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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
3章 昭和編
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幕間話19話 未来を紡ぐ者たち

カリフォルニア州 サンディエゴ海軍基地


 スプルーアンスの退出した後、部屋に居た三人は正していた姿勢をリラックスさせていた。


「正直、太平洋艦隊は勝てるだろうか?」


 アイザック・アシモフが誰と無く尋ねると、ハインラインが茶化すように答える。


「閣下の艦隊は目晦ましの囮だ。勝つ必要なんてないのさ。閣下の心配は練成途中の艦隊を消耗させはしないかの心配だけだ」


「それよりも、あれ(・・)言わなくて良かったのだろうか?」


 スプレイグがポツリと言った言葉に後の二人から笑みが消える。


「知ったとしても閣下達には関係有るまい。ホワイトハウスの主人が気にする事柄だよ」


 彼らはもう一つの可能性を話していなかった。犬を乗せたロケットが大気圏を突破して、地球を周回した事からある兵器が完成の域に達している可能性があることを。


「大陸間弾道弾……こいつと核爆弾があれば日本はわざわざ我らの本土まで攻め寄せなくてもいいのだ。簡単に滅ぼす事ができるからな」


 ハインラインがつぶやくとアシモフが返す。


「まるで我々が書いている物語の世界の中のようだね。あまり当事者になりたくない部類の」


「全くだ、一発で都市一つ消し飛ばせる爆弾なんてまるで聖書のソドムとゴモラを滅ぼした天の火矢のようだしね」


「だが日本は使おうとはしないだろう、あのプロパガンダ映画にはそんなメッセージがこめられていたと思うが」


「それは此方が使わなければだな、使わないのと持たないのとは同義ではない、向こうは既に持っていてその切り札を伏せていると私は思うんだ」


「では我々の側が使わなければその存在は明らかにはならないわけだ」


 彼らはグローヴス少将の動きを知る立場に無かったのであった。


「大陸間弾道弾があると仮定して狙われるのは各地の軍事基地、ここも有力候補だな。その存在が明らかになると同時に我々も天国の門いや地獄の門を潜る事になるかもな」


「確かにな、だがもし生き延びたらこの経験を生かして作品を書きたいと思うよ」


 ハインラインが言うと残りの二人も頷く。


 ひとしきり話の花を咲かせた彼らであったが最後にハインラインがポツリと言った。


「この戦争が終わったら日本へ行ってみたいと思っている。きっとこの絵図を書いた者が居る筈なんだ、そいつがタイムトラベラーか転生者かは判らないが、会えたら最高にCOOLだと思わないか?」


「奇遇だな。私もそうしようと思ったんだ」  「私もだ」


 戦後三人が日本へ行ったという記録は残っているが彼らが総研の所長に会えたかどうかは判っていない。


御意見・感想ありがとうございます。


ブックマーク・評価の方もしていただき感謝です。


あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…


読んでいただくと励みになります。


※ただいま体調不良の為、投稿と感想返しが遅れております、申し訳ございません。




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