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平賀譲は譲らない  作者: ソルト
3章 昭和編
179/231

160話 ハワイ解放作戦1

お断り 昨今小説家になろうにて無断転載される事例が発生しております。




其の為此処にてお断りしておきます。




この作品は 私ソルトが書いたもので小説家になろうにのみ投稿しアルファポリス・ツギクルにリンクが張ってある以外は無断転載になります。









オアフ島 ホイラー飛行場


 夜が明けて辺りが明るくなる頃飛行場は眠りから覚めつつあった。


 夜間の警備兵が早番の兵士たちと交代し、出勤した整備兵が機体をハンガーから出そうとしたその時遠くから聞こえる爆音にふと空を見ると、まだ朝焼けの中を飛んでくる物体が見えた。


「なんだ? あれは」


 その答えに答える者は地上のどこにもいなかった。答えは空から降りて来た。但し言葉ではなく、弾だったのだが。


>>>>>>>


日本海軍 朝潮搭載回転翼機 AH66{帝釈}


「こちらクレ1、目標地点に到達、ホイラー飛行場が見える、これより作戦に従い攻撃を開始す」


「こちら朝潮、攻撃せよ! 作戦の成否はこの一撃にあり」


「了解、誓って戦果を挙げる」


「無事な帰還を待つ」


 AH66{帝釈}の後部座席の操縦員が母艦と通信をしているとき、前席の攻撃員ガンナーは火器管制装置のチェックを済ませ攻撃準備を整えていた。


「まずは{花火}をお見舞いするぜ」


 機体の両側にある短翼スタブ・ウイングのパイロンに吊るされた4連装噴進弾発射機より噴進弾ろけっとだんが発射されて飛行場に白い尾を引いて飛んでいく。


 噴進弾は滑走路上に駐機していた戦闘機と滑走路脇の駐機スポットに並ぶ機体に命中した。


 爆炎が巻き起こり辺りに破片と炎をまき散らす。


「敵襲だ! 対空防御!」


「整備兵は避難しろ!」


 格納庫に噴進弾が命中し中からの爆発で建物の壁が外に膨らむように吹き飛んでいく、この有様では戦闘機を飛ばすことさえできない。


「ヒッカム基地に連絡しろ、応援を呼ぶんだ」


「畜生! なんでレーダーが知らせてこなかったんだ!」


 それでも応戦しようとすると今度は至る所に火柱が立った。


「敵の砲撃だ! こいつは迫撃砲だぞ」


「そんな! いつの間に敵に上陸されたんだ?」


「ともかく撃て! 周りにいるのは敵だ!」


 この後も攻撃は続いた。彼らは敵が飛行場に雪崩れ込まなかった事を不審に思ったがまさか少数だったとは気が付かず、応援に駆け付けた味方部隊に対しても攻撃を行い、同士討ちでかなりの損害をだすのであった。



>>>>>>>



 合衆国軍高級士官用官舎


 司令長官のウォルター・ショートの下に日本軍襲撃の報が届いたのはホイラー飛行場が襲撃されて1時間程経っていた。


「ではホイラー飛行場には敵のコマンドも現れたのか!」


「はい、敵機のみならず迫撃砲による攻撃があったと」


「直ちに救援を向かわせろ、ヒッカムから航空機を飛ばせ」


「それが、基地との通信ができません」


「なに? どういう事だ」


「ホイラーからは電話を使って知らせてきたのです、{無線が使えない}と、その後電話も不通になり只今は伝令を直接基地に送っております、基地には司令官の命あるまでは状況把握と防衛に努めよと伝えております」


「無線が使えないとはどういう事だ? 判った、島内の各基地に伝令を送れ、{ホイラー飛行場への救援とヒッカムを含めた真珠湾の防衛に努めよ}とだ」


「了解しました!」


 副官は伝令を出すために直ちに退出する。ショートは身支度を整えて司令部に向かった。



>>>>>>>


ハワイ方面陸軍司令部


 司令部に到着したショート中将は静かすぎる雰囲気に戸惑っていた。


「どういう事だ、衛兵もいないのか?いくら奇襲で動揺していてもこれは酷い」


 司令官の言葉に苦虫を噛み潰したような顔をした副官が走りながら大声を出す。


「衛兵司令はどこに居る! 司令官に出迎えも護衛も無しか!」


「これは失礼、取り込んでいたのでお出迎えできませんで申し訳ございません」


 そういって司令部の入り口から出てきたのは見たことも無い軍装に身を包んだ将校だった。


「貴様! 何者だ!」


「これは失礼、我々は日本帝国陸軍特殊作戦群第一小隊です。私は小隊長を拝命している川島大尉と申します」


「! なん…だと…」


「司令部はすでに制圧しました、司令官閣下の賢明な御判断をお願いいたします」


「司令官!」


 幕僚達が司令官に声を掛けるが周りは小銃や短機関銃サブマシンガンを持った日本兵で囲まれていた。


「やむを得ん、降伏する」



「く、……」


 へなへなと崩れ落ちるように項垂れる米軍司令部要員達、その中でショートはじっと前を見ていたがやがて遠くの空を見つめた。


(すまん、キンメル提督、貴官らが最後の希望だ、どうか無事に敵を討ってくれ)


 いまこの時敵と戦っているだろう僚友に願いを託すのであった。





ご意見・感想ありがとうございます。



ブックマーク・評価の方もしていただき感謝です。



あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…



読んでいただくと励みになります。




※感想返しが遅れております、申し訳ございません。




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