159話 ハワイ沖海戦その2
お断り 昨今小説家になろうにて無断転載される事例が発生しております。
其の為此処にてお断りしておきます。
この作品は 私ソルトが書いたもので小説家になろうにのみ投稿しアルファポリス・ツギクルにリンクが張ってある以外は無断転載になります。
日本海軍第二艦隊
「衛星通信より入電! 敵機動部隊が第四艦隊へ攻撃隊を送っています。第四艦隊は迎撃行動と同時に反撃を行っている模様」
「第三艦隊は第一次攻撃隊を発進させました」
「先行している潜水艦が敵戦艦部隊らしき反応を探知しました。このまま進めば我が艦隊が接敵します」
「艦隊に{合戦準備}を発令! 索敵機を出せ」
宇垣纒司令長官の命令に直ちに参謀たちが動き出す。
「長官、射程に入り次第{あれ}を使いたいと思います」
黛治夫参謀が宇垣長官に進言する。
「うむ。だが良いのかね?」
黛は砲術畑出身で遠距離砲戦の研究をしていた。米軍のそれと日本海軍の命中率は日本が三倍の命中率を持つと主張していた人物である。宇垣も砲術の先輩としてその事をよく知っていたのでその発言が出たのである。
「主砲より長射程で威力のある物があるなら躊躇なく使うべきです、本心を言えば主砲で雌雄を決したい。ですがそれを超えるものがあるのなら」
「判った。索敵機の情報が入り次第攻撃開始だ」
「はっ!」
艦隊に随伴している護衛空母 中城から二式艦上偵察機が発進する。
二式艦上偵察機
全長 11.5m
全幅 10.25m
全高 3.2m
翼面積 23平方メートル
自重 2560kg
最高速度 690km/h(6000m)
発動機RRマーリンtype66T(ターボチャージャー装備) 1890hp
搭乗員 2名
総研が設計図を提供し愛知航空機(日本産業グループ企業)が生産した本来は艦上爆撃機であったが、偵察任務の多様化(早期警戒、電子妨害機)の任務に耐えうる機体を作り上げた。
発艦した3機の二式艦偵は目標地点に向けて矢のように進んでいく。
>>>>>>
アメリカ海軍太平洋艦隊旗艦 ノースカロライナ
「敵主力艦隊はまだ発見出来ないのか?」
「ハルゼー艦隊が機動部隊を発見、攻撃隊を発進させたと報告は受けていますが……」
「どこに居るのか、先んじて見つけ必ず撃破するのだ」
「偵察機の報告待ちですな」
参謀長の発言にキンメルは僅かに顔を顰める。
「待つのみか、それはそれでもどかしいな」
指揮官席に深く座り直し小さくため息をつくのであった。
彼は知らなかった、敵艦隊がすでに自分たちを捕捉しつつあることを、もうすぐ攻撃を仕掛けることを。
>>>>>>>>
連合艦隊旗艦 斐伊
「各艦隊は作戦通りに展開中です、特殊作戦群はすでにオアフ島に上陸、現地工作員と合流して作戦を続行中、第二艦隊は敵戦艦部隊を捕捉、接敵します。第三艦隊と第四艦隊は敵機動部隊へ攻撃隊を発進中」
「そうか、情報参謀 真珠湾には敵艦隊はいないのだな」
木村長官が尋ねると実松少佐が手に持った用紙を作戦卓に置いて答える。
「衛星写真でも確認しましたが湾内に大型艦船は存在しません。船渠内に大型艦が入っています。艦形からペンシルバニア級ですね。現地監視員からの情報とも一致しております」
「しかし遥か上空から監視の目か、米軍もたまったものではないな」
参謀長が首を振りながら話すと実松少佐も頷きながら答える。
「全くです、最も画像を送るのに時間が掛かるので急ぎの時にはやはり従来の偵察に頼るしかありませんし、天候によっては見えませんからね」
「便利になってもそれなりに問題はあるという事か、それで本隊はどうなのだ?」
木村長官が尋ねると綴りをめくった実松少佐は報告を読み上げる。
「こちらはオアフ島まで後二五 浬程です、このまま行けば後2時間で着くかと」
「そうか、警戒は厳重にな」
「はっ! 既にオアフ島のレーダーサイトは潰したと報告を受けております、後1時間もしないうちに特殊作戦群の攻撃が始まります。我々は彼らの後詰をする必要があります」
「うむ、攻撃隊を出せ」
「はっ!」
こうしてハワイ島解放作戦の本隊が参戦する事になる。
いまだハワイ島の米軍はその事を知らない。
ご意見・感想ありがとうございます。
ブックマーク・評価の方もしていただき感謝です。
あくまで娯楽的なものでありますので政治論とかはご返事できないかも…
読んでいただくと励みになります。
※感想返しが遅れております、申し訳ございません。