2話 譲(おれ)は歴史を変えることが出来るか?
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まず今後の行動予定だ……俺の目の前に広がる空中に浮かぶ文字は俺以外には見えないようだし考えるだけで知りたいことが表示される。
まるでネットの○ikiみたいだ、しかも専門的なことはそれ以上に詳しく見ることも出来るようだ、まさにチートだな、しかもメモすると思考するとメモまで出来るようだ、ここに今後の予定を書き込んでいこう。
まずはこのままの歴史を辿るのは極めて日本にも俺自身にも不味いことになる。
俺の死亡年は太平洋戦争の真っ只中である、もちろん技術者であるので最前線に行くことなくベッドで亡くなったのだが結核に侵されてのことである。
それは嫌だな……まずは結核の治療法の確立だな、幸いなことに予防の為のBCGは1906年にフランスで元となる菌株が出来1921年に子供に投与されて効果が確認されている十分間に合うな。
感染していた後の治療薬だがイソニアジドが開発されたのが1912年、今は1905年だからあと少しで完成する、もっとも最初は坑うつ剤としてであり結核に効くと判ったのは1951年になってからだが……
その辺に関してはある程度めどが立ったので今後の歴史について考える、このままで行けば必ず日本は世界大戦に巻き込まれる。
第一次はともかく第二次は不味い。
出来れば負ける方には付きたくないが……自分に出来ることは限られている、出来ることはないか……
俺は歴史が変えられるか考え始めた。
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自分一人では歴史の流れは変えられないだろう、チートな知識で未来兵器を大量生産とも考えたが
それをするにもこの時代の技術では再現不可能な品が多い、そこに少しでも近づくには相当な技術革新が必要だ。
本当の基礎からの技術を底上げしないと……昔読んだ仮想戦記のような風には行かないな。
もっとも技術のみ進めても日本を救うことにはならない、軍部の台頭、国際的孤立状態を解消しないと根本的な解決にはならない。
やはり政治家や軍の上層部に伝を造らないと無理なようだ。
でもいきなり会いに行っても相手にされないだろうな、「日本は将来戦争で敗れます」なんて言って信じてもらえるわけがない、病院に送られるのがせいぜいだろう。
正体を明かしても信じてもらえるとも思えないな。
「せめて信じてもらえるネタでもあればいいのに…」
そう口に出したときあることが頭をよぎり俺はそのことを検索し始めた。
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「ネタとしてはこの辺りかな?」
俺はそれらをまとめてメモに転記していく。
後は誰に最初に接触するかだ、そこを間違うと終わってしまう。
「なるべく政府高官に顔が利く人物か…」
色々○ikiで調べてみるが引っかからない。
「なんかこう主義主張関係なしで顔の広い人いないかな?」
そんな便利な人物がいればいいなと色んな角度から検索していく。
顔役・人気者・黒幕…
その中である名前が浮かび上がってきた。
「年代も一致するし顔も広い…ビンゴかな?」
俺はその人物に会いに行くための方法を考えるのであった。
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