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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
2章 大正編
39/231

37話 ユトランド沖海戦 5

※やっとユトランド沖海戦に決着が着きました。


※3/19修正

 第三者視点


「なんだ?この明るさは!」


「上空に光る物が!」


 辺りを照らしていた光はゆっくりと落下しながら消えて行きやがて辺りは又夜の帳が支配したがそれは一瞬のことに過ぎなかった今度は複数の光が夜空に現れたのだ。


「まさか、照明弾…」


 誰の者とも判らぬ呟きが艦橋に響く中続いて訪れたのは複数の砲弾であった。


 次々に上がる水柱には色がついておりその事がドイツ艦隊の皆に相手が誰かを教えてくれる。


「日本海軍…」


 それはありえない、だが現実には起こっている事であった。


>>>>>>>>>>>>>>>>>


「初弾はすべて遠弾でした」


「修正急げ!」


 砲術士が指示を飛ばす声だけが響く艦橋で指揮官が口を開いた。


「まにあったのう」


「飛ばしてきた甲斐がありましたな、彼らの鼻先にT字を書けますぞ」


 参謀長が答える。


「しっかし良う見えるのう」


「照明弾は役に立ちますな、探照灯なんかよりもずっと良い」


「司令長官、後続の摂津、日向、伊勢が『射撃準備ヨシ』と信号です」


「前衛部隊より入電『我、敵の頭を押さえたり』です」


「Z旗上げ、全艦砲戦開始!」


 連合艦隊・・・・司令長官の命に従い主隊の戦艦 『山城』『摂津』『日向』『伊勢』が砲撃を開始した。


>>>>>>>>>>>>>>>


 戦艦ケーニヒの艦橋は恐慌状態に陥った。


「敵前衛艦隊は巡洋戦艦2隻駆逐艦10隻以上、後続の本体は戦艦4隻駆逐艦多数です」


 見張長を務める下士官が報告すると参謀長がシェア提督に進言する。


「水柱から敵艦は14インチ砲搭載艦は間違いありません、そしてこの艦隊は明らかに『コンゴウ』『ハルナ』ではありません」


「ということは?」


「日本で建造されていたコンゴウ・クラス残りの『ヒエイ』『キリシマ』と建造が噂されていたヤマシロ・クラスであると考えます」


「馬鹿な!奴らは最新鋭の戦艦と巡洋戦艦をすべて此方に回してきたと言うのか!」


「ですが現実は目の前の通りであります、対応をしなければ全滅もありえますぞ、完全に進路を塞がれ、さらにT字を取られつつあります、バルチック艦隊の二の舞ですぞ」


「!」


この言葉はシェアに重い決断を促すものであった。



>>>>>>>>>>>>>


「本隊はドイツの戦艦部隊4隻に砲撃中、命中8発うち2発は水中弾です」


「前衛の霧島より『我等は敵の戦艦2隻相手に砲戦中命中弾10発被弾無し』」


「司令長官、優勢に攻撃を進めております」


「うむ、『油断なく砲戦を継続セヨ』と伝達せよ」


「はっ!全艦に通達します」


 連合艦隊司令長官の加藤友三郎は参謀長の安保清種に命を下した、安保が通達を命じて砲撃はさらに激しさを増していた。


 ドイツ艦の反撃の砲撃も打ち返され『摂津』に命中したが一番装甲の厚い部分であったため事なきを得た。


>>>>>>>>>>>>>


「オルデンブルグ浸水、傾斜止まりません、総員退艦を!」


「戦艦チューリンゲン、『我機関停止、放棄する』信号来ております」


「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン応答無し、轟沈した模様」


 シェアーの受けている報告は殆どが悲鳴のように援けを求める物か断末魔を迎え別れを告げる物かのどちらかになってきていた、このままでは参謀長の言うとおりにここで全滅もありえるようである。


 やがてある決断をした彼は参謀長に命令するのであった。



>>>>>>>>>>>>>>


「敵艦砲撃止みました」


「敵艦より通信『我降伏せり』」


「発光信号でも同じ台詞です!」


 ここでついにドイツ大海艦隊は連合軍に降伏を申し入れた。


 この結果はドイツ本国に深刻な打撃を与え後の戦局に大きな影響を与えることになるのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 世界最優の射撃指揮装置を有する独に良く勝てたものです。
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