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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
3章 昭和編
185/231

167話 ハワイ沖海戦その6

お断り 昨今小説家になろうにて無断転載される事例が発生しております。







其の為此処にてお断りしておきます。







この作品は 私ソルトが書いたもので小説家になろうにのみ投稿しアルファポリス・ツギクルにリンクが張ってある以外は無断転載になります。










 太平洋艦隊旗艦 ノースカロライナ


 時間は少し巻き戻りキンメルはある決断を迫られていた。彼の元にハルゼーの機動部隊が敵の航空隊によって攻撃を受けたとの一報が入ったのである。


 彼としては援護に向かいたい所であるが自分たちも敵の戦艦部隊を発見しており攻撃に向かう所であったのだ。そして向こうにも発見されている。


「ハルゼーのところに向かってもその途中で敵に追いつかれる可能性がある以上反転はありえません、いかに数の優位があっても守勢では引っくり返される危険があります。ここは前進あるのみかと」


 参謀長の見解は尤もで参謀たちはそれを支持しキンメルもそれを是とした。


「ハルゼーには無理をせず利なくばハワイに引けと指示を出しておこう、向こうが敗れても此方が勝てば良いのだ、簡単には我々の戦艦は沈まん、イギリスとは違いユトランドのような事にはならんさ」


 そう言って皆を鼓舞するのであった。


>>>>>>


 第二艦隊旗艦 大和


「敵艦隊、誘導噴進弾の射程に入りました」


「各艦、発射準備良し! 発射陣形への変換終了!」


 大和に設けられた戦闘指揮所では準備が着々と進められていた。


「よし、発射うちかた始め!」


 宇垣の命令が下され艦長がすかさず「-!」と叫び復唱される。


 発射機から次々に焔と煙を引いて噴進弾が発射されて行く、大和に続いて武蔵・長門・陸奥・土佐・加賀からも、そして周囲の艦からも次々と発射されて行った。


「さてどのくらいの戦果が出るか興味深いことだな」


 皆に聞こえない位の声で呟く宇垣であった。


>>>>>>>


ノースカロライナ レーダー室


「艦隊に向けて飛んでくる物体を検知しました、数多数!」


「あの艦隊には大編隊を繰り出せる空母はいなかったはず、別の艦隊か?」


「航空機にしては速度が早すぎます! 迎撃を急がないと!」


「艦橋に連絡! 至急防空行動に移されたしとな」


 知らせを受けた艦橋では全艦隊に防空を指示した。


「いったい何が起こっているんだ!」


 キンメルはそう叫ぶが答えられる者はいなかった。



 答えを求めるかのように艦橋から海上を見渡せば右前方に占位している大きな艦影、戦艦アリゾナが見えた。其処に何か白い棒の様な物がアリゾナに向かっていく、吸い込まれる様にアリゾナへ当たったと思われた時大きな爆炎がアリゾナから上がった。


「えっ?」


 思わず間抜けな声を上げたキンメルが呆然としている間に次々と白い物体が命中していき其の都度新たな爆炎が上がりアリゾナを覆いつくした。


 艦橋に詰めていた者達が騒ぎ出し対空砲火が打ち上げられだす。


 アリゾナを覆っていた煙が流れていくが其の中にはアリゾナはもう存在していなかった。


「アリゾナ……」


 周りに命中して阿鼻叫喚となっているのにキンメルは其のまま視線を動かす事は無かった。


>>>>>>>>


第二艦隊旗艦 大和


「偵察機からの戦果確認です、戦艦アリゾナ撃沈、同コロラド・メリーランド・テネシー大破乃至中破、ウエストヴァージニア・ワシントン・ノースカロライナが小破、巡洋艦二隻撃沈、三隻大破、一隻小破駆逐艦三隻撃沈、一隻小破、以上です」


「大型艦の損害が大きいな」


「噴進弾の誘導装置の性格上そうなります、熱源探知ではより大きい熱を発する物体を狙い、電波探知ではより近くの物体を追尾します。戦艦に偏って命中したのは其の為かと」


 艦橋に詰めていた技術士官が説明する。どうやら日本艦隊に一番近くに居たアリゾナに集中して命中したのは其の為であった。全部で二百発以上発射されたが最初に発射された内の実に四十発以上がアリゾナを襲ったと報告されたのには司令部一同顔を青褪めさせていた。


「技術本部では誘導装置の更なる改良が必要であると認識しております、集中する事無く適当にバラけて命中する様に等ですが内部の演算回路を高度化する必要があり今しばらく時間をいただく事と成ります」


「いや・現場ではこれでも十分な戦果を挙げてはいるんだが……これよりも良くなるのか?」


「はい、今の状態を進めて目標の脆弱な部分や弱点に命中するようにするとか装甲の薄い上部を狙うように一度上に上昇して直上から命中させるとか課題はいくつもありますから、ああ、もちろん射程の増大や命中威力の向上も進めております」


「はは・それなら戦艦が主砲で打ち合うというのも最後になるかもしれんな」


 宇垣が乾いた笑いを口にすると艦橋ではそれに頷くものが多数居たのであった。


 その間にも両艦隊は距離を詰めていき合間見える事となる。


 こうして第二ラウンドは両者が置かれた状況を完全に理解する前に行われる事と成った。



ご意見・感想ありがとうございます。



ブックマーク・評価の方もしていただき感謝です。



あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…



読んでいただくと励みになります。



※感想返しが遅れております、申し訳ございません。




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