17話 日本帰還と変わる世界
譲君がお茶目な人になってしまった…
どうしてこうなった?
※3/14修正
1909年1月26日
「私は帰ってきた!」
俺は思わず横浜の町並みを見て叫んでいた。
「はいはい、タラップを降りるまでにその変なテンション直しとけよ」
本郷少佐の声は冷たい。
「降りたら直に差し回しの車で行くぞ!」
「その前に家に、嫁に会わせてくれ!」
「だ~めだ!」
そのような押し問答をしながら俺は車に押し込められて連れて行かれた。
しばらく走って着いたのはレンガ作りの警戒厳重な建物である。
「ここはどこだ?」
「ここは防衛省総力戦研究所、別名{総研}だ、覚えておけよ、ここがお前さんの本当の職場なんだからな」
よくよく本郷少佐に聞いてみると、あくまで表向きは海軍艦政本部勤務と言うことになるらしい。
「とりあえず、まあ入れよ、お待ちかねの人も居るんだからな」
案内された部屋に入ったら知っている顔が迎えてくれた。
「まあ無事で良かった、どうだ、日本は変わったぞ」と伊藤博文が言うと、「児玉は残念だったが奴も悔いなく生きられたと思う」と山縣有朋が続ける。
「軍も大幅に変わったからのう、驚くなよ」
山本権兵衛もにこやかだ、ここまで描いた通りに進んでいるからであろう。
「まずは、満州での採掘権だが言われたとおりの地域での採掘権を清から得たぞ、本当に石油が出るんだな?」
伊藤博文が質問してきた。
そう、これは後に見つかった大慶油田と勝利油田の場所である。実は史実で満州国時代に探査を行っていたのだが、山一つ向こうで試掘したので何も出なかったのであった。
「大丈夫ですが、採掘する技術者は大丈夫でしょうか?」
「現在集めて教育中だよ、精製施設も急がないとな、樺太のオハで採掘を兼ねた教育を行っている、
精製の方は情報をもとに日本各地に精油所を作成していくことになる、当面は徳山と麻里布(岩国)に燃料廠を立ち上げ精製の研究と教育をそこで行うことになる」
山縣有朋が問題ないと請合ってくれる。
「空軍はともかく陸軍も石油が必要になるのか?」
山本権兵衛が質問してくる。
「今後は動力を用いた車両を使うことになりますし、馬匹に取って代わるでしょう」
早めにトラックや戦車、各種工作車両の開発を始めさせなくてはな。まずは発動機だな。
「とりあえず、総研でその辺りのことはすべて行うことになる、もちろんここで行っている事を知っている者は限られる、表向きは単なる技術研究所の一つに過ぎん、君はその研究員を兼任してもらうことになる」
「了解しました!」
話はこれで終わりか、やっと家に帰れるな、早く嫁さんに会いたいぞ!
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その後は俺の知っていた歴史と大幅に変わっていくことになった。
まず俺はイギリスから送って置いた艦船の建造の面倒を見ることになった、お前が原型を考えたからという、解せぬ。
まあ、家に帰ったら嫁さんと(ラブラブ)(死語)だからな、なんくるないさ。
なぜか嫁さんの兄貴にあたる原正幹が家に来て「譲~お前って奴は~。」と締め上げられたんだが嫁いびりをしていたわけでもないのに何故怒ってるんだ?
そうしていると。
「兄さん……ちょっと話があります」
嫁さんに引きづられドナドナされた。なんかものすごいオーラが出てたんで怖くて後どうなったか見ていない、うん見なかったことにしておこう。
見ていない、うん見なかったことにしておこう。
そうして何ヶ月もしたであろうか、秘密に進めていることを確認しながら指示を出し設計した艦船に不具合が出たら修正したり図面を見直したり、工廠で監督したりしてたときにそれは起こった。
ハルビン駅での暗殺事件である、こうして平和裏に進んでいた世界は緊張に包まれるのであった。
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