154話 開戦へのカウントダウン
お断り 昨今小説家になろうにて無断転載される事例が発生しております。
其の為此処にてお断りしておきます。
この作品は 私ソルトが書いたもので小説家になろうにのみ投稿しアルファポリス・ツギクルにリンクが張ってある以外は無断転載になります。
太平洋 沖の鳥島沖 公海
「多数の推進音を確認、少なくとも10隻は下らない数の船が移動中」
「メインタンク・ブロー、潜望鏡深度まで上げ」
「潜望鏡深度よろし」
「どれどれ……方位136、距離7千に船団だ、数は……大型の輸送船が6杯…兵員輸送艦のように見えるな、あとはタンカーと護衛の駆逐艦のようだ」
「情報にあったアメリカの奴ですね」
「そうだな、潜望鏡下ろす、潜るぞ。深度30」
「深度30!」
副長が号令すると直に復唱が行われ潜水艦は深度下げていく。
「気付かれていないな」
艦長が聴音手に尋ねると彼は首を振って答える。
「この航路でしたら、フィリピンですかね?」
「多分な、もっとも其処から仏領インドシナへ行くかもな」
副長の質問に艦長が答えると溜息が聞こえた。
「くそっ! 堂々と戦力強化をしやがって! 魚雷をぶち込んでやりたいですな」
「まだ開戦になっていないからな、自重しろ」
「ですが!」
「副長、開戦も決まっていないのに戦闘を仕掛けては海賊と同じだぞ、我々は規律正しい軍隊なのだ」
「はっ! 申し訳ありません安久艦長」
「よろしい、通信士、船団発見の通信を送れ」
「攻撃してきませんか?」
「攻撃してくれば非難されるのは奴等だよ」
そう言って安久榮太郎中佐は航海中に生えた髭をしごくのであった。
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「不審な電波は何処から出ていた?」
「付近なのは間違いありませんがレーダーには反応がありません、恐らくは潜水艦かと」
「ソナーは?」
「反応なし、だんまりで潜っているものと思われます」
「どうします? 叩きますか?」
「此処は公海上で我が国の領海内ではないし、我が国はまだ何処とも戦争はしていない」
艦長はそう言って指揮席に座りなおした。
「攻撃されませんか?」
「そうなればあの国は国際的な非難を受けるだろう、其処まで狂った奴等でもあるまい」
「そうですか……」
「もし、奴等が仕掛けてくるならその時は一番に我が艦が突入するさ」
そう言ってアーレィ・バーク中佐は制帽を深く被った。
外交努力も空しく、国連の定めた返答期限が来て、合衆国の返答は否であった。
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