22話 仮称O工廠と要求拒否
※3/14修正
総研で行って来た俺が○ikiもどきで得た未来の技術を後に活躍する予定の人物や会社に伝える活動はいったん一段落した。彼らには軍の情報部が海外の企業や研究所から得た物だと説明している、倒産したり、予算がなくてお蔵入りした研究と言う触れ込みにした。内心では不思議がっているだろうがどこにも特許が登録されてないので先に出した者勝ちだというと目の色を変えてたな。
ロータリーエンジンは正直やり過ぎたかも知れないと反省している、松田さん苦労しそうだ、教えたのは初期量産型から知る限りの最新型の物まで教えているから再現できれば勝負できるんじゃないかな?アメリカでは売れそうだ。
鉄道の改軌に関しては早々とするべきだとして少し早いが島安次郎に頑張ってもらおう、自動連結器と同時だと過労死しないか心配だ、頑張って欲しい。
後藤新平が就任している運輸建設省は前世の世界では鉄道省として独立させてたために改正鉄道敷設法で採算を考えずに鉄道を引きまくり、挙句に国鉄大赤字で大半が廃線になると言うことにならないようにしたものだ、鉄道と道路でうまく使い分けしてやってもらいたいものだ。
まあ、「関門海峡にトンネルを掘る!」と言うのはいいけど、「北海道と本州をトンネルで!」とか、「四国と本州、九州を橋でつなごう!」とか言うから{大風呂敷}とか言われるんだ、まあ出来なくはないんだけどね。
まあシールド工法とシールドマシンについても小松や川崎や石川島にも教えてるからそのうち何とか作るだろう。朝鮮半島とのトンネルもと言いそうだからそれは止めといた。連絡船で十分だよ、1914年には青函連絡船で貨車ごと運んでいるから客車列車でも出来るだろう。
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九州大分県速見郡大神村
開通したばかりの日豊本線の日出駅に降り立った俺がここから車でゴトゴト揺られて着いたのが大神という村である。
「仮称O工廠と言うのは大神の事だったのか?」
本郷中佐(昇進した)が聞いてきた。
「ここは別府湾に面しているからな、太平洋に出る前に泊地として別府を使うことになるならここに工廠があると便利だろう?」
「なるほどな…これだけの土地なら凄いのが出来そうじゃないか」
「もちろん、今後10年位かけてここを一大工廠にするのさ、さっきの日豊本線から支線を引いて資材を運び込む、八幡製鐵所も鉄道で繋がるし急いで作らなきゃな」
「それも{今後}起こる事への対策って訳だな」
「そういうことさ」
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艦政本部
今日は軍令部と艦政本部で会議があるのだが今回の議題は俺が担当している戦艦が議題である、先に出していたプランに軍令部は文句があるらしい。
「全く話にならん!我々は14インチ砲連装6基12門を要求していたのに、この艦では奴らには勝てない!」
「そのくせ装甲板ばかり厚くすれば良いと言う物ではない!そんな物にまわす余裕があるのなら砲搭1基でも余分に積むべきではないのかな?」
「……」
「平賀君、黙ってないで答え給え」
艦政本部長から言われて俺は口を開いた。
「ではお答えしますが、奴らには勝てない云々がありましたが一体どこと戦うつもりなのかご教示願えますか?後、連装5基の主砲配置にしましたが正直これでも多いほうです、連装4基8門でもいいくらいです」
「何だと!」
「仕様書の部分を見て頂いているでしょうか?主砲は新型砲になっており従来砲よりも半分以下の時間で発射できます、揚弾も動力式になっておりこれも従来の倍以上の速度で揚弾できます、つまり従来の戦艦の基準で言えば連装10基分の砲撃力を持っているのですが、これでもご不満がありますか?」
「ぬぅ!貴様!」
軍令部の参謀はにらみつけて来ているが気にしないことにした。
結局今回は俺の要求が通った形になった、ちゃんと装甲の必要性については説明したから理解してくれたはずだ、艦政本部長には後の改装計画も出してあるし問題は無いだろう。
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第三者視点
「くそったれが、何が譲だまったく!あれでは不譲だ!」
帰り道悪態をつく軍令部の参謀だがある声に呼び止められる。
「お待ちください」
「なんだ?貴様」
「先ほどの話ですが、私の上司は頭が固いのです、私ならば何とかできるのですが、お話を聞いていただけますか?」
そうして参謀を連れて行くのであった。
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