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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
3章 昭和編
231/233

210話  第二次南北戦争

お待たせいたしました<(_ _)>

 目を開くと知らない白い天井が見えた。


(知らない天井…あれ?いつか口にしたことがあるような?)


 なんてことを思っていたら看護婦が入室してきた。救護室かな?


「お目覚めになられましたか!少し様子を見させてくださいね」


 熱やら血圧などの測定をされた後、本郷中将が入室してきた。堀大佐もついてきている。


「いきなり倒れるから驚いたぞ、検査の結果は問題なしだがやはり原爆・・の件が原因だな」


「……」


「今回は完全に出し抜かれた。原爆がまだ残っていたとは東機関われわれでも分からなかった」


 本郷中将は握った拳が震えている。余程悔しいのだと思った。


「そこは仕方の無いことだとは分かっている。全てを知るのは無理だということもな。堀大佐、原爆の情報を聞かせてくれるか?」


 聞かれた堀大佐は本郷中将の方を心配そうに見たが、本郷中将が頷いたのを見て口を開いた。


「まず発端ですが、テネシー州に南部の息のかかった陸軍部隊が入ろうとしたのが今回の発端です。テネシー州は南部に属する州ですが、州知事も議会もホワイトハウスの意向に従う旨を表明しておりいわゆる{北側}だったのです。そのために州国境で小競り合いが発生しそのままなし崩しに戦闘が拡大していきました。事実上の第二次南北戦争の始まりです」


「他の州にも広がっていきましたが南部側は特にテネシー州に拘りました。交通の要衝ですが、嘗ての南北戦争時もあそこは南部の重要な州でしたので何としても抑えたかったのだと思います。そこで速やかに州を抑えるため、他の州への見せしめの為に原爆が使用されたものと思われます」


「原爆はプルトニウム型Mk3{ファットマン}でB29より投下され高度約200mで爆発、人口約17万のナッシュビル中心部は壊滅し死者約8万負傷者は6万人を超えているそうです」

 

 ため息が出た。ナッシュビルは日本と違いなだらかな地形だったようでその分被害半径が大きかった。市街がほとんど全て被害を受けたようだ。


「テネシー州は南軍の支配下に落ちました。北軍はケンタッキーとテネシー州の境に軍を展開していますが原爆の使用を警戒していますな」


「そして現時点では原爆の保有数は不明だ、プルトニウム生産設備は北部にあるし既に破壊済なので直ぐには補充はできないはずだが、手持ちがいくつあるのか判然としていない」


 本郷中将が悔しそうに補足する。最高機密なのでいかに東機関でも入り込めなかったようだ。


「どちらにしてもアメリカ内部の問題だ、我々は国連の方から非人道的な大量破壊兵器の使用を非難するしか出来ないからな」


「歯痒い話だな」


「そうなるな、無論表立っては出来ないが北側には支援する事にはなっているがな」


 アメリカが力を削がれることは日英では歓迎されてるから仕方の無いことではあるな。


 本郷中将は言いにくそうに口を開く。


「実は陛下がお呼びなんだ。恐らく、原爆の事についての御下問だと思うが、倒れたと聞いて体調が良くなってからでもいいからとの事だが」


「そうか、医師が問題ないと言うのなら直ぐにでも参内しよう」


 きっと不安に思われているのだろう、御不安を払拭してさしあげないと。


>>>>>>


宮城、御学問の間


 参内して直ぐにここに通された。人目を憚る事は全てここで行われる。


「倒れたと聞いたが大丈夫か?無理をしてはいかんぞ」


 陛下が気遣ってくださる。


「もう大丈夫です。まさか核が使われるなどとは思っておらずびっくりしたようです」


「そうか、それは良かった」


 そして陛下は姿勢を正して皆に告げる。


「此度の事、アイゼンハワー大統領へ哀悼の意を伝え、国連へ南の者たちの蛮行を許してはならないと書簡を送った。放射線障害の研究をしていた医師達も派遣することにした。平賀よ、被爆した市民たちはどうなのか?以前の進講では重大な放射線障害が出るという事だが?」


「は、恐らく爆心地に近い所で被爆した者は、熱線によるやけどが無くても致死量の放射線を浴びており、即死に至らなくてもそう長くは生きられないでしょう。強力な放射線を浴びた者は恐らくは一月は持たないかと。爆心地から数キロ離れており熱線の影響を受けて居なくても白血病や癌などを発症すると推察されます」


「そうか…惨いものだ。そなたの来た世界では広島・長崎がその被害を受けたと聞く。民の事を思うとわたしの胸は張り裂けんばかりだ。例え他所の国の事であっても…」


 見ると陛下の目の下にはくまが出来ておりお疲れの様子が伺われた。


「二度とこのような惨劇を起こらぬように努めます」


 俺はこう返答するのが精一杯であった。


>>>>>>


「南軍の動向は重点的に此方でも監視をすることにした。少しでも原爆の使用の兆候が見えたら容赦なく攻撃を行う」


「宣戦布告無しでか?」


 参内から帰ると本郷中将が物騒な事を言っていた。


「北米軍に偽装した部隊を動かすしなんなら草の連中が編成した部隊でやるから問題は無い、あくまでも南北米軍同士の戦闘という事にする」


 ガチで本郷中将が切れてるな。ここまで怒ったのを見るのは初めてかもしれない。


「そちらは任せる。あちらの方はどんな具合になっているんだ?」


 こっちに手間取って遅れては大変だ。


「あちらの方は順調だ。もうすぐ火薬庫に点火するぞ。スターリンのな」


 指さす先には欧州の地図がありその中央にはある国の名前が載っていた。


 {ウクライナ}





御意見・感想ありがとうございます。



ブックマーク・評価の方もしていただき感謝です。



あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…



読んでいただくと励みになります。



感想等のご返事が出来ず申し訳ありません。


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― 新着の感想 ―
この期に及んで”知らない天井”だと? 主人公の無能さに愛想が尽きた
[良い点] 続きを書いてくれてありがとうございます。 気長にお付き合いするつもりです。
[一言] 今後も更新お待ちしております!
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