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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
3章 昭和編
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189話 ハリケーン前哨戦その2

※体調は戻りましたが多忙と、インプットに時間取られてて投稿遅れました。


申し訳ありません。

ゴームレーたちが海峡に進入した同時刻


 サンディエゴから出発した艦隊はハワイへ向け進んでいた。


 当初一つの集団で有ったが途中で大小幾つかの部隊に分かれている。


 その中の大きい集団が空母を中心にして進んでいた。集団の名前は第3艦隊。太平洋艦隊を再編成して作り上げた艦隊である。


中心に居るのは大型の空母で新型のエセックス級である。


「レキシントンと名付けられた訳ですが戦没して半年で再登場ですか」


「元はボノム・リシャールという名前だったのだがな、急遽先代の名前を引き継いだわけだ」


「成る程、流石新型だけあって今までの艦よりもいいですな。飛行甲板の強度に問題がありそうですが」


 そう言って小柄な体を艦長席に委ねるのはマーク・ミッチャー少将である。彼はパイロット上がりの指揮官でありその人柄ゆえに部隊のパイロットたちの信頼を得ていた。


「しかし、火傷や病気の方は良いのですか?」


「ああ、もう大丈夫だ。ついでに歯の治療もしてもらった。 日本の奴らに借りを返さねばならんからな」


 そう言って指揮官席に座っているウィリアム・ハルゼー中将は不敵に笑った。


「そう仰いますが、攻撃が出来る空母はこのレキシントンだけで後の連中は攻撃につかえませんぞ」


 ミッチャーはそう言って横に並ぶ空母を見る。自分の乗るエセックス級空母より小振りな空母インディペンデンスであった。


エセックス級航空母艦 レキシントン


排水量 (満載) 36450トン

全長    278メートル

全幅    28.6メートル (飛行甲板) 45メートル

最大速力 34ノット

搭載数  80機+

兵装   5インチ砲 12門 40ミリ機銃68門


インディペンデンス級航空母艦 インディペンデンス


排水量 (満載) 12000トン

全長    190メートル

全幅    21.8メートル (飛行甲板) 34メートル

最大速力 32ノット

搭載数  35機+

兵装   5インチ砲 2門 40ミリ機銃30門    



「空母6隻のうち5隻がインディペンデンス級ですからね。艦隊防空に徹しさせます。あちらの連中は促成栽培なので、敵艦まで自分で行く事も戻る事も出来ないでしょう」


「すると我が方の剣はこのレキシントンのみか」


「ええ、ですが数が多ければ良いと言う物ではありませんからね。まあ、やりようですな」


「まあ、その辺の手腕には期待してるぜ、スプルーアンスの援護をしなくちゃならんからな」


「承知しております。少し急ぎましょう」


「おう、索敵は任せた」


 増速し波を蹴立てて第3艦隊は進んでいく。


>>>>>>>


 同じ頃 日本本土 戦略情報本部


「第八艦隊との定時通信が途絶えがちです。規定の数分の一程度の通信しか送ってきておりません」


「どうやら此方に現在地を知られるのを嫌がっているようだな」


本郷中将が堀大佐から報告を受けて顔を顰めている。どうやら此方からの介入を恐れてのことか。


「連合艦隊司令部に状況は伝えておいてくれよ」


「そいつは抜かりが無い。むしろ向こうから話が来てるよ」


「そうか、木村長官ならうまくやってくれる筈だ。それよりあちらの方の状況は?」


「サンディエゴ周辺で飛行訓練を行っているのは確認できる。そこからどちらへ向かうのかは判っていない。部隊が特殊小部隊な物だから東機関も入り込めない上に核爆弾を保管している場所は厳重な警備をしていて近寄る事もできん」


 流石の本郷中将も困っているようだ。


「どれが本命か、見抜けないと大変な事になるな」


 正直来て欲しくは無いがあちらは本気だろう。


「堀君、君の見立てはどうだね?」


 問われた堀大佐は暫く黙っていたが口を開いた。


「ハワイはありえません、距離は兎も角彼らにとっては自分の庭にガソリンをぶちまけるような事はしないでしょう、そして南太平洋側からも可能性は低い。今回の米軍の作戦はフィリピン救援が主で後は欺瞞行動のように見せていますが真の主作戦は核兵器の使用でしょう。それは我々だけでなく自軍の殆どを欺いているのではないかと思われます」


「そこまでやるか」


「古来、敵を欺くには味方よりとも言いますが、使用兵器の特殊さがこのような事態を招いているのでしょう」


「普通の神経なら忌避するだろうからな」


「そうです、大統領とそれに近い軍人たちが推進している為に起きている事態です。逆に米軍内でも秘密にする必要があるため不自然な通信や物の移動が発生し察知しやすいのです」


「では? 奴らはどこから?」


「はい、恐らくは此処でしょう」


 そう言って堀大佐が示したのは太平洋の北、アラスカから長く伸びる列島。


「アリューシャン列島。此処から来る物と判断します。理由は最近この諸島内で飛行場整備が不自然な程進められて居る事です。それも大型爆撃機も使える長い滑走路を持っています。東機関が掴んだ資材の流れと偵察衛星の写真から判明しました」


「北から来るか、狙いは樺太・北海道当りだな」


「幌筵の海軍根拠地が狙われる可能性大ですな。其処を叩いて日本政府に圧力を掛けるつもりでしょう」


「成る程な、現地部隊に警報を出し、増援部隊を送り込むことにしよう」


 間に合って欲しい物だ。





御意見・感想ありがとうございます。




ブックマーク・評価の方もしていただき感謝です。




あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…




読んでいただくと励みになります。





※投稿と感想返しが遅れております、申し訳ございません。


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