たちの亡命で革命が進むはずである。オスマン帝国は中立は守ったが臨戦態勢の反動で革命機運が高まりつつあるようでこのままではいかないようだ。ただこの情勢でアメリカはついに参戦してこなかった。地道に参戦要因を潰してきたのが利いたらしい。


 ルシタニア号事件を防いでさらにツィンメルマン電報事件を沈静化させることに成功したのだ。ドイツがメキシコに向けて対米戦をけしかける暗号電報を送った事をイギリスが暗号を解いて知ったのだが、それをアメリカに知らせないように働きかけたのだ。イギリスは大戦で負けたくは無かったのでアメリカを引き込みたかったが、それが後にアメリカの発言力を増すことになることも認識していて、アメリカを参戦させずに勝つために日本の派兵と同盟側のオーストリアを寝返らせることを条件に黙ってもらっていた。


 尤もアメリカの耳目は欧州には向いてなかったので大丈夫であったのだが、是はドイツの謀略の

唯一の成功だったがこっちにとっても有益だったのでよしとしよう。


>>>>>>>>>


 カンブレーの戦いが終わってついにドイツ帝国は崩壊する。


 皇帝が亡命して革命政府は連合国に講和を打診、アメリカ大統領ウッドロウ・ウイルソンの仲介で

和平会議が開かれることになった。


 パリ講和会議だけれども前世ではドイツに非常に過酷な賠償金を求めることになる会議である。


 今回はアメリカは参戦していないので完全なオブザーバーで日本は欧州まで派兵して最前線で戦ったので発言力は高い、軍の方も未だ駐在しておりドイツへの押さえとして機能している。


 日本とイギリスはドイツに対しては戦争責任は追及するが過酷な賠償金の取立てはしないという話がついているそうだ。本郷中佐が言ってるので間違いないだろう。フランスはクレマンソーがかなり強硬でドイツに対して厳しく臨むつもりのようだ。


 オーストリアは政変で政府の責任を取らせて皇帝の権力を抑えた連邦国家に変貌したために連合国には好意的に受け止められている、また戦争の原因がドイツに煽られたセルビアにあることもありあまり過酷なことにはならないようだ主な対戦国であったロシアは崩壊してしまったからな。


 そのロシアだが皇帝が亡命した後に革命政府が出来たが内紛を繰り返していて講和会議に代表を送ることも出来ないようだ。オーストリアとは亡命前に個別に終戦条約を結んでいたのでそれはそのままにしてドイツとの講和は棚上げされる事になった。このままいけば数年の内にソビエトになるはずだけどね。


 だが全土に革命の為に混乱が起きており極東地域の混乱が懸念されるのでイギリスと日本は打ち合わせ通りにウラジオストックを含む沿海州に向けて出兵した所謂「シベリア出兵」だ。


 是にはある目的があり是によって両国の戦費の問題も解決するので是非成功してもらいたい物である。


 そして沿海州を両国が占領したときにある発表が行われたのであった。


ご意見・感想とか歓迎です。

あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…

励みになりますので、評価、ブックマークなど良ければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ